Salas シャントレギュレータ2011年11月23日 09時53分27秒

 Neutron Starのエージングが進んで、ますます良い音になるだろうと期待していた。ところがどんなにエージングしても、変化も頭打ちになってしまった。音が硬い。妻はCDの冒頭5秒間聞いただけで、「もういいです」と、のたまわった。言われてみればそのとおり。結構悩んでしまった。

 原因は何か。今回、DACを総入れ替えした。それなのに、TDA1541Aシステムのときと同じような硬い音がするということは、共通の原因があるということになる。

 思い当たるのは、+5Vシリーズレギュレータである。これだけは、TDA1541Aシステムからはずした同じものを使っている。このレギュレータはかつてK式アンプで有名な超高速電源を自分なりに手を加えたものである。基準電源にはアナデバのローノイズICを使用している。制御はプッシュプルである。万全のレギュレータだと思っていた。

 しかし、今回いろいろなトラブルに見舞われるうちに「前提を疑え」が頭に浮かぶようになってきた。それですべてご破算にして、レギュレータを全く新しい思想で作りなおすことにした。

 困ったときのdiyaudio頼み。エンスーたちが議論を戦わ、日々練磨に励んでいる者たちのアイディアが溢れている。世界中のオーディオマニアがバグ出しに協力しているので、技術が枯れている。私のようなものがつくっても再現性が高い。仮に問題が起きても、すでに対策方法が発表されている場合が多い。

 そこで今回採用したのは、Salas Shunt Regulator。電網検索するとヒットする。日本でも、TL431を使った簡易なシャントレギュレータをDACに採用することが一部で流行っているようである。

 それで部品箱から必要なものをかき集め、つくり上げたのが写真の基板である。回路はSalas V1.0と呼ばれるもので、比較的簡単である。一発で動作した。出力端をショートしても壊れないのがよい(笑)。

 いつものようにエージングなしで音出し。音量が極端に小さい。「サー」というノイズが耳につく。一瞬ダメかと思った。CD一枚聞き終わる頃には大変身。エージング不足は明らかなのだが、それでも低い方の音域が明瞭で、解像度が非常に高いのがよくわかる。もうこれまでのシリーズレギュレータに戻る気持ちはまったくない。

 これまでの音は、シリーズレギュレータがすべての限界を狭めていたのだと思った。世ではK式電源が人気のようだ。でも、アマチュアなのだから、これだけと決め付ける前にいろいろな方式を試してみる余裕があっても良いと思う。これは自分なりの反省である。

 これに気を良くして、いまNeutron Star用にレギュレーターを作っている。Salas V1.2Rと呼ばれる最新のタイプ。結果が出たらまた報告の予定。

コメント

_ Y.O ― 2011年11月25日 20時33分30秒

こんにちは。
私もDACの電源にSalasさんのレギュレータを愛用しています。(興味を持っていたところに丁度v1.1基板の配布があったので・・・)

予想以上に良い印象だったのでユニバーサル基板に違うバージョンのものを組んでみましたが、これも良かったです。アマチュアが自作しやすいデザインなのが嬉しいですね。

因みにDACのデジタル部分に給電するSalas Shunt 用に整流ダイオードを色々聞き比べてみましたが、CREEのショットキーよりもOn SemiのMSR860の方が好みに合いました。(後者の方が3Dイメージに違和感が少なかったので。)
機会があれば是非試していただきたく思います。Mouserあたりで買えます。

それでは。

_ Konちゃん ― 2011年11月28日 19時30分02秒

Y.Oさん、はじめまして。
おお、すでにSalasレギュレーターを使っていたんですね。おおいに励みになります。かなり研究されているようにお見受けしました。整流ダイオードの件、大変興味深く拝見しました。是非近いうちに試したいと思います。
今後ともサジェスチョンをいただければ幸いです。

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