NHKのニュースを見て2011年04月09日 21時05分40秒

 昨夜のNHKニュース番組を見ていたら、大阪大学の先生がこんなことを発言していた。「今までは事故が起きないように対策をすることに重点をおく、そのような設計思想だった。しかし、これからは発想を転換して、事故が起きたら同対処するのか、そのような考え方に転じる時期に来ているのではないか。」

 これを聞いて、ちょっと感動した。私が思っていたことを代弁してくれたと思った。しかし、その後がいけなかった。その先生曰く。「例えば、外部電源を失っても大丈夫なように、そのための対策をあらかじめおこなっておくことです。」

 たしかにそのとおり。しかし故意なのか時間がなかっただけなのか分からないが、もっと重大な事故については触れずじまいだった。
 冷却水を失って炉心が溶融するようなシビア・アクシデントが起きることも想定して対策する必要があることは、今や誰もが認めることだろう。国も電力会社も考えたくないことかもしれない。コストが膨大にかかるからだ。でも、事故が起きたときの対策をあらかじめ考えると言うのなら、そこまで踏み込まなければならないはずだ。

 今回の福島ケースは海外からも高い関心をもって注目されていると言われている。この事故からいろいろなことを学んでもらって、今後の原子力政策について真剣に議論してもらいたいと思う。

 日本はかつて世界で唯一広島・長崎で核爆弾の被爆を経験した国であり、深刻な原子力発電事故も経験してしまった。世界に向けて、いつか自分たちが経験したことを語ることになるのだろう。そのことが少しでも多くの人達の幸いのためにプラスになることを信じたい。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2011/04/09/5789952/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。