Ver.3.0 実装写真2007年01月08日 19時35分46秒


 Ver.3.0を搭載した。実は、この写真はまだVer.2.2の時のものなのだが、その後、裏面の配線を変えて一次と二次を交換した。
 二次側に並列に接続した1500pFSEは、裏面にあるので見えていない。

 向こう側に真空管の勇姿が見えている。手前側に写っている灰色の抵抗は、今や貴重品となったYAM。

R-Trans I/V 変換回路 Ver.3.12007年01月09日 21時27分10秒

 前回の回路で発振対策のために二次側に1500pFを並列に接続していた。調べてみると、これも一種の位相補正というらしい。そこで、RC位相補正回路としたらどのような効果が得られるのか、試してみた。というよりも、カットアンドトライでどの程度で発振が止まるのかを試してみた。

 その結果、C=1500pFで固定した場合、R<1KΩでなければならないことがわかった。これより大きくなると、確実に発振する。ということで、少し余裕を持たせてR=620Ωとした。最終回路図を掲載する。

 音を聴いてみた。昨日に比べてエージングが進んだせいか、だいぶ高音域が前に張り出してきた。依然として腰高の印象があり、バランスがおぼつかないが、それでも昨日よりは良い。そこでじっくり聞き込んでみた。

 楽器だけを聴く限り違和感はなかった。しかし、ソプラノがフォルテにさしかかると、何か聞こえてならないものが声にぴったりと張り付いたままでわずかに聞こえてくる。歪みであればこんな場合、音楽と分離して耳に突き刺さってくるのだが、まるで音楽の一部であるかのように聞こえてしまう。今まで経験したことのない歪みである。もしかして録音時のマイクが原因とも思ったりもしたが、決してそんなことはないはず。「まず自分の装置を疑え。」これが鉄則である。

 単なるエージング不足でこうなっているのか。それとも、トランスが飽和しているのか。それとも発振しかかっているのか。いろいろ妄想が頭をよぎる。やっぱりこのトランスでは役不足なのか。トランスはエージングに時間がかかるという噂もあるので、今後の変化を待つしかない。

 その一点を除けば、R-TransフィルターはLCRフィルターより優位と判断する。ただし、満点ではない。トランスのカラーのようなものを感じないでもない。そこが気になるか、気にならないか。これも今後の課題。

Lundahl LL79032007年01月12日 22時27分50秒

 現在のVer.3.2は、どうやっても高音にくせを認める。位相補正で無理矢理発振を抑えているが、隙あらば発振してやろうという感じである。こんな場合はどんなことをしても、良い結果は得られない。金田式真空管差動アンプを反転アンプとして接続するとき、このトランスの欠点があらわにされたと考えるべきだろう。ということで、これ以上このトランスでがんばることはやめた。

 そこで次の候補を探すことになる。ネットで検索すると、Lundahl社のトランスを試しておられる方が何人かヒットした。その中で特に目を引いたのが、Audio Design Guid http://www.audiodesignguide.com/mydac.html である。この方は、かなり丁寧にLundahl Transformerを調査し、その結果LL7903を最終的に選んだと書いてある。他のトランスも調べたけれど、LL7903とはまったく比較にならないほどの差があったらしい。
 もちろん国内でも、Lundahl社のトランスを試しておられる方がいるが、LL7903を使っている方は、私の知る限りいないようである。

 問題は、どのトランスを選ぶかである。もちろん、もっと安いトランスを選択することも可能だろう。しかし、安いものを選んだとしてもいつか不満が出てくることは、これまで何度も経験してきたこと。この際、悔いのないようにLL7903を使ってみることにした。

 K&K Audioにメールで問い合わせたところ、在庫はなく、入荷するのは2月中旬という。そのときまでじっくり待つことにしよう。

出力段のSBD化2007年01月14日 16時35分07秒


 SA-20の出力段に供給している電源にはブリッジダイオードが使われている。2504という汎用の整流ブリッジである。耐圧は400V,順電流は25A。メインシステムでは、数年前に日本インターのSBDに代えて良い結果を得ている。今では電源がSBDでないと落ち着かない。

 そこで、SA-20のSBD化に着手することにした。ところが調べてみると、通販のカタログには手頃なものが置いていない。耐圧が半端なのだ。よく知られているもので、日本インターの150V耐圧のものがあるが、これはSA-20では使えない。整流後のrms電圧が75Vなので、トランスのAC出力は55V程度と推測できる。ダイオードの耐圧はこの3倍必要とされているので、200V程度の耐圧が要求されるのである。SBDの高耐圧化は難しいといわれているが、それでも何とか入手したい。調べてみた。

 最初はアメリカのメーカーで見つかった。CREEというメーカー。一つのデバイスに二個のダイオードが封入されており、ブリッジで使うには少し面倒。それに金額も結構なものになりそうなことがわかった。

 仕切り直して日本インターのサイトを調べてみると、あった。オーディオ雑誌などに掲載されているものがすべてと思いこみがちであるが、そうではない。きちんとメーカーは生産している。それを私たちが気がついていないだけだった。

 型番は、KSH30A20B。耐圧は200V, 順電流は30A。サージ電流は300Aに及ぶ。これを選んだ。メーカーサイトではオンラインで注文もできるようになっている。便利になったものだ。ところが、この型番だけは直接注文できないようになっている。見積もりの問い合わせたところ、思ったよりも安い値段。早速注文した。

 問題はどのように実装するかだ。写真のように、基板に四個のダイオードを載せ、基板の真ん中にねじ穴をあけた。元々ついていたダイオードをはずして、その穴を利用する。このままでは非常に配線しにくいので、手元にあった円形金属ポストを立て、その上に基板をネジ止めした。これはうまい方法だった。

 ところが意外なところで苦労した。経年変化でケーブルのメッキ線がかなり酸化しているらしく、半田がのりにくくなってた。だましだまし半田付けして、やっと形ができた。

 現在エージング中である。評価結果をまた別のコラムで報告する予定。

出力段 整流ダイオードの様子(変更前)2007年01月14日 17時16分56秒


 ということで、SBD化する以前の様子を記念に。底板深いところにシリコングリスを塗って取り付けられてあった。左右チャンネルごとに電源が分離されているので、ダイオードは二個ある。