Taylor型レギュレータ リモートセンシング 実装編2018年12月09日 20時45分13秒

レギュレータ本体とDAC基板とは写真にあるとおり、同軸ケーブルと1本の黄色のケーブルで結ばれている。同軸ケーブルはGNDと+PS、黄色ケーブルはDrive信号である。この時点ではまだバラック状態だが、最終的には結束タイでまとめられる。

DAC基板に遠征している制御素子(GS66502B)はちょうど水晶発振器の裏面、電源ピン近傍にスズメッキ線を使ってDAC基板から浮かせて固定している。こんなとき、変換基板に空きパッドを用意していたのが役に立った。
全体の様子。レギュレータ基板とDAC基板はおよそ40cm離れている。

Taylor型レギュレータ リモートセンシング 測定編2018年12月09日 21時09分27秒

リモートセンシングがどれほどの効果があるのか検証しておく必要がある。

まずはレギュレータがDACの直近に置かれた状態における電源ピンの波形から。電源としては最も理想的な設置方法で、ご覧になっておわかりのように、あばれが非常に少ない。
続いて、レギュレータと水晶発振器を40cmの同軸ケールで結んだときの水晶発振器電源ピンの波形。縦軸のスケールが20mV/divから50mV/divになっていることに注意。かなり暴れていることは一目瞭然である。
そしてお待ちかねのリモートセンシング手法を導入した今回のケースでは。縦軸は再び20mV/divに戻している。理想状態に比べると暴れは増加する。しかし、二番目のケースに比較して明らかな効果が認められることが確認できる。

Taylor型レギュレータ リモートセンシング 試聴編2018年12月09日 21時25分25秒

B氏の言葉に甘えながらずるずるとお借りしていたDuCULoNとはいつかお別れの時が来ると覚悟していたのだが、とうとうその期限がきてしまった。

ということで、水晶発振器はロシア製ГК154-П-Тの45.1584MHzに戻した。今回のリモートセンシング手法を導入したことで音はどうなっただろうか。

予想通りである。クロック信号を40cmケーブルでDACに送っていたときは、どこかつっかえた印象でどんなにエージングしても堅さがあってのびのびしたところがなく、不満があった。

ところが今回は、その堅さが見事にとれ、場の雰囲気感や演奏者の実在感が増すとともに、音楽の細部が実に鮮やかに聞こえてくるようになった。

このことを証言する者がもう一人いる。
我が家で最も辛辣な意見を発する妻が部屋に入ってくるなり「いい音ね」と言って、「魔笛」のアリアに合わせて踊り始めたではないか。これはよい兆候だ。

いっぽう、DuCULoNだったならもう少しこんな音が聞こえただろうという残念さも確かに感じられる。耳とは非常に恐ろしい検知器である。

こうなると、Laptechの水晶発振子を使った発振器を作らなければと戦闘意欲がわいてくる。その場合は、DAC基板そのものから作り直して、ほかのレギュレータにもリモートセンシング手法を導入することになるだろう。

加えてもう一つ夢がある。
現在使っているDDC(I2SoverUSB)の新しいバージョンが出ていて、これは左右分離信号も出せるようになっていて、TDA1541Aをすぐにつなぐことが可能となっている。
I2SoverUSB
以前からこんなDDCがあればと思っていたことが、I2SoverUSBで全部実現されている。TDA1541Aのシングルクラウン2個を最近入手したので、これはいつか実現したいと思っている。

写真はメーカーからお借りした画像