CD-816のレストア2011年11月08日 09時15分45秒

 妻のために、某オクで入手したCounterpoint SA-20をレストアしたことは既報のとおり。CDPはNEC CD-816。数年前に、今や貴重となったTDA1541A/S1(シングルクラウン)を2個手に入れるため、ジャンク品を購入した時のものである。

 心臓部を取られて以来、これまで倉庫の箱の中で眠っていた。今回、TDA1541A(ノーマル)を再度移植されよみがえった。ところがこれがあまり調子が良くない。ジャンク品だったから仕方がないのだが、機械があたたまるまで頻繁に音飛びがする。妻がなんとかしほしいと憂い顔で訴えてきた。妻の訴えを無視するわけにはいかない。なんとかしなければと腰を上げた。

 まず最初に疑ったのは光ピックアップ。製造から20年は経過しているのだから、へたっていて当然。もしこれが原因ならあきらめるしかない。
 だめもとで、経時変化で寿命が尽きていると思われる電解コンを交換してみることにした。とりあえず手元にあるという理由で、電源部の主要な電解コンを交換。結果は、現象再発。やっぱりだめだった。

 電解コン交換のついでに、汎用整流ダイオードをCREE SiC SBDに交換しておいた。これは私のこだわりに過ぎない。
 写真は、CDPから取り外した電解コンと整流ダイオード。

 さて、問題が解決されないとすれば、他に手があるか考えた。一時は程度のよい中古品を探そうかとも思ったが。。

 今回の不具合は光ピックアップの劣化が原因と信じて疑わなかった。しかしまてよ。まだ他にも可能性があるかもしれない。ピックアップレンズは、モーターによってリニアレールの上を移動する構造だ。グリスが硬くなっていて、移動が阻害されているのではないか。

 ということで、本来ならアルコールか何かで古いグリスを除去してから、新鮮なグリスを塗布するのが正式なのだろう。でも手続きを簡略化した。ティッシュペーパーで古いグリスをちょいと拭う。そして使ったルブは、マイクロロン。

 このマイクロロン・ルブ。実は自転車のチェーンなどの可動部の潤滑性能向上を期待して以前に購入しておいたもの。注射器のような容器に入っていて、細かなところにピンポイントで滴下できる。
 リニアレールはもちろん、プラスチックギアにも塗ってみた。それだけではない。電源スイッチのボタンがフロントパネルと干渉して「キコキコ」言うのが不快だったので、ここにも塗布。非常になめらかな感触に変化して、高級感が増した。音もそうだが、操作感も思っていた以上に重要な要素であることを実感した。

 さてこれで問題は解決したのか。いまのところ、音飛び現象は起きていない。

 ちまたでは音飛びするCDPがジャンクで出品されことが多いが、その中にはグリスの劣化によるものが結構あるのかもしれない。しかしこればかりは蓋を開けてみないとわからない。

DACエージング中(2)2011年11月08日 22時35分02秒

 累積通電時間が40時間になったので、音を聞いてみた。当初に比べればだいぶよくなってきた。空間は広く、ボトムエンドも徐々に明確になってきた。良い方向に向かっている。

 しかし、まだまだエージングは不足している。嫌な音がする。こめかみが痛くなる音だ。音量を上げるとうるさい。楽音に同期してノイズが発生している。ノイズが明確に聞こえる訳ではない。でも何か出てはならない音が出ているのはわかる。人間の聴覚は敏感に出来ている。

 まともな音が出てくるにはあと48時間はかかりそう。そのころには、カナダに発注しておいたマスタークロックが届いているかもしれない。