試作10号 その1 (水晶発振子 3個シリーズ接続)2020年06月09日 22時42分48秒

前回の記事からすっかり間があいてしまった。
コロナ騒ぎであれやこれやで振り回され、すっかり疲れてしまい、文字を記す元気が薄れていた。 いっぽうで、水晶発振器に大きな変化があった。書くべきことはたくさんあるのだが、言葉がまだまとまらないので、とりあえず最新の回路図だけ掲載する。

まずはその前に訂正がある。
肝心の真空管の番号を誤って伝えていた。正しくはWE404Aである。以前の記事でWE406Aとなっているところを適宜読み替えていただきたい。

それではメインの発振回路から。
前回からの変更点は1カ所。WE404AのSGに4.7KΩを入れた。これによって出力振幅が50Ω負荷時で1.7Vp-pに減少した。これでやっとLTC6957の仕様を満足させることができた。

次にB電圧回路。ここの変更箇所は、平滑回路に15Hのチョークトランスを入れたこと。
最後にヒーター回路。変更点は2カ所。整流に理想ダイオードブリッジを使ったことと、トランスをFP20-600に変更したこと。これで平滑後の電圧が14Vになってだいぶ余裕が生まれた。R9で出力電流のトリム調整をしている。
回路を変更したのが5月26日だったので、エージングは今日で2週間目となる。まだ日々変化がある。

変化があまりにも大きかったので作番を新しくして、これを試作10号と呼ぶことにする。

ホイールバランスを調整する2020年06月15日 19時05分47秒

コロナ騒ぎで我が職場もZoomを使って会議や授業をすることになり、なにも知らないところから情報を集め、必要な機材を手配し、いろいろな設定に手間取ったりと、とにかくてんやわんやの連続であった。

幸い身近に感染者が出ることなく過ごせことは幸いであったが、世に「Zoom疲れ」ということばがあるように、私もZoomが終わると横になりたくなるほど精根尽き果てた。

外に出ればみなマスクをしており、自転車で走るなどもってのほかという雰囲気が最初はあった。やっと最近は、むしろ三密を避けるために自転車が見直されてきて、ここにきてやっと大手を振って自転車で外を走ることができるようになった。
とはいえ、マスクは必携である。モンベルのスカーフ形マスクに少し手を入れ、走るときは必ず着用するようにしている。

さて本題である。
LOOK595にはずっとBORA ONEを履いてきた。しかし考えるところがあって今シーズンからShamal Ultraに履き替えてみることにした。BORA ONEは軽量で加速は優れているのだが、剛性が若干劣っていて、ハンドリングに難を感じる。

ただ履き替えるのは惜しい。これを機会に、以前から気になっていたホイールバランスの調整に挑戦してみることにした。調整方法がはYouTubeなので紹介されているので割愛する。
写真はフロントの様子。鉛はおよそ4gを一カ所、1gをもう一カ所に使用した。
次にリアの様子。鉛はおよそ7gを一カ所、1gをもう一カ所に使用した。
そしてLOOK595の姿。

朝里峠2020年06月15日 19時25分57秒

最近は夜明けが早い。朝5時に目が覚めてしまった。準備をして7時に自宅を出発。朝里峠周回コースに挑む。この時間帯は通勤通学と重なるので市街地では速度は出せない。それでも朝里温泉交差点まで45分とまずます順調。

ホイールバランスを調整した効果はすぐにわかった。とにかくフレームを変えたかと思うほど違う。例えれば、波一つない凪の海上を滑らかに進むクルーザーのような感触。これまで道路が荒れているとバランスを取るためにハンドリングに緊張した。ところが今回はどんな道路状況でも安心して進める。
そして言われるとおりに、バランスを調整したホイールは高速走行時の安定性は抜群である。今日の最高速度は札幌国際スキー場手前の急坂を下りるときに」記録。やや向かい風だったので65Km/h。ハンドルがまったく揺れない。

この後、札幌市内に入り、石山通を北進。後ろから風が吹いていたので速度が上がる。ペダリングに意識を集中する。普通、疲れていたり、身体のバランスが悪いと頭が左右に揺れるものだが、今日は頭が揺れていない。体力は劣っていても、おそらく理想的なペダリングに近づいているのだろう。これもホイールバランスのおかげである。

途中、サイコンのマグネット位置がずれたせいでが20分ほど停止したため正式な記録はとれていない。11時に帰投。

午後からは妻から依頼されていた棚作りに精を出す。近くのDIYショップに向かって板を切ってもらい、押し入れに頭を突っ込んでネジ止め作業を繰り返す。8割がた完成したところで、今日は終了。

こうしてみると、自転車に乗り、家事もこなしたのだから「1日で二度おいしい」日であった。

試作10号 その2(水晶発振子 3個シリーズ接続)2020年06月17日 20時20分37秒

回路図だけでは実感が湧かない。そこで実機の様子を公開する.
まずは外観から。
ご覧の通りにAMPHIONのマークがある。これは、以前にK様から譲っていただいたもので、造りが精巧で手に持つとずしりと重い。これだけでもすごい値段だろう。おかげさまで我がオーディオルームのなかで最も高級感あふれた存在になった.
次に電源トランス。ヒーター電源とB電源に分かれている。
少しカメラを引いて、トランス周辺の様子。
ヒーター電源の整流には理想ダイオードブリッジを使っている。当初、どこに実装するかでちょっと悩んだ。結局、トランスを載せている基板の裏側に張り付けることにした。組み立ててしまうと表に見えない。
B電源の平滑回路には15Hのチョークを入れた。ふつうならシャーシに取り付け穴を開けてネジ止めするだろう。ところがAMPHIONのシャーシ厚が5mmもあるので、簡単に穴開けできない。なんとか既存の穴を利用することにしたので、ちょっと斜めになっている。
続いて電源回路の全体。向かって左側がB電源、右側がヒーター定電流回路。基板の右上側にGaN素子であるGS66502Bが見える。
基板からもっと上側に目を向けると、白いものが見える。発振回路のメイン基板は、このポリエステル布に包んでいる。
メイン基板を横から見る。黒いシールドの中にはWE404Aが入っている。
最後にメイン基板の裏側を見る。
5月26日から24時間通電をしているので、すでに500時間経過している。

試作10号 その3(水晶発振子 3個シリーズ接続)2020年06月17日 21時18分50秒

音はどうか。前回も少し書いたが、試作9号から大きく変化した。
最も最初に感じたのは、「真空管の音」ということだった。

半導体アンプと真空管アンプの音の違いについては、いまや誰も異論をはさむ人はいない。しかし発振器に使う増幅素子の違いがアンプと全く同じように音に反映されるとは、ほとんど誰も考えたことがなかったのではないか。

これは出てくる音を聴いて初めてわかることであって、半導体素子を使った発振器だけ聴いていたのでは絶対にわからなかっただろう。

いま「ほとんど誰も考えたことがなかった」と書いたが、実を言えばあまり正確な表現ではない。eBayではabbasaudioさんが真空管式クロック発振器を出品しているし、少し昔になるが海外のAH!オーディオが2004年頃にすでに発表していた。しかし、AH! オーディオに関してはなぜか続報がないのは残念である.


話を元に戻して、WE404A+Laptech水晶発振子が出す音の特徴。
最もわかりやすいのはフェーダーの位置が変わったことである。同じアルバム、音源をかけているのに音量をそろえようとすると少なくとも3dBほど絞らなければならない。
次にわかるのは、音量を絞っても音痩せがなく、小音量でも満足度が高いこと。音に「重量感」が満ちていて、色彩感が濃い。私がWestern Electricに抱いているイメージそのままである。

これまで発振器といえば、なによりも低位相雑音が至上命題であって、それ以外の評価基準はないに等しかった。もちろん位相雑音は大切な評価基準であることは間違いない。しかし、ことオーディオの世界では、それだけでは語り尽くせない何かがあると感じる。
この音の特徴をどう表現したら良いのだろうか。どこかで誰かが書いていたような気がする。「アナログでもデジタルでもない。これは第三の音である。」

20年ほど前、デジタルに宗旨替えしたときは、LPレコード・アナログオーディオの音にいかに近づけるかが目標であった。確かに手を加えるたびに近づいてきたという感触はあった。

しかし今回は違う。私の中にあるアナログの音の基準を飛び越えてしまった。音が良いとかどうかはもうどうでもよい、といったら語弊があるだろうか。とにかく人間の魂に語りかける暖かさがある。
Bupei様から「どんな色彩感でしょうか」という問いかけがあった。
我が家の食卓テーブルの照明は、30年前からPHランプが気に入ってこれを使っている。何年か前に松下電器が電球の生産を止めると聞いたときはがっかりした。もちろんいまはサードパーティ製が出回っているのでそれを使っている。LED照明全盛の時代にこれにこだわるのは、まさに電球でしか出せない色彩感があると信じるからである。

半導体発振器がLED照明なら、試作10号機は色彩感に富む電球色。そんな風に表現したい。人が心を込めて歌う歌が、聴くものの心にしみわたる。

すばらしい発振器に出会った。もうルビジウム発振器が欲しいとは思わない。妄念が一つなくなっただけで生きるのがずいぶん楽になる。とは言え、妄念が完全になくなったわけではないので、本当に楽になるのはまだまだ先だろう。