ノイズの原因(1) ― 2005年11月09日 18時48分00秒
左チャンネルからのノイズは、かなり耳障りである。ノイズ音はかなり広い周波数対に分布しているように聞こえる。
ノイズの原因としてまず疑われるのは二つある。
(1)LCフィルターのコイルがノイズをひろっている
(2)フラットアンプ初段のWE420Aが劣化している
まず(1)から検討した。現状では、ノイズが多い方の左チャンネルのコイルの巻き軸が垂直方向になっていて、ちょうど真下にツェナーやトラが配置されている。そこで、コイルの軸を起こして水平方向にしてみた。
結果。。変わらず。これではなかった。
次に(2)を検討した。左右の420Aを入れ換えた。オフセットは半固定VRでは取りきれなくなる。オシロでノイズレベルを見ると結果は。。変わらず。これでもなかった。もし420Aが原因だったら出費が痛いと思っていたので、少し安心した。
ということは、いったい何が原因なのだろうか。ノイズレベルが極端に左右が違うので、初段付近にある部品が原因であろうと絞り込み出来る。真空管でないとすれば残るのは、定電流トラとツェナーあたりである。ということは、原因を絞り込むのがちょっと厄介だ。
ノイズの原因としてまず疑われるのは二つある。
(1)LCフィルターのコイルがノイズをひろっている
(2)フラットアンプ初段のWE420Aが劣化している
まず(1)から検討した。現状では、ノイズが多い方の左チャンネルのコイルの巻き軸が垂直方向になっていて、ちょうど真下にツェナーやトラが配置されている。そこで、コイルの軸を起こして水平方向にしてみた。
結果。。変わらず。これではなかった。
次に(2)を検討した。左右の420Aを入れ換えた。オフセットは半固定VRでは取りきれなくなる。オシロでノイズレベルを見ると結果は。。変わらず。これでもなかった。もし420Aが原因だったら出費が痛いと思っていたので、少し安心した。
ということは、いったい何が原因なのだろうか。ノイズレベルが極端に左右が違うので、初段付近にある部品が原因であろうと絞り込み出来る。真空管でないとすれば残るのは、定電流トラとツェナーあたりである。ということは、原因を絞り込むのがちょっと厄介だ。
ノイズの原因(2) ― 2005年11月10日 17時07分36秒
I/Vコンバータに使われている2SA1967のコレクター電圧波形をオシロで見てみた。明らかに右に比べて左チャンネル側のノイズが多い。それも差動で二つあるトラの両方ともである。ということは、WE420Aが問題ないということなので、ますます定電流回路が怪しくなった。
ところが、定電流回路にすぐに手を付けられない状態に今はなっている。というのは、そのすぐ上にLCフィルターの基板がどっかり載っており、なおかつ接着剤で定電流トラと基板がくっついてしまっているからである。以前、トラをダンプするために鉛を接着剤でくっつけた時、誤ってこんなふうになってしまった。
やっぱり根本的に手を入れなければならなくなって来た。この際、定電流トラの音質にも手をつけてみたい。以前、定電流トラを指定の2SC1400からNECの2SC943に変えてそのままにしてある。あの時の状態で好結果を得たからである。しかし、ここまでDACが進化して来たので、2SC1400に戻してどのように変化するのか試してみたいと考えている。
ところが、定電流回路にすぐに手を付けられない状態に今はなっている。というのは、そのすぐ上にLCフィルターの基板がどっかり載っており、なおかつ接着剤で定電流トラと基板がくっついてしまっているからである。以前、トラをダンプするために鉛を接着剤でくっつけた時、誤ってこんなふうになってしまった。
やっぱり根本的に手を入れなければならなくなって来た。この際、定電流トラの音質にも手をつけてみたい。以前、定電流トラを指定の2SC1400からNECの2SC943に変えてそのままにしてある。あの時の状態で好結果を得たからである。しかし、ここまでDACが進化して来たので、2SC1400に戻してどのように変化するのか試してみたいと考えている。
I/Vコンバータ改造 ― 2005年11月14日 09時27分13秒
また改造を始めた(笑)。愛着のあったアナログ用イコラーザーアンプをデジタル専用I/Vコンバータにすることにした。
ペンチでばちばちと配線を切り、EQ基板を取り出したときには、何か一つの時代が終わったような気がして来た。もう二度とアナログに戻ることはないのだろうか。いや、EQ基板は大事に保管し、いつかまた活躍してもらいたいと願う。
この改造の目的は、ノイズ対策に主眼が置かれているが、ついでにいくつかのことに手を入れたいとも思っている。
(1)定電流トラを2SC1400に戻す
(2)定電流部の電源は電池にしていたが、音の点では満足できても使い勝手は最低だった。ここを改良する
(3)LCフィルターをまともな基板の上にのせ、できればシールドもしたい
(4)右チャンネルのWE420Aがオフセットを取りきれなかったので、抵抗を挿入して調整する
(5)家族にも受け入れられるように見栄えを整える(これも大事なことです)
さて、どのような結果になるのか。
初段定電流回路のマイナス電源をどうしようか。-125Vにレギュレータを入れて供給しようかとも考えた。でも、そこまでやるかどうか、少し悩んでいる。
ペンチでばちばちと配線を切り、EQ基板を取り出したときには、何か一つの時代が終わったような気がして来た。もう二度とアナログに戻ることはないのだろうか。いや、EQ基板は大事に保管し、いつかまた活躍してもらいたいと願う。
この改造の目的は、ノイズ対策に主眼が置かれているが、ついでにいくつかのことに手を入れたいとも思っている。
(1)定電流トラを2SC1400に戻す
(2)定電流部の電源は電池にしていたが、音の点では満足できても使い勝手は最低だった。ここを改良する
(3)LCフィルターをまともな基板の上にのせ、できればシールドもしたい
(4)右チャンネルのWE420Aがオフセットを取りきれなかったので、抵抗を挿入して調整する
(5)家族にも受け入れられるように見栄えを整える(これも大事なことです)
さて、どのような結果になるのか。
初段定電流回路のマイナス電源をどうしようか。-125Vにレギュレータを入れて供給しようかとも考えた。でも、そこまでやるかどうか、少し悩んでいる。
I/Vコンバータ改造ほぼ終了 ― 2005年11月16日 08時29分51秒
当初の目標であった初段定電流トラを2SC1400に戻すことと、電池を取り払って、-125V電源から供給する変更を施した。2SC1400の耐圧は規格表によると100Vなので、そのまま接続するのは気が重い。そこで簡易な抵抗とツェナーによるパラレルレギュレータを入れることにした。これで-32Vにおさえられた。
LCフィルターも基板に整然と配置され気持ちがよい。ケースの中をのぞくと、非常にすっきりとしたものになった。
さてその結果は。。
まずノイズ。スイッチを入れてしばらくしてからスピカーに耳を近づける。残念。まだノイズが多い。ということは原因はツェナーとほぼ断定される。オシロでツェナーの波形を見ると、輝線がぼやけるのがわかる。正常な方は、ほとんど輝線の幅は変わらない。ツェナーの交換を後ほどすることにする。
で、音はどうなったか。
音が出た瞬間、前の音とは全く異なっていることに気がつく。高音域のエネルギーが不足しがちだった以前の音に比べると、かなり前に出て来ている。顕著にわかるのは、オペラなどの声楽である。以前は、台詞と言うか歌詞が聞き取りにくかったのが、今度は明瞭に聞こえてくる。耳が遠くなったせいだろうかと考え込んでいたが、定電流トラの音であったことに気がついた。実は、そろそろチャンネルデバイダの減衰量を変更して、1dB程度高音側を上げないとと思っていたので、この点でも一安心である。
ヴァイオリンも、変なところで詰まっていないで、高い領域まで自然に延びている。これは明らかに2SC1400の音である。音楽を聞いていて楽しくなるし、熱くなれる。金田氏が銘器と主張するのがよくわかる。これまで使っていた2SC943は、使っていた時は良い音だと思っていたが、2SC1400と大差がついて使えないことがわかった。2SC1400の音は、アナログ時代に親しんでいたあの懐かしい音がする。聞いていて安心して聞ける。もちろん固有の音があることは認めるが、ここまで演奏者の思いを伝えてくれるトラはそうざらにはないだろう。
今はまだエージングが進んでいないのでやや刺さるような音がするが、今後どこまで変化していくか楽しみだ。
LCフィルターも基板に整然と配置され気持ちがよい。ケースの中をのぞくと、非常にすっきりとしたものになった。
さてその結果は。。
まずノイズ。スイッチを入れてしばらくしてからスピカーに耳を近づける。残念。まだノイズが多い。ということは原因はツェナーとほぼ断定される。オシロでツェナーの波形を見ると、輝線がぼやけるのがわかる。正常な方は、ほとんど輝線の幅は変わらない。ツェナーの交換を後ほどすることにする。
で、音はどうなったか。
音が出た瞬間、前の音とは全く異なっていることに気がつく。高音域のエネルギーが不足しがちだった以前の音に比べると、かなり前に出て来ている。顕著にわかるのは、オペラなどの声楽である。以前は、台詞と言うか歌詞が聞き取りにくかったのが、今度は明瞭に聞こえてくる。耳が遠くなったせいだろうかと考え込んでいたが、定電流トラの音であったことに気がついた。実は、そろそろチャンネルデバイダの減衰量を変更して、1dB程度高音側を上げないとと思っていたので、この点でも一安心である。
ヴァイオリンも、変なところで詰まっていないで、高い領域まで自然に延びている。これは明らかに2SC1400の音である。音楽を聞いていて楽しくなるし、熱くなれる。金田氏が銘器と主張するのがよくわかる。これまで使っていた2SC943は、使っていた時は良い音だと思っていたが、2SC1400と大差がついて使えないことがわかった。2SC1400の音は、アナログ時代に親しんでいたあの懐かしい音がする。聞いていて安心して聞ける。もちろん固有の音があることは認めるが、ここまで演奏者の思いを伝えてくれるトラはそうざらにはないだろう。
今はまだエージングが進んでいないのでやや刺さるような音がするが、今後どこまで変化していくか楽しみだ。
今日の音 ― 2005年11月17日 12時52分57秒
改造から一日経過して、今日の音はどうなったのだろうか。バッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043」を聞いてみた。ヴァイオリンは、アイザック・スターンとパールマン、指揮はズービン・メータ。いつも聞き慣れているCDだ。
二人のヴァイオリンの音に耳が釘付けになる。今まで出ていなかった音が聞こえる。これこそがヴァイオリンの音。これ以外に形容する言葉が思いつかない。ただ鳴っているのではない。そこで生身の人間が演奏している気配と熱気、あるいは殺気まで聞こえる。音のもつ恐ろしささえ感じる。
何か大きな壁を一つ乗り越えて今まで聞くことの出来なかったオーディオの領域に踏み出したような気がする。それほど、以前の音とは決定的に異なる。
続いてキース・ジャレットの「パリコンサート」を聞いた。今まであまり好きではないCDだった。しかし今日は違った。ピアノの音を通して「恐怖」のようなものが表現されていることに気がつき、驚いた。キースが何を意図し、何を表現したいのか、ひしひしと伝わってくる。凡人には表現し得ない世界がそこにある。
今回の改造が、これほど音質に影響を与えるとは全く予想していなかった。水に例えれば、オーディオシステムが徐々に透明になってきているとも言える。不純物が取り除かれるので、向こう側にある景色がそのまま見えるようになってくる。一方、まだ不純物が残っていることもわかる。むしろ、残っている不純物が以前にも増して気になってしょうがないくらいだ。ますます妥協を許さなくなってきている。以前のアナログ時代の音を超えたことを認めざるを得ない。
今見えている課題は、(1)左チャンネルのノイズと(2)右チャンネルオンケンOS-500MTドライバーの歪みだ。ドライバーの歪みは原因が分かっている。おそらく経年変化で、ボイスコイルが中心からずれているのが原因だ。いろいろ調整しているのだが、職人技であることを痛感している。
二人のヴァイオリンの音に耳が釘付けになる。今まで出ていなかった音が聞こえる。これこそがヴァイオリンの音。これ以外に形容する言葉が思いつかない。ただ鳴っているのではない。そこで生身の人間が演奏している気配と熱気、あるいは殺気まで聞こえる。音のもつ恐ろしささえ感じる。
何か大きな壁を一つ乗り越えて今まで聞くことの出来なかったオーディオの領域に踏み出したような気がする。それほど、以前の音とは決定的に異なる。
続いてキース・ジャレットの「パリコンサート」を聞いた。今まであまり好きではないCDだった。しかし今日は違った。ピアノの音を通して「恐怖」のようなものが表現されていることに気がつき、驚いた。キースが何を意図し、何を表現したいのか、ひしひしと伝わってくる。凡人には表現し得ない世界がそこにある。
今回の改造が、これほど音質に影響を与えるとは全く予想していなかった。水に例えれば、オーディオシステムが徐々に透明になってきているとも言える。不純物が取り除かれるので、向こう側にある景色がそのまま見えるようになってくる。一方、まだ不純物が残っていることもわかる。むしろ、残っている不純物が以前にも増して気になってしょうがないくらいだ。ますます妥協を許さなくなってきている。以前のアナログ時代の音を超えたことを認めざるを得ない。
今見えている課題は、(1)左チャンネルのノイズと(2)右チャンネルオンケンOS-500MTドライバーの歪みだ。ドライバーの歪みは原因が分かっている。おそらく経年変化で、ボイスコイルが中心からずれているのが原因だ。いろいろ調整しているのだが、職人技であることを痛感している。
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