Panasonic VP-7723A その42017年12月17日 17時47分35秒

現在の症状を観察しながら、どこに原因があるかを推測する。
まず症状から。

(1)OSC部について
・OSCの周波数と外部から入力した信号の周波数を正常にカウントできる。
・OSCの周波数設定と振幅設定も問題ない

(2)測定部について
・周波数の測定ができる
・ACレベル測定はできない
・全ひずみ率測定はできない
・S/N測定はできない
・DCレベル測定はできない

ただし、自宅に届いた直後は全ひずみ率測定以外は、それらしい数値を表示していたことは確認している。ただし、そのとき周波数カウンタが正常に動いていたかどうかは未確認。

操作マニュアルには「本機の構成図」が掲載されている。詳細な回路図がないので、このような大雑把なブロック図でも故障診断には大いに参考になる。
まず最初に注目したのは「周波数カウンタ」で、OSCの周波数測定の制御はロジック部で行うようになっている。また、AC INPUTから入力された信号はPRE-LPFを通過してから周波数カウンタに入り、信号を感知してから測定を行うようになっている。信号がないときは、7セグLEDは消えたままになる。

このことから基板に搭載されいているICの機能が推測できる。
ボルテージコンパレータNJM311は故障していたので交換したことは既報の通り。
このICでアナログ信号をデジタル信号に変えた後、その信号はオプトカプラを経由して周波数カウンタブロックに向かう。おそら5個並んでいるD71055GBがカウンタ機能を担っているのだろう。症状から見て、このあたりは正常動作していることになる。

AC INPUTから入った信号は各種フィルタを経由した後ADCブロックに入力される。その直前に、MONITOR OUTPUTがある。ここを観察するときちんと信号が出てくるので(後でわかったが、実は出ていなかった)、各種フィルタ機能に大きな問題はないと判断して良い。

これらのことを総合的に勘案すると、測定値が表示されない現象は、ADCの直前もしくはADC自体に問題があると推測される。HC138に問題があれば、測定機能が働かないのは理屈が通っている。

自宅に届いた直後は、おそらくボルテージコンパレータはすでに故障していただろう。それでも歪率以外の測定には支障が出ないから、故障は表面化はしなかった。NJM311を交換したら、ひずみ率測定を表示するLEDが光るようになったのは、周波数を獲得できたのでLEDを点灯させる条件が揃ったということなのかもしれない。

その後、測定値を表示できなくなったのは、なんらかの原因でHC138が壊れたということなのだろう。しかし、今まで正常に動作していたものが動かなくなるのだから、そこにどんなメカニズムが働いていたのかが気がかりである。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2017/12/17/8750036/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。