Circlotron2 進捗状況2018年06月25日 19時19分41秒

次に取りかかったのが、まな板の成形。ステンレス製のシャーシを加工するよりも、内蔵型木製シャーシにしたほうがずっと加工が楽になる。
出力段のトロイダルトランスは4個。一つずつはそれほど大きくないが四個ともなるとスペースは馬鹿にならない。結局、二段重ねにした。ただし、直接重ねると結合が生じると言われているので、板で二階建ての構造を作った。仮置きしてみると結構サマになっているかな。

Circlotron2への挑戦2018年06月12日 21時30分15秒

初段をJ-FETで構成する限り、どうあがいても望む音は出ない。ここは真空管にしなければ正しいCirclotronの評価はできないと判断し、すでに見切りをつけてメインシステムから外してしまった。Circlotron2の回路設計はすでにできあがっている。あとはやる気の問題で、これがぐずぐずしてなかなかスタートできなかった。やっと昨日から着手した。

回路規模は比較的小さいのだが、部品は大型になり1台のRコアトランス、4台のトロイダルトランス、4本の大型電解コンデンサを使う。これらを収めるためには相当のスペースが必要になる。そこでCounterpoint SA-20のシャーシが最適だろうと目星をつけていた。ただ問題はステンレス製なので加工が若干大変になること。特に入力用XLRレセプタクルコネクタの穴開けが最初の関門となる。先ほど穴開け加工を無事に終えた。これをクリアすれば、次は内部シャーシ(木製)の加工に移る。

KT88(三結)ppアンプ 固定アイアス電源その後2018年06月05日 21時57分53秒

固定バイアス電源の整流にGaNを投入してからだいぶエージングが進んできた。当初の堅さがほぐれて、のびのびしてきた。

結論から言うと、以前のInfineonのダイオードの音から大きな変化があった。変化の仕方はほかの箇所に使った場合と全く同じで、音が雄大となり眼前に音が噴出してくる印象がある。また低音域も拡大し、楽器や人の声の雰囲気が一層生々しくなる。

良いことずくめだが、GaN素子一個で理想のアンプができあがるわけではない。ほかとのバランスがある。このアンプは、おそらく出力トランスの影響なのだろう、高い周波数域の押し出し感が一歩不足する。これさえあれば相当のものだと思うのだが、惜しい。大先輩たちのDynaco MK3の評価の中に「雄大なピラミッド型の音」というのがあったが、言葉を換えれば出力トランスの設計が古いため、高域が速く減衰しやすいということだろう。以前も書いたように、GaNはシステムの弱点をさらけ出してしまう怖さがある。

300Bシングルアンプを固定バイアスで作りたいとの計画を以前から持っていた。この音を聞いてしまった以上、固定バイアス電源にGaN以外のダイオードを使うことなど考えられない。

その前にCirclotronの真空管バージョンを作らなければならないのだが、徐々に当地も暑くなってきたので手をつけるのはもう少し先になるかもしれない。

KT88pp 固定バイアス電源を考える2018年05月23日 22時03分35秒

真空管アンプの固定バイアス電源の音に対する影響について具体的に言及したのは、私の知る限り松並希活先生が初めてではなかっただろうか。(写真はその記事が掲載されいている無線と実験1994年2月号)

この記事によれば、終段管(300Bpp)のバイアス電源の整流に6AL5を使用した結果、「従来のダイオードと違った力強く厚みのある音と同時に、ふくよかな雰囲気のある再生音を得ることができた」とある。ところがなぜか先生のその後の記事で再び採用されることはなかったし、追随する方もとうとう現れなかった。まことに不思議である。

KT88ppアンプの固定バイアス電源の整流ダイオードをInfineonのSiCからGaN(GS666502B)に入れ替えてから9日間が経過した。毎日およそ4時間通電しているので、エージングが完了するのは遠い先である。現時点では、低音が薄く高い周波数域にエネルギーが偏っていてやや足が地に着いていない。それでもSICダイオードからは得られなかった音が聞こえる。

SiCダイオードの時は、低音がゆるく、高い方の音の減衰がはやく始まり、それは無帰還のためにダンピングファクターが小さいのと出力トランスの限界によるものだろうとあきらめていた。ところが、GaNに入れ替えると、あれほど不満に思っていた欠点がほとんど感じられない。この先どう変化していくのか、もう少し様子を見ていく。

真空管アンプの終段を自己バイアスとするか固定バイアスとするか、これまでいろいろ議論があった。世の中は、概ね「長期安定性」と「メンテナンスフリー」のメリットが勝って自己バイアス派が優勢で、固定バイアス派は肩身が狭い(?)

固定バイアスがなかなか普及しない理由は実はほかにもあって、整流素子にSiダイオードを使っていたため、このことが足を引っ張ってしまい、固定バイアス駆動のメリットが聴き取れなかった、それで固定バイアスが歴史的に敬遠されてきたのではないか。
以前は、真空管派が半導体を極端に毛嫌いするのを見て複雑な思いがあったが、今なら理解できる。

もしGaNが固定バイアス電源の整流素子として有望であるなら、真空管アンプの将来に少なからぬ影響を与える可能性がある(と、おおぼらを吹く)。

GaN整流ダイオードをチョークインプットで使ったときに起こる現象2018年05月06日 21時44分58秒

GS61004BをCirclotronに整流ダイオードとして使おうとしたら、スイッチを入れた瞬間に壊れてしまった。半可通の私は、シミュレーションしてみて初めてトラブルの原因がチョークインプットにあったことを発見した。
それで実際にどんなシミュレーション結果だったのか、これから挑戦しようとする勇気ある方々のために少しでも貢献できればと願い、ここで報告しておきたいと思う。
まずシミュレーション回路は以下の通り。
これをシミュレーションするとp1ポイントの電圧波形は以下のようになる。
80msec あたりから異常な発振が始まり、320msecあたりまで継続し、その後は何事もなかったかのように収束する。
異常発振を阻止するために例えばフェライトビーズを挿入してみるとか、抵抗をシリーズに入れてみるとかやってみたが、全く効果はなかった。

この現象はGaNに限らず、一般ダイオードでもSiCでも発生することは、今回初めて知った。もしチョークインプットで使いたければ、耐圧については十分な余裕を持たなければならない。それが今回得られた教訓である。