真空管のピンを磨く2020年07月26日 20時48分18秒

ずっと以前から真空管のピンのことが気になっていた。真空管アンプを作り始めた頃は、こまめにピン磨きに励んだものであったが、なにせMT管ともなると作業が細かくてどうしても面倒になる。最近はすっかりご無沙汰してしまっていた。

しかし、抵抗一個には何を使うか神経を使ういっぽうで、ピンのことはぞんざいな扱いというのは、あまりにもバランスが悪い。何かよい方法はないものかと思っていたら、偶然和光テクニカルのメタルクリーナーが目にとまった。どれほどの効果があるのか、?であったがそれほど高価なものでもないので試しに購入してみた。
能書きを読むと、刷毛で塗ってから綿棒でこすり、あとは水洗いすればよいとある。やってみるとすこぶる作業は容易である。あっという間に終わった。
こと後、和光テクニカルのチタンオーディオオイルを塗るのが定石のようであるが、今回は手元にあったエレクトロルブを塗った。15年以上前にある方から譲っていただいたもので、残りはわずかになってしまった。

さてその効果は。。次の写真を見ると一目瞭然。ティッシュペーパーに微粒子状となった汚れが付着している。これほどとはと驚いた。
今回磨いた真空管は、ラインアンプの13D2が2本、パワーアンプのWE420Aが2本と、WE412Aが1本、そしてクロック発振器のWE404Aが一本。果たして音はどう変化しただろうか。

真空管をそれぞれの位置に戻して電源を入れる。一聴して、低音がすっぱり切られて出ていないとわかる。これでは評価ができない。キャノンコネクタを一度挿抜しただけで音が変化するくらいだから、これはいたしかたない。24時間放置して再度評価することにする。

そして翌日。すっかり音が変わっていた。これを聞いて初めてこれまでの音が、高い周波数域の音がにじみ、わずかに潰れかかって歪んでいたことに気がついた。そして低い周波数域の音に関していえば、団子状になって気になっていたところが、よくほぐれて細かな音階が聞こえるようになった。

作業の簡便さに比較して得られる効果は絶大である。