パワーアンプの故障顛末2015年11月10日 17時42分19秒

Taylor followerの出力段にカスコードアンプを追加したまでは良かったのだが、その後にトラブルが発生した。

音楽鑑賞中にいきなり異臭がしてきた。部品が焼けこげる時の匂いである。故障は右チャンネルに発生。すぐに全スイッチを切って、あちこち覗いてみたり、鼻をつけて匂いの元を探してみる。

最初はDACもしくは、DACのレギュレータが故障したかと推測したがこれは白。壊れたのはパワーアンプであったとわかったのはしばらく後のことである。カスコード回路を追加するときに、念入りにチェックしたつもりだったので、まさかここが壊れるとは思わなかった。

原因は思いもかけないところにあった。(故障というものはいつも思いもかけないところで発生する)
10月8日付けの記事で、組み立て中にスイッチオンとともに抵抗から煙が上がったことを書いた。あのときは、変色したYAM抵抗を交換し、半田付けし忘れていたところを半田付けしなおして修理が完了したつもりだった。なにしろ、修理後は電圧も電流もきちんと設計どおりにだったのだから。

それから何事もなく稼動していたかに見えた。ところが、あの事故のときに掲載回路図のQ3, Q4に定格を超える電流が瞬間的に流れ、故障しかかっていたらしい。

なにしろ表面実装部品なので目視では故障がまったく見分けがつかない。半田ごてを当てて、Q3, Q4をはずそうとしたらまっぷたつに割れていた。テスタをあてると、Q3のコレクタ、エミッタ間はショート、Q3とQ4のベース間接続はオープン。これではひとたまりもない。電流検出抵抗R15に過大電流が流れ、急激に発熱、その結果半田が溶けて抵抗が基盤から浮いて、はずれていた。貴重なYAM抵抗を失ってしまったが、幸いスピーカーには過大電圧がかからず、大事には至らなかった。

こうしたトラブルを経験すると、Taylor followerの肝はQ4にあることがわかってくる。安全を考えるなら、Q4にはかなり余裕を見込んだ定格のものを採用すべきである。もっと言うなら、過大電流検出回路と保護回路は必須であろう。これは今後の課題である。

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