仕様変更と回路図(素案)2016年09月28日 13時58分19秒

いろいろ考えていると知らないうちにヒートアップしてきて、とんでもない方向にそれることがよくある。今回もそうだ。先輩諸氏から笑われるような、現実離れしたアイデアばかりが先走りしていたかもしれない。
こんなときは少しクールダウンするに限る。

ということでもう少し現実的な仕様に変更する。

1)300Bの固定バイアスはそのまま。
2)CR結合とする。(仕様変更1)
3)初段CV358のプレート負荷はDN2540を使った定電流回路とする。
4)300Bのグリッドリーク抵抗は削除して、グリッドチョークとする(仕様変更2)

ということで長期休暇の最終日に考えた回路図(素案)を掲載する。

300Bの動作点は、Ep = 340V, Eg = -70V, Ip = 75mA である。

シミュレーション上では、初段と300Bの歪み打ち消しがうまくいっているようにみえる。ただし、CV358のスクリーン・グリッドの電圧が変わるところころ特性が変化し、ややクリティカルという印象がある。

なお回路図にはWE300Bとあるが、実機では他社製品となる予定。

初段管の選定2016年09月26日 19時42分36秒

91Bの初段管はWE310Aもしくは348Aと決まっている。しかしすでに市場からは枯渇してしまった。あったとしても手が出せるような価格ではない。

当然、代替品を探すことになる。
ちょうど、無線と実験99年1月号に松並希活氏がこのことに関して詳細な報告を書いておられる。氏曰く。「EF37が一番相性が良さそうで、特にマラード製が中低域の張りと明るさがあり、私の感じではベストと思います。」

当初、手持ちにあるWE404Aを初段に使うことも考えた。ところが松並先生の他の記事(MJ90年3月号)の中に、余裕を持って鳴らすST管に比べると404Aは精一杯頑張っているという印象があって、今ひとつだったという趣旨が書かれてあった(私なりの要約)のであきらめることにした。

その後、EF37にもいろいろ類似管があることを知り、結局すったもんだの挙句 MullardのCV358(白塗り)を使うことに決めた。

設計方針を考える2016年09月26日 19時08分40秒

91Bをモデルにした製作記事をあれこれ読んでいくうちに、自分はいったい何を目指しているのかが問われていることに気がついた。

完璧な91Bのコピーを目指すことは資金的にも絶対に不可能。では、代替部品を使って限りなくオリジナルに近づくのを目標とするのか。しかしWEの真空管を使わない(使えない)という時点ですでにこれも破綻している。WEでなければ絶対に出ない音があることは先輩たちが口を酸っぱくして力説しているではないか。

ではいったい何を目指せばよいのか。しばし考えた。そして次のような方針で行こうと決めた。

1)回路は91Bを範とするが完全なコピーにこだわらない。
2)ただし、91Bのエッセンスと思われる部分は出来る限り保存する。
3)いっぽうオリジナルのアイデアも盛り込む。
4)先人のアイデアを借用しながらコストを抑制する。

プアマンは無い知恵を絞りながら、なんとか高嶺を目指していくしかない。


では、保存すべき91Bのエッセンスとは何か。今回は次のとおりとする。

1)初段に五極管を使う。

2)初段のプレート抵抗は100KΩ前後とする。

3)初段のスクリーン・グリッドの電圧のかけ方は91Bを範とする。

91Bとは異なるオリジナルなアイデアは次のとおり。

1)300Bは固定バイアスとする。
これは諸先輩からはおしかりの声が聞こえそうだ。でも、真空管は固定バイアスで使う時、もっとも性能を発揮するのではないかとの経験則が身についてしまったので、これにこだわりたい。

2)初段と300Bは直結とする。
これも、「大丈夫か」と不安視する声が聞こえそう。でもやるからには独自のアイデアで勝負したいとの思いがある。もちろん、バイアスが不安定になって300Bが壊れるようなことはあってはならない。遅延回路や保護装置は必須となる。

3)極力シンプルな回路を目指す。

4)半導体を一部に使用する。
これも一部の方にはブーイングものだろう。
整流管は使用せず、InfineonのSiC BSDを使う。
初段管のプレート負荷は定電流負荷とし、これもMOS-FETを使う予定。

と、大口をたたいたが、そのうち「前言撤回」したり、迷走して仕様変更することは十分有り得る。

管球王国 vol.12 99年5月 新忠篤氏ら2016年09月22日 19時36分46秒

そして最もWE91B型アンプ研究に関してバイブル的な存在(ちょっと大げさかもしれないが)と思えるのがこれ。おそらく91Bアンプファンを自称する者の多くは、この本を手にしたのではないだろうか。

私は最近になってこの本の存在を知り、古書店から取り寄せて読んでみた。アマチュアではとてもできないような数々の実験を惜しげもなく披露し、その情報量たるや本の値段をはるかに上回ると思う。

その中でとくに参考になったポイント。

1)フィラメント専用トランスを設ける。
ネットを検索しても、これを実施ている方がチラホラおられるようだ。
この記事を読むまでは、パワートランスの容量が不足して別トランスにしたのだろうと思っていが、とんでもない勘違いをするところだった。

2)フィラメントとの定電流点火+ヒーターチョークの追加。
これはたまたまラインアンプで同じことをしていたので、大いに納得。

3)電源チョークトランスを50Hにする。
他の作例では見たことがないので新鮮な発見だった。これを読んだだけ、この本を買ってよかったと心から思えた。

記事全体は、新氏を始め、実験に参加された方々がWE91Bアンプの前で頭を垂れながら謙遜に学ぶ姿勢が感じられ、実に印象深い。

MJ無線と実験90年5月号 田中秀純氏2016年09月22日 18時29分41秒

次にこれまた秀逸と思われる記事はこれである。タイトルは以下の通り。
「オールバッテリー駆動 WE91型 310A-300B シングルパワーアンプの製作」

回路は91型にほぼ準拠。310Aのプレート抵抗は82.5KΩで、そのためf特が10KHzで-2から-3dBとなっているけれど、全く問題なしとの意見である。
もっとも特徴あるのが電源にバッテリーを使ったこと。これはちょっと真似ができない。
電源回路を除いて、他は特に新たな工夫をしなかったのにもかかわらず、出てきた音に関しては次のように記している。
「試聴の感想として、一言で言えば今まで自作したアンプと全く違う音で、その差は想像以上でした。立体感、透明感はAC電源アンプと一線を画するものであり、特に低域はスピーカーボックスのくせも減少させる効果がありそうに思えます。」

増幅回路だけではなく、電源回路も音に対していより一層影響が強いことをうかがわせる記事である。