13D2 ラインアンプ ヒーター定電流回路 改訂 その32014年06月11日 17時52分08秒

これまでヒーター点火回路の定電流回路の入力電圧を上げたり、出力コンデンサを数種類試してみた。残念ながら、納得できる結果が得られなかった。

不思議なことだが、なぜヒーター点火回路に集中するのかと問われても明確に答えられない。何故かそこが気になるからとしか言えない。おそらく無意識領域からの指令なのだろうと思う。人間は、意識領域ばかりで考えているのではなく、無意識領域でも考えていて、それも重要なところを先に気がついているのではないか、それが私の仮説である。

何を試しても中途半端な結果しか得られないのは、的を外しているからである。何が的なのか。。。もしかして整流ダイオードかもしれない。そう思うと気になって一刻も試したくなる。

これまでIXYSのFREDを使ってきた。数年前の比較試聴で好結果を得ていて、私なりに信頼していたパーツだった。でも、他の整流回路はすべてSiC SBDとしている。ここもSiC SBDに替えたらどうなるか。

ということで、昨夜交換した。IXYS FREDはブリッジでなおかつシャーシーマウントタイプなので熱を逃がしやすい。しかしSiC SBDはブリッジタイプではない。放熱のことも考慮する必要がある。なので実装は意外に手間がかかる。小型のヒートシンクを一個ずつ抱かせて熱を逃がす。

結果。
最初の音が出た瞬間、勝負が決まった。「少しだけ」とか、「気がする」という差ではなく、圧倒的に差をつけて良いのだ。上から下まで透明感がすばらしく、ピークディップがない。あの気になっていた刺々しさが消散した。

出力コンデンサをテフロンコンだけを残し、電解コンをはずしてみた。全く問題ない。エネルギーバランスはびくとも動かない。見事なものである。

真空管ヒーター点火回路の音に対する影響については数年前にさんざん経験して、このブログにも書いてきた。整流ダイオードの影響についても同様に書いてきた。しかしなんとしたことか、実装が大変という理由だけで、SiC SBDをヒーター点火回路に使ったことはこれまでなかった。今回、SiC SBDの実力をまざまざと見せつけられた。もうほかのダイオードを使う気がしない。

ところで、他の方々はどうしているのかと、ネットで検索してみたのだが、ヒーター点火回路にSiC SBDを使ったという記事は殆ど見かけなかった。もしかして見落としているだけかもしれないが。
このことは、もっともっと多くの方に知ってもらいたい。

いつも同じこと繰り返すようだが、ヒーター点火回路の音への影響度の大きさを知ってしまうと、真空管アンプはなんと奥深いものであるかとため息が出てしまう。

ヒーター点火回路の風景2014年06月11日 20時02分11秒

写真の奥にある小型ヒートシンク群がSiC SBD。その手前に定電流回路(2回路)。手前の基板の上には緑色のMUSEが写っているが、現在ははずしている。