Catalina でAudirvanaのdirect mode を復活させる2020年01月16日 22時09分55秒

2018年の秋、MaOS10.4.xに移行したおりにAudirvanaのdirect modeの復活に挑戦したのが、このテーマの始まり。最初はちょちょいのちょいといくはずだったのが意外に手こずったこともあって、それ以来OSのバージョンアップはあまりしたくないという思いがあった。

しかし、いつまでもそうしてはいられない。どうしようかと迷っていたら、ある篤志家がAudirvanaのフォーラムに Enable Direct Mode in Catalinaと題して、詳細に復活手順を公表しているではないか。

これは朗報。マニュアルには「書かれている通りにやれば必ずうまくいく」とあるので、今度こそお茶の子さいさいでいくと信じ、少し時間ができた本日重い腰を上げた。
結論。うんともすんともいかず、まったくダメorz
費やすこと2時間。すっかり暗い気分になってしまった。

私と同じように困った人はいるのではないかと思い、フォーラムの続きを読んでみた。そうしたらやっぱりうまくいかずに悩んでいる人がいた。ここで少し元気になる。

で、どうしたか。世の中は広い。Hackintoolという名称の、*.kextを自動インストールするツールがあって、これで試してみたらうまくいったとある。
で、やってみた。あっさりと動いた。最初は使い方が難しそうに見えたのだが、やってみたら実に簡単。最初からこれを使えば良かった。

これでOSがバージョンアップされるたびにDirect Mode復活のことで悩む必要がなくなった。

測定機器の限界2020年01月11日 22時05分28秒

発振器に深入りしていくとどうしてもしっかりとした測定機器が必須となる。と同時に、測定技術も要求される。

これまで周波数帯域200MHzのデジタルオシロと同じく400MHz帯域のパッシブ・プローブを使ってなんとかしのいできた。もちろんプローブのグランドは最短を心がけたつもり。

しかし被測定回路の周波数が50MHz近傍で、立ち上がり時間も1nsecを切るような高速波形が相手では、動いていることくらいは確認できても、正しく波形を観測しようとするなら大いに役不足である。

このあたりの事情については、観測機器メーカーが親切にアプリケーションノーとして出しており、その中でもたまたま目にしたアジレントの資料によれば、立ち上がり時間1.6nSecの波形を正確に観測するためには600MHz帯域のオシロスコープが必要とあった。500pSecに至っては1.4GHzが必要とあった。POTATOのロジックICはもちろんのこと、LTC6957の出力波形など正確に測れるはずもなし。

とは言え、矩形波の観測は無理でも正弦波の観測なら手持ちの機器でもなんとかなるのが慰めである。ただ一つ、高インピーダンス回路の測定だけはできるようにしたい。
そのためにはアクティブ・プローブがどうしても必要となるが、値段を見たら市販品を買うのは躊躇する。

いっそのこと自作しようかとも考えたが、私のような人間は他にもいるに違いないと思い、eBayを探したらdiyキットとして売られていた。自分で作る手間を考えたらこれは安い。早速、注文した。

Laptech水晶発振器 矩形波変換回路の検討2020年01月10日 21時59分28秒

その後、I様からいろいろアドバイスをいただき、あれこれ思案することとなった。

そもそものきっかけは、矩形波変換回路をいじっていたときのことである。ここはPOTATO社の74GU04が使われている。電源は動作確認を優先したのでとりあえず単一電池二本で済ませた。で、きちんと動作した。ところがそのうちに電池の電圧が低くなるにつれて音が悪くなってきた。音が堅くなるのである。新しい電池に換えたら元の音に戻った。それがヒントになった。

どうも矩形波変換回路は予想以上に音に影響を与えるらしい。そこで電池二本で済ますのはやめて、定電圧回路を入れることにした。使ったのはLT3042。
やってみると音がしっかりとして効果が確認できた。しかし、天地がひっくり返るほどの変化ではなかった。

次に考えたのはクロックの伝送方法である。
従来は発振回路側で矩形波に変換し、これを同軸ケーブルを通してDDCに送っていた。しかし矩形波は、ご存じのように奇数次の高調波の広範囲な重ね合わせで成り立っている。立ち上がり時間が短くなればなるほどそれがどんどん高い周波数に及んでいく。それを同軸ケーブルで送るのだから、伝送途中に外部からノイズが入れば、容易に位相雑音が増大することが予想される。

ならば矩形波で伝送するのは止めて正弦波で送ってみたらどうか。差動出力にしてノイズへの耐性を上げる手もあるが、それは将来の検討課題にする。今回はまずシングルにして同軸ケーブルを採用する。

まず考えたのは、いっそのこと正弦波のままでクロック入力すること。ところが残念なが発振器の振幅が1.6Vppくらいしかなく、このままでは小さすぎる。問題は、位相雑音を加えないアンプをつくる自信がないこと。

そこでこうした。
1)発振器本体には手を加えない。
2)その代わりにFETを使ったバッファをいれて、S(ソース)をそのまま同軸ケーブルの出力とする。
3)DDCの直近に矩形波変換回路をもってくる。使ったのはLTC6957。データシートによればこれから出力される矩形波の立ち上がり時間は300pSとある。
4)LTC6957の電源にはLTC3042を使う。
5)バッファの出力は実験によって1KΩで受ける。この抵抗はLTC6957の直近に配置する。

昨日、部品がそろったので一気に組み上げた。できあがったときには夜の11時をまわっていた。いつもなら寝る時間だが、我慢ができず音を聴いてみた。
同じ発振回路なのに、これまでとは全く違う。最近は何をしてもヒットになるのは珍しく打率が低迷していたが、ひさびさの大ホームランである。これで矩形波変換回路の重要性と、正弦波伝送にメリットがあることが証明されたように思う。

まずはバッファの出力点における波形を観測する。

次に発振回路の様子。オーブン未実装。矩形波変換部のパターンのところにFET BF513を載せた。

次にLTC6957の様子。向こうに小さく見える。この基板をI2SoverUSBの背中に載せ、外部クロック入力端子に短距離で接続できるようにした。

今回はまだ試作段階なので、いくつか手を入れたいところがある。とにかくエージングでどこまで音が変わっていくのか、楽しみである。

Laptech水晶発振器 回路修正と仮実装2019年12月30日 17時17分40秒

andrea_moriさんが発表している回路図にはデューティー比の設定に関して二つのオプションが設定されている。それを見誤った結果、Bunpei様からデューティー比が50%になっていないとのご指摘をいただくことになってしまった。 回路の修正は簡単で4個の部品を取り除くだけ。言い換えれば無駄な部品を4個も半田付けしていたことになる。

早速、波形を観測し直した。出力開放のままOSCの出力端にプローブをあてた状態。なおプローブの帯域は400MHz。オシロスコープはTDS350で周波数帯域は200MHz。なので45MHzの矩形波を観測するにはちょいと苦しい。理想的には500MHz程度必要になるはず。なので参考程度に見てもらうしかない。

続いて実装について。
試作基板をもう一枚作り上げて発振波形を観測していると、なぜか思った以上に波形が揺れることに気がついた。回路のインピーダンスが高くて、環境に大きく影響を受けやすいことが原因。ベテランの方にしてみたら、発振器をオープン空間に置くなど愚の骨頂で、発振基板を金属の箱に入れて観測するのが常識のはず。ここあたりが素人の悲しいところで、失敗しながら一つ一つ学ぶしかない。

ということで、ジャンク箱に眠っていたアルミケースに発振基板を入れた。基板はケースに固定せず、綿布でくるみオーブンの熱が逃げにくくするとともに、基板が空間に浮くようにした。
矩形波変換部の電源となる電池は内部に入れ、ほかの二種類の電源は外部から引き込む。

写真にはGaN素子を使用したTaylor型レギュレータが写っている。使用する電流を考えればここまで大げさなものはいらないのだが、一応そのまま使う。

ご覧のようなバラック状態ではあってもケースに入れ込んだ効果は大きい。Joe Passのギターなど、アルバムによってだけれど、Passの背中に回り込んでいる音まで聴いているような不思議な感覚があった。こんなことはこれまで一度も経験したことがない。

このレベルになると発振器の電源を入れてもすぐには良い音は出ず、キンキンして音が堅くなったり、重心が高めで落ち着いて聴いていられない。少なくとも24時間待つ必要がある。

Laptech水晶発振器+オーブン 波形観測2019年12月24日 10時00分29秒

昔、生涯アナログいのちと誓っていた私だったが、もろもろの事情によってデジタルに宗旨替えしたのがおよそ20年前である。

そのときPaul Winserが書いたCD Jitterを読んだことがきっかけで、発振器とDACの関係について考えるようになった。ただ低位相雑音の発振器は専門メーカーの独壇場であって、個人で優れた発振器を作ることなど夢にも考えたことはなく、前掲書の記事をまねしてECLを使った発振器を作ったのが唯一である。ただ、そのときはまともなオシロスコープも持っていなかったせいもあり、そこで終わってしまった。
終わってしまったのにはもう一つ理由があって、発振器は高周波屋さんの世界で、「アマチュアオーディオをやってきました」というような技術レベルではまったく太刀打ちできず、どうしても腰が引けてしまうのである。

しかしアンプやDACだけいじっていても限界があって、結局は発振器に手をつけない限り、これ以上の改善は望めないと言うことも否定できなくなってきていた。こうなると、老体にむち打ちながら慣れない世界に足を踏み入れるて恥をさらすしかなくなる。

DDCはI2SoverUSBの初期バージョンを使っている。このDDCは私の理想としている機能をすべて実現しており、USBとDACをグランドから完全に分離していること、リクロックをかけて外部に信号を出していること、そして外部クロック入力端子があることである。ちなみに、最新バージョンはもっと進化しているらしいので、いつか入れ替えたいと思っている。

前回は水晶発振器本体の出力部での波形を観測したが、これでは実際どう伝わっているのかわからない。そこでDDC外部入力端子での波形を観測した。
I氏からもご指摘があったように、やはりリンギングが残っていて決して理想状態ではない。

ライズタイムは、オシロスコープの計測によれば1.4nSecと出ているがどこまで正確なのかは判断しかねる。