I/Vコンバーター Ver. 13.0 回路図2009年12月13日 18時30分46秒

 Ver.13.0の回路図を公開する。ハンダ付け直後の音は例によってひどいものであった。耳が痛くなるくらい高音が突き刺さってきて聴いていられない。数時間通電してもいっこうに変化が見られない。これは駄目かと思った。通電せずに24時間経過してから再度挑戦した。これで変化が見られなかったらディスコンである。

 ところが最初の音を聴いた瞬間勝負が決まった。思わず心の中で快哉を叫んだ。最も良くわかったのはたまたま手元にあったモーツァルトのホルン協奏曲をかけたときである。以前のシステムで聴いたときは、ぱっとしないで全く面白さが感じられなかった。ところがVer.13.0で聴くと、これがめっぽう面白い。音楽の表情が豊かで、モーツァルトの人間性がよく表現されていて笑みがこぼれる。多様な楽器の音色の重なりに新たな発見をする。「音が良い」というような次元ではもはやない。音楽の楽しさを体いっぱい聴かせてくれるアンプに成長した。

 アンプとしてみれば、ソースフォロワで出力トランスをドライブするという基本回路に6DJ8を交差結合させて構成した電流源をつなげた回路である。定電流ではなく、6DJ8も電圧に応じてトランスをドライブしている。このような回路は他に見たことがない。もしかして初出かもしれない。最も世の中は広いので、既に誰かが発表している可能性はあるが。

 出力トランスに使っているタムラのTF-3は、カタログを見る限り電流を流せると書いていない。あくまでも自己責任で電流を流している。またホットとコールドの電流アンバランスも若干ある。この影響もないとは言い切れない。しかし私が聴く限り、それは聴き取れない。
 またTF-3の二次側には終端抵抗を入れていない。最初入れていたのだが、はずしてしまった。はずしたら音がおそろしく躍動的になり驚いた。これまではまるで縛られていて自由になれなかったのが、今や思う存分駆け回っているような音である。演奏者たちはこんなにも楽しく音楽を奏でていたのだと新しい発見をする。

 では、Ver.13.0に課題はあるのか。人間とは欲深いものである。今の音にウェスタン・エレクトリック(WE)のあの独特の音が加わったらどんなに楽しいだろうかと想像している。さて、ではどうするか。明日の休日にトライしてみよう。