今年一年を振り返る オーディオ篇 ― 2009年12月19日 13時00分01秒
今年一年のブログをつらつらと振り返ってみると、いろいろなことがあったのだと思い返される。1月にはVer. 9.3だったものが、いまやVer. 14.0になろうとしている。我ながら、よくここまで熱中してきたものだとあきれる。Ver. 9.3は出力トランスのドライブインピーダンスを模索する中でうまれたのだから、なんのことはない、この一年間、同じテーマを手を替え品を替えながら追求していたことになる。自分ではそんなつもりはなかったのだが、単に過去のことをすぐに忘れていただけのようだ。
今年一年のトピックスはいくつか挙げられる。まず心から気に入っていたCounterpoint SA-20をお譲りしたこと。できれば一生手元においておきたかったのだが、金策のために泣く泣く手放した。
そして次にはAleph-Xアンプを完成させたこと。このアンプはほとんど自己主張をすることがないのが気に入っている。そして故障もなくノイズもない。全く安心してスイッチを入れることができる。以前K式のパワーアンプを使っていた頃、スイッチを入れるたびにドリフトをチェックしてトリマーを回していたものだ。そんなことをしていたらもうCDをかけたくなくなる。
このアンプの安心感と信頼性。そしてもちろん音の良さ。他のパワーアンプの必要をまったく感じない。
そしてもう一つのトピックス。スピーカーボックスを新調したこと。これはまだブログに載せていないので、1月になったら詳しいことを書きたい。
ということでいろいろあった一年だったが、確実に収穫が得られた一年でもあった。ここまで自由に好きなことに熱中できたのだから、大いに感謝しなければならない。
今年一年のトピックスはいくつか挙げられる。まず心から気に入っていたCounterpoint SA-20をお譲りしたこと。できれば一生手元においておきたかったのだが、金策のために泣く泣く手放した。
そして次にはAleph-Xアンプを完成させたこと。このアンプはほとんど自己主張をすることがないのが気に入っている。そして故障もなくノイズもない。全く安心してスイッチを入れることができる。以前K式のパワーアンプを使っていた頃、スイッチを入れるたびにドリフトをチェックしてトリマーを回していたものだ。そんなことをしていたらもうCDをかけたくなくなる。
このアンプの安心感と信頼性。そしてもちろん音の良さ。他のパワーアンプの必要をまったく感じない。
そしてもう一つのトピックス。スピーカーボックスを新調したこと。これはまだブログに載せていないので、1月になったら詳しいことを書きたい。
ということでいろいろあった一年だったが、確実に収穫が得られた一年でもあった。ここまで自由に好きなことに熱中できたのだから、大いに感謝しなければならない。
Ver. 14.0 回路図公開 ― 2009年12月19日 17時50分14秒
細部の詰めが一段落したので、Ver.14.0 として回路図を公開する。シミュレーションしてみると、二段目の6DJ8の交差結合回路は思っていた以上に絶妙なバランスの上に成り立っていることがわかってきた。
当初、6DJ8のカソード側にあるR1,R2を省略できないかと考えていた。抵抗の影響を可能な限り避けたいという理由からだ。ところがR1,R2の値によって、出力波形が大きく変化していく。たまたま200Ωが手元にあったのでつないでいただけだったが、実はこれが最適値であった。どうもトランスの一次インピーダンスとカソードのインピーダンスが一致したとき、最もきれいな波形になるらしい。そのインピーダンスを合わせるためにR1,R2が重要な働きをしているようだ。だから省略できない。
それから二段目の回路は単なる交差結合回路ではないらしく、Ver.13.0と比較すると、およそ6dBのゲインをもっている。そしておもしろいことには、シミュレーションによると出力レベルが大きくなっても歪率がほとんど変化しないという特徴がある。この性質はパワーアンプのドライブ段に最適である。
出力トランスの二次側に挿入した610pFのCも、矩形波を入れたときのリンギングを抑えるためのものである。この値を調整することで、音を整えることができる。
この回路の課題が一つ残されている。数ある双極管の中でもWE420Aは二つのユニットのバランスがとれている方だと思う。それでもわずかにばらつきがある。そのためオフセットが生じる。今のところ、これを調整する機構がない。DAC inのポイントに最大で20mVのオフセットがある。理想的にはゼロにしたい。Vpの電圧調整回路をユニットごとに独立させれば簡単に調整はできる。しかしその代わり、Vpは音声信号とともに変動する。今の回路だと、ホットとコールドの信号が相殺してくれるので、そういうことはほとんど発生しない。痛しかゆしで、現在思案中だ。
Ver.13.0との大きな違いは、エネルギー感とフラットネス、透明感の三つにあるように思う。二段目にゲインがあるということは、やっぱり大きなメリットだ。この音を聴いてからソースフォロワー(エミッタフォロワー、カソードフォロワー)の音を聴くと、どこか音像が奥に引っ込んだり、弱々しさを感じてしまう。ある人たちが、エミッタフォロワー群を毛嫌いする気持ちがなんとなくわかる。
ほとんどピークを感じさせないフラットネスと透明感のおかげで、CDには直接音の他に間接音が豊かに録音されていたことに改めて気がつく。ピアノの音を例にとれば、ハンマーで弦をたたいた音の他に、他の弦との共鳴、ゆらぎ、ホールでの反響、演奏者の呼吸(時にはうなり声や叫び声)、椅子のきしみ音、聴衆の咳、いろいろな音が複雑にそして美しくからみあって、表情豊かな音楽を形作っている。そのことがまるで目で見えるかのごとくに聴こえてくる。
ところで初段にWE420Aを投入した効果はどうか。うーむ。もうこの音に慣れてしまったので、差がわからない(笑)。でも出てくる音は、まさにWE420Aの特徴の延長線上にあることは間違いない。
当初、6DJ8のカソード側にあるR1,R2を省略できないかと考えていた。抵抗の影響を可能な限り避けたいという理由からだ。ところがR1,R2の値によって、出力波形が大きく変化していく。たまたま200Ωが手元にあったのでつないでいただけだったが、実はこれが最適値であった。どうもトランスの一次インピーダンスとカソードのインピーダンスが一致したとき、最もきれいな波形になるらしい。そのインピーダンスを合わせるためにR1,R2が重要な働きをしているようだ。だから省略できない。
それから二段目の回路は単なる交差結合回路ではないらしく、Ver.13.0と比較すると、およそ6dBのゲインをもっている。そしておもしろいことには、シミュレーションによると出力レベルが大きくなっても歪率がほとんど変化しないという特徴がある。この性質はパワーアンプのドライブ段に最適である。
出力トランスの二次側に挿入した610pFのCも、矩形波を入れたときのリンギングを抑えるためのものである。この値を調整することで、音を整えることができる。
この回路の課題が一つ残されている。数ある双極管の中でもWE420Aは二つのユニットのバランスがとれている方だと思う。それでもわずかにばらつきがある。そのためオフセットが生じる。今のところ、これを調整する機構がない。DAC inのポイントに最大で20mVのオフセットがある。理想的にはゼロにしたい。Vpの電圧調整回路をユニットごとに独立させれば簡単に調整はできる。しかしその代わり、Vpは音声信号とともに変動する。今の回路だと、ホットとコールドの信号が相殺してくれるので、そういうことはほとんど発生しない。痛しかゆしで、現在思案中だ。
Ver.13.0との大きな違いは、エネルギー感とフラットネス、透明感の三つにあるように思う。二段目にゲインがあるということは、やっぱり大きなメリットだ。この音を聴いてからソースフォロワー(エミッタフォロワー、カソードフォロワー)の音を聴くと、どこか音像が奥に引っ込んだり、弱々しさを感じてしまう。ある人たちが、エミッタフォロワー群を毛嫌いする気持ちがなんとなくわかる。
ほとんどピークを感じさせないフラットネスと透明感のおかげで、CDには直接音の他に間接音が豊かに録音されていたことに改めて気がつく。ピアノの音を例にとれば、ハンマーで弦をたたいた音の他に、他の弦との共鳴、ゆらぎ、ホールでの反響、演奏者の呼吸(時にはうなり声や叫び声)、椅子のきしみ音、聴衆の咳、いろいろな音が複雑にそして美しくからみあって、表情豊かな音楽を形作っている。そのことがまるで目で見えるかのごとくに聴こえてくる。
ところで初段にWE420Aを投入した効果はどうか。うーむ。もうこの音に慣れてしまったので、差がわからない(笑)。でも出てくる音は、まさにWE420Aの特徴の延長線上にあることは間違いない。
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