誤配線だった ― 2005年11月06日 13時54分43秒
前の欄で「誤配線はなかった」と書いた直後、誤配線を見つけた。ああ、また恥をさらしてしまった。
きっかけは、DACに供給しているマイナス15Vレギュレータの出力波形を観測していて見つかった。ここは左右独立にレギュレータを搭載している。正常であれば当然左右同じ波形となるはずだ。ところが違うのだ。一方は、高周波のノイズだけが数mV観測される。ところがもう一方は、リップルが見えるのだ。だいたいにして100Hzのリップルがレギュレータから出力されている時点で、もうおかしい。ところが、今までそのことに気がつかなくて正常だと思い込んでいた。これもくみ上げた時点で波形を確認していればわかったことだ。
原因は何か。不幸中の幸いと言うか、たまたまこのレギュレータ基板は、部品面ではなく、裏面が上になっていたので、手で配線したパターンが一目瞭然である。それも、同じものが二つ並んでいる。一方が正常で一方が異常ということであれば、まず一番に疑われるのは、誤配線。次に部品の故障だ。
まず考えたのが部品の故障だ。この基板は、以前使っていたものを取り外して放置していたものを使い回したものである。パターンの引き回しも、今から見るとずいぶん汚い。どんな使われ方をしていたのかも忘れてしまった。つまり部品の信頼性が劣ると言えばそうも言える。しかし各TrのVbeを測っても正常である。発振かもしれないと思って、電解コンを入力につないでみても症状は変わらない。
ウームと考え込みながら、パターン面に目をやると、「おや、何かが違う」と気がついた。同じであるはずのパターンが異なる。調べてみると、基準電圧になるツェナーに流す電流を正常な方は、きちんとレギュレータの出力からとっている。ところが異常な方は、入力からとっている。つまり盛大にリップルを含む方から取っていたのだ。電圧だけを測れば確かに正常動作に見える訳だ。
早速配線し直したら、見事正常動作となった。おそまつ。
きっかけは、DACに供給しているマイナス15Vレギュレータの出力波形を観測していて見つかった。ここは左右独立にレギュレータを搭載している。正常であれば当然左右同じ波形となるはずだ。ところが違うのだ。一方は、高周波のノイズだけが数mV観測される。ところがもう一方は、リップルが見えるのだ。だいたいにして100Hzのリップルがレギュレータから出力されている時点で、もうおかしい。ところが、今までそのことに気がつかなくて正常だと思い込んでいた。これもくみ上げた時点で波形を確認していればわかったことだ。
原因は何か。不幸中の幸いと言うか、たまたまこのレギュレータ基板は、部品面ではなく、裏面が上になっていたので、手で配線したパターンが一目瞭然である。それも、同じものが二つ並んでいる。一方が正常で一方が異常ということであれば、まず一番に疑われるのは、誤配線。次に部品の故障だ。
まず考えたのが部品の故障だ。この基板は、以前使っていたものを取り外して放置していたものを使い回したものである。パターンの引き回しも、今から見るとずいぶん汚い。どんな使われ方をしていたのかも忘れてしまった。つまり部品の信頼性が劣ると言えばそうも言える。しかし各TrのVbeを測っても正常である。発振かもしれないと思って、電解コンを入力につないでみても症状は変わらない。
ウームと考え込みながら、パターン面に目をやると、「おや、何かが違う」と気がついた。同じであるはずのパターンが異なる。調べてみると、基準電圧になるツェナーに流す電流を正常な方は、きちんとレギュレータの出力からとっている。ところが異常な方は、入力からとっている。つまり盛大にリップルを含む方から取っていたのだ。電圧だけを測れば確かに正常動作に見える訳だ。
早速配線し直したら、見事正常動作となった。おそまつ。
現在の音 ― 2005年11月06日 14時13分40秒
このように胸突き八丁の坂を越えてたどり着いたDACシステムの音はどうなったのだろうか。
以前のシステムとは全く異なる音質である。スピーカーの存在を全く意識させない。高音がどうのとか、低音がどうのという分析はもう必要がない。CDに録音されている音をそのままさらけだしていくという印象だ。良くも悪くもすべてが聞こえると言ったら言い過ぎだろうか。オーディオの到達点とはこういうことなのだろうかと考えた。いい音で感動したいという次元はとうにに超えてしまった。今はむしろ、いかにして良い演奏に巡り会い、感動するかである。スピーカーから出てくる音が問題なのではなく、演奏が問題となる。考えてみれば、当然と言えば当然のことだ。だから、音について分析的に書くことは、もはや意味を感じられなくなってしまった。
もちろん、すべて完璧な音になった訳ではない。エージングが不足している状態では、故障かと思うくらい、高音域で歪むことがあった。ソプラノなど聞いていられない。オーケストラを聞いていても、どこかざらついていて落ち着いて聞けなかった。絹のような滑らかさではなく、どこかわずかにささくれ立っていた。それが気になってしまい、欲求不満が高まったりした。一瞬、これは失敗かとも思った。
ところが、エージングが進むと、ソプラノが俄然滑らかになって来て、歪み感がだいぶとれてきた。もちろん、今日の状態でもまだ完全とは言えないが、それでも今後もっと良くなるだろうという期待をもっている。
本当に短期間で、よくもここまで来たものだ。
以前のシステムとは全く異なる音質である。スピーカーの存在を全く意識させない。高音がどうのとか、低音がどうのという分析はもう必要がない。CDに録音されている音をそのままさらけだしていくという印象だ。良くも悪くもすべてが聞こえると言ったら言い過ぎだろうか。オーディオの到達点とはこういうことなのだろうかと考えた。いい音で感動したいという次元はとうにに超えてしまった。今はむしろ、いかにして良い演奏に巡り会い、感動するかである。スピーカーから出てくる音が問題なのではなく、演奏が問題となる。考えてみれば、当然と言えば当然のことだ。だから、音について分析的に書くことは、もはや意味を感じられなくなってしまった。
もちろん、すべて完璧な音になった訳ではない。エージングが不足している状態では、故障かと思うくらい、高音域で歪むことがあった。ソプラノなど聞いていられない。オーケストラを聞いていても、どこかざらついていて落ち着いて聞けなかった。絹のような滑らかさではなく、どこかわずかにささくれ立っていた。それが気になってしまい、欲求不満が高まったりした。一瞬、これは失敗かとも思った。
ところが、エージングが進むと、ソプラノが俄然滑らかになって来て、歪み感がだいぶとれてきた。もちろん、今日の状態でもまだ完全とは言えないが、それでも今後もっと良くなるだろうという期待をもっている。
本当に短期間で、よくもここまで来たものだ。
アナログの音、デジタルの音 ― 2005年11月06日 14時29分40秒
一頃、アナログとデジタルの音の違いについて論争されていた時期があった。今もどこかで、「アナログ対デジタル」のような二者の対立としてとらえられている部分があるかもしれない。アナログ派からしぶしぶながらデジタルに転じた者として、この点について少々感想を述べてみたい。もちろん、たかだかアナログレコードとCDレコードの再生について少しばかり首を突っ込んだという経験から言うことなので、それなりの限界があることを承知しているつもりだ。
まず最初に言えることは、当初言われていたほどには、アナログとデジタルの違いは大きくないという印象である。デジタル派言うように、アナログは時代遅れでもなんでもない。また、アナログ派言うように、デジタルは音楽を破壊しているとも思わない。どちらも突き詰めていくと、区別がつかないくらい同じではないかと思っている。
では、全く同じかと言うとそうも言い切れない。同じ演奏をアナログレコードで聞くのと、CDレコードで聞くのとでは驚くほど印象が異なるのだ。これが同じ演奏なのかと疑うほどだ。もちろんそれは、基礎技術の違いによるものというよりも、少なくとも再生側の未熟さの故にいろいろなカラーレーションが影響していることは言える。その原因については、まだはっきりとしたことは言えない。
この点について突き詰めていくと、どのような切り口から言えばいいのか迷ってしまう。アナログ全般/デジタル全般という対比がいいのか、もっと詳細にAAA/DDDの対比も考慮されるべきなのかもしれない。明らかに音の差を感じるからである。DDD/ADD/AADも違う。いろいろな要素が絡み合っている。
この点については、もう少し何かが見えて来たらいつかもう一度書いてみたいと思う。
まず最初に言えることは、当初言われていたほどには、アナログとデジタルの違いは大きくないという印象である。デジタル派言うように、アナログは時代遅れでもなんでもない。また、アナログ派言うように、デジタルは音楽を破壊しているとも思わない。どちらも突き詰めていくと、区別がつかないくらい同じではないかと思っている。
では、全く同じかと言うとそうも言い切れない。同じ演奏をアナログレコードで聞くのと、CDレコードで聞くのとでは驚くほど印象が異なるのだ。これが同じ演奏なのかと疑うほどだ。もちろんそれは、基礎技術の違いによるものというよりも、少なくとも再生側の未熟さの故にいろいろなカラーレーションが影響していることは言える。その原因については、まだはっきりとしたことは言えない。
この点について突き詰めていくと、どのような切り口から言えばいいのか迷ってしまう。アナログ全般/デジタル全般という対比がいいのか、もっと詳細にAAA/DDDの対比も考慮されるべきなのかもしれない。明らかに音の差を感じるからである。DDD/ADD/AADも違う。いろいろな要素が絡み合っている。
この点については、もう少し何かが見えて来たらいつかもう一度書いてみたいと思う。
歪んでいる ― 2005年11月07日 09時58分08秒
ここまで大満足しているかのように書いて来たが、実はずっと引っかかっていることがあった。高音域で歪みがはっきりと聞き取れるのだ。しかしそれがいつもということではない。オーケストラを聴いていれば気にならない時もある。キース・ジャレットのピアノを聞いていても気にならない。しかし、オペラでソプラノとかテノールを聞いていると常に歪む。もう聞いていられない。いつかは改善されるのではないかと淡い期待を持って来たが、これは明らかにどこかがおかしいとあきらめざるを得なくなって来た。
2パラの時にはどうだったろうか。あの時は、ローパスフィルターさえ入れていなかったので、それで歪みを感知することはあったが、ここまでひどくなかったと思う。いくつかの仮説を立ててみるとこうなる。
(1)後から追加したDACの異常or誤配線
(2)改造途中で4個のDACが故障した
(3)I/Vコンバータがおかしい
(4)リクロックした後、DACに信号を送るあたりで波形の異常がある
(5)何かの思い違いがある
と、いろいろ考えたが、(4)(5)については手がつけられない。とりあえず、最も可能性があって手のつけられるものは(1)からであろう。少なくとも、DACに異常があるかどうかの確認したいのだが一筋縄では行かない。アマチュアでは限界がある。
さて、どうするか考え込んでしまった。
2パラの時にはどうだったろうか。あの時は、ローパスフィルターさえ入れていなかったので、それで歪みを感知することはあったが、ここまでひどくなかったと思う。いくつかの仮説を立ててみるとこうなる。
(1)後から追加したDACの異常or誤配線
(2)改造途中で4個のDACが故障した
(3)I/Vコンバータがおかしい
(4)リクロックした後、DACに信号を送るあたりで波形の異常がある
(5)何かの思い違いがある
と、いろいろ考えたが、(4)(5)については手がつけられない。とりあえず、最も可能性があって手のつけられるものは(1)からであろう。少なくとも、DACに異常があるかどうかの確認したいのだが一筋縄では行かない。アマチュアでは限界がある。
さて、どうするか考え込んでしまった。
対策 ― 2005年11月07日 14時33分46秒
高音域で歪む現象に対して対策を試みた。こういう場合、原則に従って、まず正常に働いていた時の状態に戻してみることにする。
(1)2パラ状態(これまで使っていたDACを使用)
音を出してみた。歪まない。少し安堵した。
(2)2パラ状態(今回追加したDACを使用)
音を出してみた。歪まない。もっと安堵した。こちらは双信の混成V2A,M2AをDEMに使っているが、音を聞く限りASCとの違いは感じられなかった。ただしほんの数分しか聞いていない評価だが。
ここで、結論が見え初めて来る。DAC本体は異常がないことは確認できた。このとき、単純にDAC出力をはずしただけで、他の配線はそのままにして2パラ状態を実現した。ということは、電源の配線とか、デジタルデータの配線が原因ではない。出力合成の仕方が問題だったと考えざるを得ない。
今までどのように出力をつないでいたのか。実は、もしものことを考えて、旧2パラDACと新2パラDACとを簡単に分離できるように、新旧基板からの出力をうねうねと延ばしたところにあるピンジャック端子で接続していた。配線の長さを測ってみたら、22cmはあった。単純に電流を合成するのだから問題がないだろうと考えたのだ。どうもこの接続の仕方が怪しいのではないか。
ということで、最短距離でDAC出力を結ぶことにした。今度は2cmに短縮された。そこから1本の線で出力端子に配線するようにした。
結果は。。大正解。うそのように歪みがなくなった。全くなくなったかどうかは、これから聞き込まなければならないが、少なくともソプラノのアリアで歪みっぱなしということはなくなった。
ここで、また新たなノウハウを発見した。というか、私が知らなかっただけかもしれないが。鉄則「パラ接続するDACどうしは最短で結ぶべし」もし、パラ接続で同じような現象に出会ったら、是非試していただきたい。
しかし不思議なのは、どこを見ても、製作記の中にこのような注意事項が出ていないことである。他の方々の製作記をネットで拝見させていただいているが、結構DAC基板が離れているものも、見受けられる。きちんと動作しているのだろうか。
最も私の場合が特殊なのかもしれない。DACからI/Vコンバータまで、モガミ2497で1mは離れている。こういうことも影響しているのかもしれない。このような特殊事情を考慮していただければ幸いである。
最後の確認に出力波形を観測した。MJテクニカルディスクのNo49トラックを用いて、周波数をスイープさせる。このとき、I/Vコンバータの出力を見た。
同じことを対策前にもしていたので、記憶をたよりに比較してみると。。あきらかに高音域の波形が異なる。対策前は、汚いスパイクが見えたし、波形が安定せず、すさまじく変動していた。それに比較して、対策後は非常にきれいに見える。もちろん、高い周波数になると、もはや正弦波とは呼べない波形であることはもちろんだが、形が安定し、スパイクも見えない。こんなに違うのかと驚いた。高い周波数になると、数cmの長さでも電流合成に大きな影響を与えるようだ。DACの世界は本当に奥が深い。
さて、次の課題はノイズ対策である。これも頭が痛くなりそうだ。
(1)2パラ状態(これまで使っていたDACを使用)
音を出してみた。歪まない。少し安堵した。
(2)2パラ状態(今回追加したDACを使用)
音を出してみた。歪まない。もっと安堵した。こちらは双信の混成V2A,M2AをDEMに使っているが、音を聞く限りASCとの違いは感じられなかった。ただしほんの数分しか聞いていない評価だが。
ここで、結論が見え初めて来る。DAC本体は異常がないことは確認できた。このとき、単純にDAC出力をはずしただけで、他の配線はそのままにして2パラ状態を実現した。ということは、電源の配線とか、デジタルデータの配線が原因ではない。出力合成の仕方が問題だったと考えざるを得ない。
今までどのように出力をつないでいたのか。実は、もしものことを考えて、旧2パラDACと新2パラDACとを簡単に分離できるように、新旧基板からの出力をうねうねと延ばしたところにあるピンジャック端子で接続していた。配線の長さを測ってみたら、22cmはあった。単純に電流を合成するのだから問題がないだろうと考えたのだ。どうもこの接続の仕方が怪しいのではないか。
ということで、最短距離でDAC出力を結ぶことにした。今度は2cmに短縮された。そこから1本の線で出力端子に配線するようにした。
結果は。。大正解。うそのように歪みがなくなった。全くなくなったかどうかは、これから聞き込まなければならないが、少なくともソプラノのアリアで歪みっぱなしということはなくなった。
ここで、また新たなノウハウを発見した。というか、私が知らなかっただけかもしれないが。鉄則「パラ接続するDACどうしは最短で結ぶべし」もし、パラ接続で同じような現象に出会ったら、是非試していただきたい。
しかし不思議なのは、どこを見ても、製作記の中にこのような注意事項が出ていないことである。他の方々の製作記をネットで拝見させていただいているが、結構DAC基板が離れているものも、見受けられる。きちんと動作しているのだろうか。
最も私の場合が特殊なのかもしれない。DACからI/Vコンバータまで、モガミ2497で1mは離れている。こういうことも影響しているのかもしれない。このような特殊事情を考慮していただければ幸いである。
最後の確認に出力波形を観測した。MJテクニカルディスクのNo49トラックを用いて、周波数をスイープさせる。このとき、I/Vコンバータの出力を見た。
同じことを対策前にもしていたので、記憶をたよりに比較してみると。。あきらかに高音域の波形が異なる。対策前は、汚いスパイクが見えたし、波形が安定せず、すさまじく変動していた。それに比較して、対策後は非常にきれいに見える。もちろん、高い周波数になると、もはや正弦波とは呼べない波形であることはもちろんだが、形が安定し、スパイクも見えない。こんなに違うのかと驚いた。高い周波数になると、数cmの長さでも電流合成に大きな影響を与えるようだ。DACの世界は本当に奥が深い。
さて、次の課題はノイズ対策である。これも頭が痛くなりそうだ。
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