ボルテージ・ミラー型シリーズレギュレータ(1)2016年01月05日 22時43分35秒

ことの発端は、DDCとして使っているI2SoverUSB( http://jlsounds.com )の電源からである。

このDDCは、USB側とDACへの出力側とがIsolateされており、そのためにはそれぞれのテリトリーに独立した電源を必要とする。DAC出力側はもちろんSalasタイプのシャント型レギュレータである。USB側もそのようにしてきた。

しかしこれが大飯食らいで400mAを消費する。シャントレギュレータはこれにアイドリング電流が加わるので、効率が悪い。なんとかしたいと常々思っていた。シリーズレギュレータならばその点、効率がよい。

しかしどこかの一般的なレギュレータをそのまま持ってくきたのでは曲がない。たまたま上條信一氏が発表された「ボルテージミラー2SJ113/2SK399 SEPP 40W+40W」( http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/J113K399/report.htm )を見ていたら、そこにヒントがあることに気がついた。

詳しくは同氏の記事を参照いただくとして、単純な回路でありながら高い性能のレギュレータをつくることができる。

基本回路は掲載の回路図の上側になる。ただし、入力電圧の変動を受けやすく、意外にPSRRが高くならないという欠点が目につく。

そこで定電流回路で培ったアイデアを導入して、カレントミラーでQ1のコレクタ負荷を与えることにした。その結果PSRRが劇的に改善される。

ただし問題がないでもない。
周波数特性のグラフを見て分かる通り、位相の回転がおよそ2KHzから始まっており、オーディオ帯域に侵入している。これが音に影響を与えるだろうことは容易に想像できる。原因は、制御素子であるIRF610の特性によるもので、RF用途のMOSFETに入れ替えるとこの問題が解決されるようだ。
いまのところ、USB側の電源の質は音に影響しないようなのでこのままとしている。今後の課題とする。

現在、DDCの電源として活躍中である。

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