フィッシャーディースカウさんが亡くなった2012年05月19日 16時09分41秒

 私が大学生のときのこと。LPレコードでオペラを聴きたいと考えたのはよいのだが、初心者ゆえにいったいどの歌手がスタンダードなのかわからず困ったことがあった。

 そのことを調べるために「名曲百選」のような本を買って読んだとき、初めてこの方の名前を目にしたのを覚えている。

 それ以来、彼の歌う「マタイ受難曲」や「魔笛」「フィガロの結婚」などがいつも私のそばにあって、彼の声を聴き続けてきた。

 数年前、衛星放送で彼が若手歌手のレッスンをする姿を拝見したことがあった。あれからまた月日が経ち、もうかなりの高齢なのだろうとときどき思いかえしていたのだが、そんなやさき訃報が入った。

 彼に並ぶような歌手がこれから出て来るのだろうか。月並みな表現だが、大きな星が夜空から消えてしまったようなんな寂しさを感じる。

足ペダル2012年05月18日 18時45分49秒

 足ペダルは、ヴァイカウント社の32鍵盤。あるところから格安で譲っていただいたもの。ただし、MIDIポートは付いておらず、自分でなんとかしなけれればならないという条件がついていた。

 調べててみると、この足鍵盤はごくふつうのマトリクス回路を使っていることがわかり、対応はそれほど難しくないと判断した。ただし、マトリクスからMIDI信号作るインターフェースは自作するとなると結構準備が必要なので、出来合いのものを使うのが手っ取り早い。

 Classic MIDI Works社はここあたりの対応も抜かりはない。「スキャンコンピュータ」という商品名でMIDIインターフェースを取り揃えている。これを購入した。

 ただし一つだけ問題があった。マトリクス回路にダイオードが使われているのだが、このダイオードがアノード・コモンとなっている。しかしスキャンコンピュータは、この逆のカソード・コモンタイプ。もうこれは、一個一個ハンダゴテを使って向きを反転させて付け直すしかない。これを32個分繰り返した。

 それからもうひとつは、ピンアサインを調べること。これもプリント基板を追えば難しくない。

 最後は鍵盤とインターフェースを結ぶフラットケーブルのアサインを間違わないようにしてピンを圧着。

 全部つないで動作試験。反応しない。あせった。しばらく頭を冷やして確認したら、MIDIポートのINとOUTを間違っていたことに気がついた。

 こうして正常に動作を確認。ほっとした。

 現在、工務店にコンソールテーブルとベンチを頼んでいて、来週末ころに出来上がってくる予定。それで完成となる。

スピーカー・ネットワーク 並列式か直列式か2012年05月18日 16時57分20秒

 スピーカー・ネットワークの現在の主流はもちろん並列式である。直列式については、理論としては触れられることはあっても実機に搭載されることは希である。まして制作例が紹介されることはほとんどない。

 なぜ直列式が普及しないのか、考えてみると不思議な現象である。もちろんそれなりの理由は説明される。ウーハーとツィーターが相互作用して、非常に複雑な動作をするから。並列式ならそのあたりはコントロールしやすいから。

 本当だろうか。ネットを見ると、並列式と直列式のメリットとデメリットをきちんと論じたレポートが掲載されていた。

  http://sound.westhost.com/parallel-series.htm

 これを読むと、少なくとも1次フィルター(-6db/oct)に関しては、直列式にも大きなメリットがあると書かれてあった。なによりも、ウーハーとツィーターが協調しあって自動的に最適値のクロスオーバー周波数が決まるのが直列式の最大の特徴とあることに引きつけられた。

 以前から並列式に疑問を感じていた私はこのレポートを読み、直列式にトライする気持ちになった。新しい部品を追加する必要はない。だめもとで、今あるC,L,Rで試してみることにした。

 結果。変な音などしない。並列式とほとんど似たようなバランスである。これでひとまず安心。

 しかしいっぽう、大きな違いもある。定位が驚くほど明確に決まる。音が充実しているように聞こえる。これには何か理由があるに違いない。もう並列式には戻せない。

 思い切ってトライして良かった。もっともっと直列式ネットワークの研究が進んでいくことを期待したい。

 応用として、並列式と直列式を好みの量でミックスさせる回路も考えた。こんなものの実用価値はほとんどないとは思うが、気が向いたら発表したい。

200V電源の効果2012年05月16日 09時29分13秒

 オーディオルームに200V電源を引き込んだ。配電盤からのケーブルには、フジクラのCV-S 3.5×3芯を使用。

 クロック発振器、I/VC、ラインアンプ、パワーアンプは100V電源なので、200Vを使うためには、ステップダウントランスが必要となる。すでにトランスは手もとにある。
 いっぽう、DACの電源トランスは幸いにして200V入力が可能になっているので、まずそこから200Vの効果を確認することにした。

 ところでフジクラのCV-S 3.5×3芯は、噂には聞いていたけれど非常に堅くて慣れていないと扱いにかなり難儀する。それに外観のことで言えば、壁の中に収納する限り問題にならないが、部屋の中で目に触れる所に置くとかなり違和感がある。
 このごろ見た目(最近はコスメと言うのだそうだが)にも気を配ることの大切さがわかってきたので、これはなんとかしなければならない。

 さて、DAC電源を200V仕様にした効果はどうであったか。
 変更直後はとにかくひどい音だった。ケーブルのエージング不足は明らか。24時間経過して少しまともな音になってきた。48時間経過してもなおエージングは不足しているが、なんとか落ち着いた評価が可能になった。

 ひとことで言えば、驚いた。まず音場がちがう。これまで音場と言えば横方向の広がりや定位のことだと思い込んでいた。200V電源になって、縦方向の音場というものを初めて知った。なんの制限もなく空間が広がっていく様は圧巻である。

 制限が取り払われたことはダイナミックレンジにも言える。100V電源ではエネルギーが枯渇し、貧血のまま全力疾走を強いられていたようなものだった。これが200V電源になると、エネルギーが充満する。

 さりとて力ずくで乱暴に振り回すのとも違う。たとえて言えば、優れた剣術使いの武士のように全くむだな動きがないままに、相手をバサリと切り倒す切れ味。まるで静止画を見ているようでありながら、しかしダイナミック。相反するテーマがまるで何事もなかったように目の前に現前する。

 自転車で言えば、表情はふだんのまま、上体だけ見ればまるで緩い下り坂を軽くペダリングしているかのような力みのなさなのに、カメラを引いて見ると、実はすごいのぼり坂をぐいぐい登っていた。そんな印象だ。

 とにかく、なんと言い表すのがふさわしいのか、しばらくことばが見つからなかったというのが正直な感想。

 場合によっては200V電源の効果はそれほど期待できないと言われる方もいるかもしれない。使っているシステムや環境で評価はいかようにも変わる可能性もあるので、十分にあり得ることである。。
 しかし、少なくとも私の場合、200V電源はこれまでオーディオ観をひっくり返すほどの効果があったように思われる。

 200V電源の音を聞いて初めてこれまでの100V電源の癖がわかる。オーディをやるならまず電源環境をきちんと整えなさいとアドバイスしたい。電源環境が弱ければ、どんなにすばらしいシステムを構築しても、必ず限界にぶつかり悩むことになるはずだ。私がそうだった。

 いつも音が堅くて、高い方に周波数スペクトルがよるのはどうしてか。音がいつも圧迫されたようで、こじんまりとしてしまい、迫力がないのはどうしてか。特定のキーで耳に突き刺さる音がしたり、混濁したり、不明瞭になるのはなぜか。

 すべては部品や回路設計が悪いためかと思ってきた。確かにそこにも原因はあった。しかし電源の品質が大きな影響を与えていたことに気がついた。

 次計画は、ステップダウントランスを使って全システムを200V電源で動かすこと。さてどんな結果になるか。

オルガン・テーブルとベンチ2012年05月15日 11時21分17秒

 貴重な休日は朝から晴天。ふだんならバイクにまたがって長距離走に出かけるところだ。しかし日曜日の疲れが身体の奥に残っている感触があって、気持ちが前向きにならない。どうするか迷ったが遠出をあきらめた。

 その代わり、懸案となっていた課題を片付けることにした。自作オルガンのこと。必要なハードとソフトは整い、きちんと音が出るところまでこぎ着けたのだが、キーボードを置く机(コーンソールテーブル)とオルガンベンチがないために、まだまともな演奏ができない状態のままでいた。

 そこで、朝からテーブルとベンチの図面を書く作業を開始。構造自体は単純なのだが、演奏者にストレスを与えないための最善の位置関係を考慮しようとすると、結構あれこれ考えなければならないことがある。妻を椅子に座らせ、足鍵盤と足の位置を測ったり、最後はミリ単位で追い込んだ。

 そんなふうにして午前中で図面を書き上げた。
 ネットで近くにあるオーダー家具を受注してくれる工務店を探し、アポを取ってに図面を持ち込み、打ち合わせ。社長さんはまだ三十台で気さくな印象。この人に任せても大丈夫という信頼感を感じ、良い人に巡り会えたと喜んだ。

 予算は少しオーバーしたが、いいものができそうなので納得。納期は二週間後の予定。

 ちょっと心配なのは、私が寸法の測り間違いをしていないかどうか。「出来上がったら、ここがおかしかった」ということにならないよう祈っている。