真空管ヒーター 定電流点火回路の考察(5)2016年01月04日 11時00分42秒

昨年12月7日の記事で、13D2真空管のヒーター定電流回路が完成したことを報告した。年末には良い結果が出るだろうと期待しながらその後、24時間通電を続けた。

ところがそれが意に反して良くならないのだ。
中音のある特定のところにピークがあり、低音も団子になってほぐれない。最悪なのは、音楽を聴いていて楽しくないということ。

原因は何か。セオリーに従って、こういうときは最後に変更したところを疑うのが鉄則。ということは定電流回路に捜査対象を絞ることになる。
以前、PSRR(電源電圧変動除去比)の周波数特性を示した時に、オーディオ帯域で位相が急激に回転するのが気になると指摘していた。もしかしてこれだろうか。

早速、部品箱から10uF/BG/NP(ノンポーラ)を2個取り出し、出力のパスコンとする。シミュレーションしてみると見事に位相は滑らかになる。
で、聴いてみた。確かに改善はされた。けれども完全な解決ではない。どうしても強い癖が残っていて、それが音楽全体をぶち壊しにしている。

うーん、困った。しばし腕組みをしながら考えると、最初ぼんやりとしか見えなかったものが、次第に明瞭に見えるようになってきた。
もしかして整流管が原因だろうか。WE412Aは交流点火のままで、手をつけていない。13D2を定電流点火して、その性能が向上したことにより、今まで隠れていて弱点が浮き彫りにされてきたのではないか。これが私の推測である。

このことを確かめるためには、WE412Aを定電流点火するしかない。
実はこれは私にとって初めてのことではない。2009年にすでに試していた。ブログには「すばらしい効果があった」と記されていた。
ところがその後、本体アンプの改造やら変更やらを重ねているうちに、交流点火に戻ってしまったらしい。なんとも節操がない。

ここはもう一度WE412Aの定電流点火にトライしてみるしかない。

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