I/Vコンバーター Ver.12.02009年12月04日 19時55分02秒

 フィックスしたかに見えたI/Vコンバーターだったが、その後いろいろ微調整があった。ということで現時点での回路図を公開することにした。結果を見ると拍子抜けするくらい単純だが、ここまでにたどり着くまで失敗の連続だった。もっとも失敗することで学ぶことも沢山あったのだが。

 これまでI/Vコンバーターとラインアンプを区別してきたけれど、回路としては一体のものなので、I/Vコンバーターに統一した。

 やってみて気がついたのは、やはりトランスの使いこなしの難しさだ。ただつなげただけでは良い音は出ない。二次側のターミネート抵抗の値に敏感に反応する。最初大きめの方向で調整しようとしたけれど、音が暴れるようで一時はもう駄目かとあきらめかけた。回路図の値でようやく目指す音が出るようになった。

 また、これまでは高域減衰のためのCを必ず入れるようにしていたのを今回は外した。入れなくても全く問題がないことがわかったからだ。もしかして、これまでCが必要だと思っていたのは、高域の暴れがあったせいかもしれない。

 さて、もうすでに次の構想が頭の中に浮かんでいる。今度もトランスを使うけれど、インピーダンス変換として使うのではなく、単なるインダクタとして使う案だ。回路もかなり単純で、信号が通過する抵抗は、これ以上削れないくらいの最少数となっている。暇を見つけながら組み立てていこうと思っている。

 どうしてまた別の回路図を追いかけるのか。以前もメインシステムとサブシステムを競合させて、両方成長していった経験がある。一つだけのシステムでは限界と課題が見つけにくい。二つを比較するとそれがよく見えるようになる。どこかで満足してしまったらそこで成長が止まる。
 でも、回路のことなど考えずに音楽の没頭できたら幸せだとも思うのだが。

I/Vコンバーター Ver.12.12009年12月07日 19時13分33秒

 I/Vコンバーターをバージョンアップした。変更したのは次の二箇所。
(1)旧バージョンでは、6DJ8のカソードに560Ωの抵抗を接続していたが、これをLED(赤色)に入れ換えた。カソード抵抗による電流帰還から固定バイアス方式に変更したことになる。
(2)出力トランスの二次側終端抵抗を47Ωから30Ωに変更した。47Ωではまだ固さが残り、耳が痛くなる場面があった。30Ωにしたところ、違和感はかなり少なくなった。音が落ち着いていて安心して聞ける。しかし、最適値はもう少し低いところにあるのかなと言う気もしないではない。

 Ver.12.1の音の特徴は一言で言えば「はずむ音」である。「はずむ」とは躍動感ということでもあるし、からだが音楽のリズムに同期するということでもある。柔らかさとともに芯のある音であって、それでいて腰砕けしない。この音を聴いていると、当分他の回路を作る意欲がなくなる。もっとも今までの経験から言うと、数ヶ月したらまた改造の虫がもぞもぞしてくるのだが。

I/Vコンバーター Ver.13.02009年12月10日 12時54分37秒

 ああ、なんとも節操がなくて申し訳ない。またまた改訂してしまった。どうしても高いところに刺激的な音が残り、我慢ができなくなった。いろいろ原因を考えたが、やっぱり最後まで曖昧にしていた部分が悪さをしていると結論づけた。
 出力トランスの一次側インピーダンスは、TF-3もPO400601も600Ωである。こんな低いインピーダンスを6DJ8のプレート負荷につないで問題がないのか。それが不安としてあった。一応シミュレーションをかけてみると歪み率を見る限り問題がないかのような結論が出る。しかしだいたいトランスのSpice modelが適切なのか疑わしいのだから、鵜呑みにすることはできない。やっぱり、ここにメスを入れる必要がありそうだ。

 では対策をどうするか。トランスを活かそうと思うのなら、これに見合う回路を考えなければならない。けれども大幅な変更もしたくない。あるときふと思いついた。そうだ。すでにインピーダンスの低い場所があるではないか。そこに入れてみたらどうだろう。IRF9610のソース側だ。6DJ8の交差結合回路はそのまま残す。今まで見たことのない回路だが、シミュレーションをかけてみる限り、全く問題なく動きそうだ。

 で、早速やってみた。電源オン直後の音はひどかった。これは失敗したと思った。だめもとで1時間放置した。そして再度聞き直してみた。激変していた。今まで気になってしょうがなかったあの固さがまったくない。音楽を分析的に聴こうとするのではなく、不思議なことに音楽そのものだけをからだが聴こうとする。

 やっぱり原因はインピーダンスの不整合にあった。トランスのいろはも知らないど素人だからこんな回り道をしてしまう。するとこの何年も、そんなことを知らずに回路を発表してきたことになる。私の失敗が誰かのお役に立ててれば幸いである。

 回路図は追って掲載の予定。

ラストラン2009年12月11日 18時57分10秒

 12月も中旬だというのに雪が降らない。道路は乾燥状態で、数日前から時間を見つけて日中に走れればと願っていた。天気予報によると、明日から崩れて日曜日には寒気も入るとのこと。今シーズン、屋外で走るとなるとおそらく今日が最後になりそうだ。外の天気は快晴。そこで、思い切って午後に走りに出かけた。外で走るのは一ヶ月ぶりである。

 例年であれば、いくら乾燥路面とは言っても路肩には雪が残っていたりするものだ。しかし驚いたこと小林峠でさえ雪がない。あと数週間でこの一年が終わりだとはなんだか信じられない光景だ。小林峠を下って盤渓スキー場のわきを通過した。リフトは動いていなかった。自転車にはうれしい天気ではあるがなんだか複雑である。
 いつものコースを回るために平和の滝方面に向かった。ここはさすがに山に近づくに従い、路面に雪が残っていた。

 最近は、室内トレーニングを地道に続けていた。しかし、屋外を走行すると筋肉痛を感じる。やっぱり使う筋肉が違うようだ。小林峠の上りはシーズン中のようにはスイスイとはいかないけれど、意外に息が切れなかった。

 何はともあれ今年一年、事故もなく自転車生活を楽しむことができたことを素直に感謝したい。

エージングの不思議2009年12月11日 19時12分41秒

 Ver.13.0に変更してから不思議な現象にとまどっている。変更直後は音がこなれずきつくなることはいつものことである。それでもだいたいは一日が経過すると落ち着くのが通例である。ところが、今回のケースではどうも様子が違うようだ。

 変更後一日が経過してから電源オン直後の音を聴いてみると、おそろしく音が暴れていて聞くに堪えない。数時間放置して聞き直すと、これがまた深く豊かな音に変化している。それでも音楽を聴いているうちに徐々にエージングが進んでいく様子がわかる。まだまだ変化しそうな印象だ。

 この現象がどこから来るのか理由はわからない。回路に特有な現象なのか、それともトランスのエージングということなのか。謎だ。