GaN整流ダイオードをチョークインプットで使ったときに起こる現象2018年05月06日 21時44分58秒

GS61004BをCirclotronに整流ダイオードとして使おうとしたら、スイッチを入れた瞬間に壊れてしまった。半可通の私は、シミュレーションしてみて初めてトラブルの原因がチョークインプットにあったことを発見した。
それで実際にどんなシミュレーション結果だったのか、これから挑戦しようとする勇気ある方々のために少しでも貢献できればと願い、ここで報告しておきたいと思う。
まずシミュレーション回路は以下の通り。
これをシミュレーションするとp1ポイントの電圧波形は以下のようになる。
80msec あたりから異常な発振が始まり、320msecあたりまで継続し、その後は何事もなかったかのように収束する。
異常発振を阻止するために例えばフェライトビーズを挿入してみるとか、抵抗をシリーズに入れてみるとかやってみたが、全く効果はなかった。

この現象はGaNに限らず、一般ダイオードでもSiCでも発生することは、今回初めて知った。もしチョークインプットで使いたければ、耐圧については十分な余裕を持たなければならない。それが今回得られた教訓である。

コメント

_ Bunpei ― 2018年05月07日 21時15分41秒

チョークインプットを半波整流で使う場合は、環流ダイオード(英語ではfreewheeling diode)が必要という話を聞いたことがあるので、それを思い出したのですが、両波整流では必要がないはずですよね。

_ Bunpei ― 2019年05月17日 07時41分04秒

GS61008Tの逆接続型整流子を知り合いに試してもらったところ、同じくチョークインプットでの使用だったためか、壊れて戻ってきました。そこで耐圧の高いGS66516Tを使いたく思っていたのですが、ずっとMouserでは在庫がありませんでした。それがやっと先週、手に入りまずは自分の所で試しました。従来のGS61008Tの置き換えです。
これで、また音が変わりました。自己最高記録の更新です。
もうハイレゾ音源は要らない、44.1kHz/16bitで十分と思えた位です。

_ Kon ― 2019年05月20日 20時45分17秒

これは私だけの印象かもしれないのですが、GaN Systemsの素子は耐圧に関してかなり余裕をもつ必要があるように感じます。

Bunpei様の「自己最高記録」宣言はかなり説得力がありますね。これで1200V耐圧が出たら鬼に金棒で、真空管用の整流にすぐに使いたいところです。

_ Bunpei ― 2019年05月27日 07時57分37秒

ええ、GaN HEMT 素子はSi、SiCに比べて壊し易いように思えます。

ところで、中島千明さんのES9038PRO Dual Mono DACのアナログ出力部分用の+5V電源の全波整流回路のGS61008TをGS66516Tに交換しました。その効果はあったと感じており、その内容はKon様のこれまでの音質表現が全く当てはまるものです。

_ Kon ― 2019年05月28日 09時47分34秒

ありがとうございます。
このことをほかの皆さんにも知っていただいて、GaN整流ダイオード開発の後押しになればと願います。

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