片山右京さん2009年12月20日 19時02分16秒

 新聞で片山右京さんが富士山で遭難し、仲間二人を失ったことを知った。冬の富士山の恐ろしさ、その中でも強風の恐ろしさが特別であることは昔新田次郎の小説を読んだときから頭に残っていた。私は冬富士を上るまでの技術はないが、冬山を上った経験はいくつかある。そして今は自転車に入れ込んでいる。片山さんのレベルとは全く違うが、興味においてはいくつかの重なりがある。だから、今回の事故は何か他人ごとではないような思いをしている。

 数ヶ月前、たまたまテレビで片山さんが自転車で走るところを見たとき、すごい人だと思った。そしてどこか少年のような一途で純粋な心をもっておられる方でもあると感じた。だから一瞬にして二人の仲間を失ってしまった悲しみはどれほどかと考えている。責任感の強い方だから、自分を責めておられるのではないかとも思う。この事故について、あちこちからいろいろな意見が出たり、なかには非難も起こるだろう。
 
 しかし考えたいのは、結果だけを見てああすればよかったとか、こうすればよかったということではない。外野席から意見を言うことは簡単である。でも、人間には最善を尽くしたつもりでも、どうすることもできないときが必ずある。それは誰にでも起こりうることではないだろうか。そんな人間の悲しみと弱さを私は思わずにはいられない。だから片山さんのことは、決して他人事ではないと感じるのだ。

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