SBDの使いこなしは意外に難しい2011年11月02日 14時40分04秒

 汎用ダイオードからSBD(ショットキーバリアダイオード)に交換すると、目を見張るような改善効果が期待できる。一般にはそう言われているし、私もおおかた認める。しかし、ことDACに関してはそのようには簡単に言い切れない部分がありそうだ。

 昨夜、DACの電源に使っている整流ダイオードを交換してみた。これまではIXYSのFRED。これをCREEの小電力SBDに。
 交換後、CDをかけないでボリュームを上げてみる。サーというノイズが大きく聞こえて来るではないか。なぜ?訳がわからないままCDをかける。低音は前に押し出してきていいのだが、高音が耳に突き刺さる。つまりどんしゃりなのだ。音楽が楽しくない。すぐにスイッチを切った。

 原因を考えた。
 一部で、SBDに変えるとこのような傾向になることが指摘されている。しかし、パワーアンプではこのようなことはなかった。なぜDACで顕著な現象が発生するのだろうか。

 SBDのメリットは逆回復時間が理論的にないことだと言われる。スイッチングノイズも少ないと言われる。単体ではそうかもしれない。しかし、回路に組み込んだらどうか。そこにはかならず寄生インダクタンスが存在する。シミュレーションすると、わずかなインダクタンスでも盛大な発振現象が起きることがわかる。ノイズの原因はこれだったのだろうか。

 つまりSBDはその高性能さが逆にわざわいして、新たな問題を引き起こす可能性があるのではないか。きちんとしたノイズ対策が必要らしい。素人考えに過ぎないが、ダイオードの出力直後に0.1μF程度のCを入れるのが効果的のようだ。少なくともシミュレーションでは効果がある。

 現在は、IXYS社の中電力FREDに交換している。窓から射し込む朝日のようにさわやかな音だった。