電解コンデンサ エージング中2007年01月05日 12時59分28秒

 通算でおよそ10時間程度通電した。当初のぎすぎす、がさがさ感は後退し、かなりつややかになってきた。それでも良く聴くと、まだまだエージング不足を感じる。おもしろいのは、時間の経過とともに良くなるのかと思うと、決してそうではない。前回聴いていいなと思っても、数時間経過してから聴き直すと、バランスが崩れていたりする。おもしろいものだ。これは、トランスのエージングの時にも経験した。

 現在の状態。
 やや高音よりではあるけれど、それでも交換前とは全く様子が異なる。グレードがワンランクアップした。奥行き感とか、透明感が増した。一度CDをかけると途中で止めたくなくなる。

 たとえば以前であれば、攻撃的にしか聞こえなかった演奏が、実は非常に繊細で控えめで、しかし秘めた情熱をもって演奏されていることが見えてくる。そんな変化だ。

 CDをかけるたびに、以前聞こえなかった音楽が聞こえてくる。これほど楽しいことはない。コンデンサの交換には手こずったけれど、そんな苦労も忘れてしまう。

 次はどこを変えようか。出力段の電解コンデンサは高価でおいそれとは手が出ない。現状で整流ブリッジダイオードは一般品が使われている。ここを日本インターの高耐圧SBDに交換したいと考えている。
 ネットでは一般に取り扱ってはいないが、問い合わせたところ販売してくれるという。思案中だ。

出力段の整流ダイオード2007年01月05日 19時55分05秒

 日本インターに高耐圧SBDの見積もりを依頼したところ、レスポンスをいただいた。非常に素早い対応で好感が持てる。型名は、KSH30A20B。これが8個必要になる。ピーク逆耐圧200V, 整流平均電流30A。SA-20には、ちょうど良いのではないか。回答では、リーズナブルな価格だったので早速発注した。

 ただ、高耐圧のSBDは初めてなので、信頼性は未知数である。特に不安なのは、電源オン時のラッシュカレントである。サージ電流は最大で300Aとなっているが、これでどれだけ余裕があるのかはわからない。

 メインシステムは、すでにオールSBD+WE整流管となっている。ここまで進化してきたSA-20がどのように変化するだろうか。楽しみなところだ。

今日の音2007年01月05日 20時03分48秒

 音は日々変化している。
 今日の音はまた格別だった。低い方にスペクトラムが広がっているという印象である。まだ高い方に強調感が残っているが、今まで聞こえなかった低い方の音階が明瞭になってきているので、音楽が豊かに聞こえる。今まで、薄っぺらであまり聴きたくないと思っていたCDが、実はすばらしい演奏であった。そんな発見が続いている。

 自分のシステムの性能の悪さを脇において、CDにけちをつけてきた自分が恥ずかしい。感動させてくれる音楽に出会うことは、人生を豊かにしてくれる。幸せな気持ちになれる。

R-Trans I/V変換 Ver.2.2は失敗2007年01月08日 17時49分07秒

 メインシステムのI/V変換回路を交換した。サブシステムで劇的な成功を収めた回路をそのまま踏襲して組み込めば終わりのはずであった。

 そのVer.2.2はどうなったか。実はトラブルが生じた。発振してしまった。最初は半田ミスか勘違いかと思ったが、デバッグしていくうちにどうもトランスと反転アンプとの間で何かが起こっていることに気がついた。

 いろいろ試行錯誤している中で、トランス二次側にコンデンサを並列に接続すると発振が止まることを突き止めた。インダクタンス成分とアンプの入力容量か何かと共振していたのだろう。知識がある人には、常識的なことかもしれないが、トランスを扱い慣れていない身には何でもかんでもが初体験である。
 雑誌の製作記事などで、トランスの二次側にRC回路を挿入している例を時々見かけたのを思い出した。

 さて、発振は止まった。VRをフルにしても安定である。そこで、おもむろにメインアンプに接続し、音出ししてみた。ところが。。。

 アンプの入力レベルが低すぎた。シミュレーションでは、ちょうど良いかなと思っていたが、当てが外れてしまった。アンプが高ゲインで稼働しなければならないのでS/Nが悪い。それよりも何よりも、音が悪い。音像が遠いのだ。極端に言えば、電話の向こうから音が聞こえている印象。

 ということで、Ver.2.2はあえなく失敗した。ことわっておくけれど、これはVer.2.2が悪かったという意味ではなく、ゲイン配分がサブシステムと異なっていたためである。

 そこで、Ver.3.0に挑戦することにした。

R-Trans I/V変換回路Ver.3.02007年01月08日 18時44分12秒

 ということで、すったもんだした上で、Ver.3.0にした。主な変更点は、トランスの一次と二次を入れ換えたこと。つまり、トランス本来の使い方に戻した。Rで変換された信号はトランスで10倍に増幅され、そこから反転アンプに入力される。

 トランス二次側のCは、とりあえず残している。シミュレーションによると、1500pFともなると高域での位相回転が発生する。できればこれは除いてしまいたいところ。次の検討課題とする。

 反転アンプは、金田式No.150 (1998.6)である。初段にWEの420A, 出力段にテレフンケンのECC82を使い、整流管はWE412Aという豪華メンバーである。トランジスタ式とは雰囲気が異なる音を出す。WEの味を覚えてしまうと、元に戻れない。そんな魅力がある。

 さて、出てきた音は。。。エージングがされていないので、もちろんまだ音がぎくしゃくしているが、まず一番の変化は低い方の音域に現れた。今まで聞こえなかった音が聞こえる。こんな音が録音されていたのかと新しい発見がある。それも、無理なくスムースに出てくる。決して押しつけまがしいところはない。本当に自然に、そして豊かに出てくる。

 高音域は、さすがにエージングを待たないと評価はできない。全体にまだ少し奥に引っ込んだ感じもある。まずは24時間後が楽しみだ。