フェーダーボックス 設計完了2016年12月27日 22時04分35秒

レイオーディオのMSA202を参考にしてあれこれと思案した結果、写真のような形状に落ち着いた。

板厚30mmの木材を4まい貼り合わせる。ただし、Neutrikのコネクターがつくフロントパネルだけは、すこし複雑な加工が必要である。絵には見えていないが、フェーダー本体とコネクターを結ぶ配線がおさまるよう溝を設けている。

最後にきちんとフェーダーが収まるかどうか寸法のチェックだけはしておく。さもないとあとで泣きを見ることになりかねない。

年が明けたら知り合いの工房にお願いする予定。

GaN エージング260時間経過2016年12月27日 22時19分26秒

GaN素子であるGS66502Bは順調にエージングを重ねている。

当初はいつものとおりに高い方に極端に偏った音であったが、じょじょに中音域が充実し始め、見事に変身を遂げつつある。

正しい結論を出すのは700時間経過してからではあるが、今の時点ですでにGaNの圧勝は確定であると申し上げたい。CREEのSiCは素晴らしい素子ではあったが、GaNを前にしては見る影もない。それほどの差である。

GaNの特徴としてまず第一に言えることは、音の数が極端に増えることにある。コンサートホール会場に座る聴衆の微細なノイズが驚くほど聴き取れるのだから、ましてピアノの弦が揺れ動くような響き、弦と弦とが微妙に共鳴したりうなったり、実に見事に表現する。

第二の特徴は、音の力にある。音の中身がぎっしりと詰まっていて、こちらに飛んでくる。もちろん暴力的な飛び方ではない。楽器本来が持っているエネルギーである。

第三の特徴。エージングの途中なので低い音はまだ十分ではないが、それでもピークディップが極めて少ないことがわかる。実に自然で、録音したままの音が聴き取れる(と思う)。

以上の結果、これがCDの音であるとは信じがたいほどのリアルさと、実在感を醸し出す。

これまでデジタルの音はアナログには勝てないと言われてきたが、CD レベルの解像度であってもアナログと十分に渡り合えるのではないか。そんな気がしてきた。

デジタルの音に大きな影響を与える要素として、ジッターやDAコンバーターの精度の話はさんざん提案されてきた。

もちろんクロック発振器の電源の重要性も言われてきた。しかし。ここまで電源が音に影響するとは、作った本人も言葉を失うほど驚いた。クロック発振器の電源がすべてを支配している、と言いたくなる。システム全体のボトルネックがここにある可能性は決して小さくない。

GaNはすでにD級アンプの出力段に使用されつつあるようだが、是非アナログアンプにも活用すべきである。そうなれば、これまでの素子は存在する意義がほとんどなくなっていくだろうというのが私の予想である。

従来、半導体アンプと真空管アンプはまるで水と油のように相容れず、ときには反目しあってきた。しかしGaNは真空管アンプに十分に伍するどころか、もしかして乗り越える能力さえあるのではないか。

それとも、予想外の衝撃を受けて冷静さを失った結果、世迷い言を口にしているだけなのだろうか。