SA-20復活2011年11月01日 13時05分44秒

 右チャンネルの終段MOS-FETがすべて破損していたSA-20を譲り受けた。生きている左チャンネルのMOS-FETを2ペア移植することで再生できると踏んでいた。

 しかし、数週間前にTDA1541Aを破壊してしまったトラウマが残っている。スイッチオンした瞬間に煙が上がったり、パチッという破壊音がしたりするのではないかと内心びくびくしていた。しかし、いつまでも逃げてはいられない。意を決して昨日修理を決行した。

 まずはこわれたMOS-FETをすべてはずし、そのままの状態で、電源を入れる。ゲートの電位を確認。両チャンネルともに正常にでている。これがおかしかったら、もう少し複雑な修理になっていたところなので、ほっと安心した。

 電源をオフにして、終段に電力を供給しているの電解コンチャージが残っていないかを確認。破損したゲート抵抗をはずし、左チャンネルから移植。NチャンネルとPチャンネルを間違わないようにヒートシンクに取り付け。SA-20はソケットを使っているので、交換はすこぶる楽だ。

 それから基板上の100Ω抵抗の皮膜がふくれあがっているのを発見。損傷はしていないようだが、念のため手もちの抵抗と交換。正式な回路図を持っていないのでどこの抵抗かは不明だが、おそらくバイアス段あたりかと推測。

 修理が終わり、電源オン。プロテクトが外れて終段がオンになるまでの数分間の長いこと。煙は上がらなかった(笑)。出力電位を測定。異常なし。CDから入力してみると、ちゃんと出力がある。直ったようだ。

 この後、妻のためにサブシステムを構築。CDプレーヤーはNECのCD-816。TDA1541Aシングルクラウンを2個搭載していた。今回は、ノーマルのDACに交換。スピーカーは息子から借りた。最近、家にはほとんどいないので、彼がこれを使って音楽を聞くことはないのだそうだ。

 出て来た音。最初は眠い音だったが、時間と供に徐々に生き返るように歌い出した。復活成功だ。妻も大喜びだ。

 CDPやSPにもっといいものを使ったら、もっとよくなることがわかる。SA-20は本当にすごいアンプだ。

PCM1794 の使いこなしメモ2011年11月01日 13時24分19秒

 ここ何日かずっと左右別PCM1794 DACの改善を試みてきた。キットが到着したときは、とりあえずつないだだけの状態。それからああでもこうでもないと、どこをどういじれば効果があるのかを探ってきた。

 効果があったこと一覧。

(1)リクロック 16.9344MHzをDACの直近で発振させCDPに送ると同時に、DAC直前でシステムクロックを同期させている。いわゆるリクロックという手法。効果あり。
(2)発振ユニットの別電源化。効果あり。
(3)DACと発振ユニットの電解コンデンサをそれぞれニチコン・スーパースルーに交換。大きな効果あり。

 ここらあたりで効果は頭打ちになった。音を聞いてみると、不満が残る。低音が団子状態。音量を上げるとうるさい。高いところのどこかに聞こえてはならない付帯音がつきまとう。当初、クロックのジッターを疑った。しかし、その前に二つだけ手つかずの部分がある。

 一つは3.3V電源がIC一個で済ましていること。これをディスクリートで組めば効果はあるだろう。もう一つ気になっていたのは、PCM1794のIref抵抗。ここにはキットを購入したときについてきたごく普通の抵抗が使われている。

 値は10KΩ。偶然かな、手もとにVishay Z201がある。TDA1541A DACのときはこれで電流から電圧に変換していた。しかし、PCM1794に移行した以上、これは使わない。値が大きすぎる。ならば、IVCからはずして、Irefの抵抗に使えばいいではないか。

 早速実行した。非常に大きな効果があった。晴れ晴れとした空間が広がる。不満がほとんど解消した。この時点でTDA1541A/S1システムを超えたと思った。

 TDA1541Aを使いこなすのには物量が必要だった。システムが複雑になり、保守するだけでもかなりのストレスだった。それがいまはこんなシンプルな回路で追い越してしまうのだから、思い切って決断してよかった。

 そろそろ試行錯誤も終わりに近づいてきたので、ケースに入れてやることを考えよう。