Taylor式パワーアンプほぼ完成2015年11月09日 19時46分26秒

 Taylorアンプの出力段を改訂した。
 大きな変更は一箇所。回路図のQ4, Q10のコレクター出力をカスコード接続とした。

 改訂前の回路は、当初これで十分と思ったのだが、音を聞いているうちに高い周波数域に硬さを感じてどうしてもこれを払拭できなかった。シミュレーションしてみると、1KHzと10KHzとでは歪率が10倍程度の開きがあるから、たしかに聴感と一致する。

 対策をどうするか。
 周波数が高くになるにつれ歪率が悪化するのは、Q4, Q10が理想的な動作からかけ離れているためではないかと目星をつけた。このような場合、カスコード接続とするのが常套手段である。シミュレーションすると歪率が劇的に改善される。

 ということで、掲載の回路図となった。
 音を聞いてみると、エージングなしでも変化は顕著であった。24時間した現在、YouTubeの音源でさえ、音が柔らかであの気になっていた硬さが消散したのがわかる。人の声が実に気持ち良く心に染み渡る。

 現時点ではこれ以上手を加えるところが思いつかないし、その必要も感じない。おそらくこれがTaylorアンプの理想形ではないかと自惚れている。
(と、これまで何度思ってきたことか。)

近況あれこれ2015年11月10日 09時17分53秒

旭山動物園にて
 10月中旬以降、仕事がらみでほとんど休むができず、自転車に乗れない日が続いていた。体力はガタ落ち、筋肉もみるみるやせ衰えていく。疲れも深いところに沈殿している。

 そんな近況を少し。
 11月2日は旭川市に妻と一緒に車で移動。昼時に旭山動物園に到着。ちょうど連休のはざまだったせいか、それほど混んではいなかった。動物園の中の食堂でラーメンを注文。プレハブ作りのお店であったので、意外においしいのに驚いた。
 
 この動物園は山の斜面に設けられていて、正面入り口から入ると緩い斜面を登りながら観覧していくことになる。噂にたがわず、なかなか面白い。途中、ばったりと知り合いの方に出会い、しばし歓談。世の中は狭い。

 動物園を出た後、ホテルにチェックイン。夜はYご夫妻の宅の夕食に招かれる。お客は私たち夫婦の他に、Fご夫妻。このFご夫妻とは、およそ20年前からのおつき合いで、私たちが東京に行くことになった時、自宅を借りて住んでくださったこともあるし、子供が病気になった時は医師であるご主人から適切なアドバイスをいただき、助けられたこともある仲。話は盛り上がってあっという間の三時間。

 翌日(3日)は、某所でセミナーの講師。5時間近く語りっぱなし。それも無事に終わって、高速で札幌へ帰還。途中、夕日に映えるカラ松林の美しかったこと。2015年はこの風景とともに記憶することになるだろう。

 4日は普通どおり仕事。5日は某所にすし詰めとなって会議。

 6日から一年にたった一度だけ取れる長期休暇に入る。
 しかし、天候がかんばしくない。前日まではこれ以上のないほどの快晴が続いていたのに、曇天で気温も上がらない。午後からリハビリを兼ねて小林峠経由で藻岩山麓どおりをまわる一周コースへ出撃。と、掛け声はいいのだが、体がついていかない。情けないほど息がきれる。
 夜は不調となったオーディオシステムの原因究明(この件はまた別の欄で)。

 7日は、近くに住む英国生まれのL氏からルバーブの株を譲り受けることになったので、約束の時間にご自宅に向かう。と、向こうから真っ赤な外車がすれちがっていくではないか。あれはL氏ご夫妻の車。すぐにUターンして追いかけると、ほどなく向こうも気がついてくれた。聞くと、私たちの家に行くところだったとか。近くの駐車場にはいって、株をもらいうける。
 こんな行き違いになったのは、日本語があまり上手ではないL氏と妻とのコミュニケーションがうまくできていなかったのが原因と、皆で笑って解散。家に帰って畑にルバーブ株を植え、ついでに米ぬかと鶏糞を畑全体に鋤きこむ作業。
 午後は曇天ながら雨は降らないようなので、朝里ダムまで走る。
 夜は、以前から懸案であったDACレギュレータに起動回路を組み込む作業。これでスイッチ・オン時に出力電圧がでないという現象を回避することができる。

 8日は、朝から妻と一緒に某所に出かけ、昼は西区にある「寺屋」といううどん屋へ。日曜日のお昼時間。予想どおりの混みよう。入店してからうどんが出てくるまで1時間待ったのだが、その甲斐はあった。味は噂どおり。
 この日は雨となったので、午後からは自室にこもり不調となったパワーアンプの修理。この件も別の欄で書く予定。

 9日は朝から少し薄日が差してきたので、10時30分発で自転車。コースは以下のとおり。
 自宅→北一条どおり→石山どおり→川沿→小林峠→福井→小別沢トンネル→宮の森→盤渓峠→盤渓→小林峠→自宅

 どこかの自転車チームなら、お馴染みの練習コースかもしれない。長い距離ではないが劇坂の連続である。特に、宮の森付近は場所によって立ちゴケしてしまうのではないかと感じるほど斜度がきついところがあって体の芯から鍛えられる。

 夜は、エージングを兼ねてYouTubeで古い日本映画を鑑賞。昭和20年、30年代、あのころはほんとうに日本映画は元気だった。

Reflektor-D with starter2015年11月10日 17時13分23秒

There is the phenomena that on power-on the output becomes zero sometimes. I have announced the circuit that overcames this problem.

2015年5月15日に発表したReflektor-Dの回路では、電源オン時に出力電圧が出ないという現象が時々発生した。このレギュレータを使用しているDACは24時間通電しているので、一度立ち上がれば支障はないが、やはり問題は克服しておきたい。

そこでスタートアップ回路を追加した。
最小の部品で最大の効果を上げるためにどうするかと考えたが、結局掲載の誰もが思いつく回路となった。当初、こんな回路でも音への影響があるかもと危惧したが、結果は杞憂であった。

この回路には赤色のLEDが使われていて、正常に起動すると点灯する。いっぽう、何か問題があって出力電圧がゼロのままの場合は、LEDに電流が流れなくなるため点灯しない。

レギュレータ基板に並べられた4個のLEDが輝いているのは安心感があって実に良い。

パワーアンプの故障顛末2015年11月10日 17時42分19秒

Taylor followerの出力段にカスコードアンプを追加したまでは良かったのだが、その後にトラブルが発生した。

音楽鑑賞中にいきなり異臭がしてきた。部品が焼けこげる時の匂いである。故障は右チャンネルに発生。すぐに全スイッチを切って、あちこち覗いてみたり、鼻をつけて匂いの元を探してみる。

最初はDACもしくは、DACのレギュレータが故障したかと推測したがこれは白。壊れたのはパワーアンプであったとわかったのはしばらく後のことである。カスコード回路を追加するときに、念入りにチェックしたつもりだったので、まさかここが壊れるとは思わなかった。

原因は思いもかけないところにあった。(故障というものはいつも思いもかけないところで発生する)
10月8日付けの記事で、組み立て中にスイッチオンとともに抵抗から煙が上がったことを書いた。あのときは、変色したYAM抵抗を交換し、半田付けし忘れていたところを半田付けしなおして修理が完了したつもりだった。なにしろ、修理後は電圧も電流もきちんと設計どおりにだったのだから。

それから何事もなく稼動していたかに見えた。ところが、あの事故のときに掲載回路図のQ3, Q4に定格を超える電流が瞬間的に流れ、故障しかかっていたらしい。

なにしろ表面実装部品なので目視では故障がまったく見分けがつかない。半田ごてを当てて、Q3, Q4をはずそうとしたらまっぷたつに割れていた。テスタをあてると、Q3のコレクタ、エミッタ間はショート、Q3とQ4のベース間接続はオープン。これではひとたまりもない。電流検出抵抗R15に過大電流が流れ、急激に発熱、その結果半田が溶けて抵抗が基盤から浮いて、はずれていた。貴重なYAM抵抗を失ってしまったが、幸いスピーカーには過大電圧がかからず、大事には至らなかった。

こうしたトラブルを経験すると、Taylor followerの肝はQ4にあることがわかってくる。安全を考えるなら、Q4にはかなり余裕を見込んだ定格のものを採用すべきである。もっと言うなら、過大電流検出回路と保護回路は必須であろう。これは今後の課題である。

Azurahorn2015年11月16日 20時51分44秒

オーストラリアのMartinさんからAzurahornを購入した。

写真でご覧いただけるように、実に優雅なスタイルである。Martinさんから、製品見本の写真を送っていただいた時、思わず「これは美しい白鳥の姿のようですね」と返事をしたことがあった。実物を見てもその印象は変わらない。優雅である。部屋に置いていても、ほれぼれしながらいつまでも眺めていたいような気になる。

”オーディオはまず見た目から。”昔、こんな言葉を聞くと軽蔑したものだが、今は考えを改めた。オーディオは見た目も大事である。

購入したのは、AH-340の2インチスロートタイプ。名前から推測されるように、カットオフ周波数が340Hzである。ドライバーには、Radianの850BPを使う予定である。

当初、Azurahornのホームページを見た時、AH-340を海外に発送するのは難しいようなことが書かれていたので、ではサイズが一つ小さいAH-425にしようかとも思ったが、ダメ元でメールを出して確認したところ、送料は少々高くなるが発送可能との返事が来た。

また、ホームページは最近更新された形跡もなかったので、大丈夫だろうかとの不安もあった。しかし メールのやり取りをしているうちに、Martinさんは儲けようとか、ごまかそうとかそんなことは一切考えていない実に誠実な人柄であることがわかってきた。こんなすばらしいホーンを手作りで提供してくれる上に、このような人と知り合いになれたことを本当に幸せに感じる。

これまでホーンといえば木製もしくは金属製で、重量は腰を痛めるほどの重さと相場が決まっていた。重ければ重いほど良い音が出るかのごとき扱われ方で、重量に比例するかのように値段も高くなっていく。

これにたいして、Azurahornはホーンに関する従来の常識ことごとくくつがえし、ここまでくると気持ちが良いくらいである。重量は計っていないが、手で持った感触ではおそらく5Kgもないのではないか。実に軽い。

そして値段はペアで650オーストラリアドル。それに送料と日本での消費税がプラスされる。

ネットで検索する限り、日本でこれを購入した方は1名しか知らない。おそらくそのかたはAH-425ではないかと推測される。AH-340は日本で初かな?

ところで音出しはどうするか。高音ホーンがそろっても、バスのエンクロージャーもしくはホーンが予算の関係上まだそろっていない。来年にはなんとかそろえたい。音出しはそれまでお預けである。