サブシステム その後2011年11月09日 13時25分16秒

 妻はバッハのオルガン曲にのめり込んでいる。その妻のためにサブシステムをしつらえた。パワーアンプはCounterpoint SA-20。嫁いできたときには、右チャンネルの出力MOS-FETが破損しており、痛々しい姿だった。しかし、外観も中身も新品同様に輝いているという驚くべき状態を維持していた。これはどうやっても復活させて第二の人生で花を咲かせてやりたい。こうして、正常な左チャンネルのMOS-FETを2ペア右チャンネルに移植して復活を果たした。

 お次はCDPだ。これは数年前にジャンクで購入したNEC CD-816。TDA1541Aノーマルを2個移植して復活。しかし音を聞いてみると、なにか膜がかかったような冴えない感じがする。そこで、電源部の電解コンと整流ブリッジダイオードを交換した。投入したダイオードはCREE SiC SBDを8個。このダイオードは私のシステムですでにエージングを終えている。電解コンはごく普通の一般品。写真は、交換後の電源付近の様子。

 さて音はどう変わったか。妻には一切改造内容を知らせていなかった。その妻が今日、改造後初めて音楽を聞いた。私の方からは感想を聞かない。その間、私はLOOK号にまたがり手稲山で汗を流していた。

 帰ってくると、妻が開口一番私に言った。「いい音になったね。ぜんぜん今までと違う。なにか手を加えたの?音が出た瞬間鳥肌が立ったわよ。」私はニンマリ。このようにして、CREE SiC SBDの効果はオーディオに無縁な人にも判別できるほどの効果があることが証明された。

 このサブシステム。私のシステムに比べれば解像度は劣る。高音は出ないし、低音の音階が不明瞭だ。しかしそんなことは問題ではない。ずっと聴き続けていたいと思える音が出てくる。体の深いところにやさしくしみわたっていくような、音楽を大切にいたわることを知っている、そんな装置だと思う。これで十分だとも思える。

 オーディオは不思議だ。「良い音」とは何か。30年以上も追い続けてきたけれど、今サブシステムが奏でる音楽こそ、これまでのベストと言えるのかもしれない。

 今日、注文していたマスタークロックが届いた。これを私のシステムに投入し、現在使っているクロック・ユニットは妻のCDPに移植しようと思っている。クロック周波数が同じなのでこんなことができる。