+15V安定化電源 ― 2005年11月01日 08時23分22秒
これまで、DAC出力につないでいる定電流回路(2SK117)は、非安定化電源をそのままつないでいた。別府式はそうなっている。4パラDACにしてからここのバイパスコンデンサとして耐圧16VのOSコンを入れていた。手持ちがたまたまこれしかなかったので、こうなった。ところが、非安定化電源の電圧は18Vを指している。なんと、耐圧オーバーのまま動作させていた。オープンモードで破壊されるのならいいが、OSコンはショートモードで破壊する可能性がある。これでは聞いていても落ち着かない。
そこで、ここに金田式のレギュレータを入れることにした。回路はオリジナルのまま。ただし、2SA566はとっくの昔に使い切ったので、なるべく高周波領域まで使えて、Cobが小さいトラを捜して、結局いにしえの東芝2SA969を起用することにした。音の違いはわからない。遥か昔に、金田式アンプのレギュレータ回路で指定されたトラだと記憶している。ちなみに、fab=100MHz, Cob=30pFでなかなか優秀である。レギュレータ出力は15.6Vとなった。これなら耐圧を心配することはない。OSコンのマニュアルによると、耐圧ぎりぎりまで電圧をかけてもかまわないと書かれていたような気がする。メーカーならば、こんなときレーティングを考えて、もっと余裕を持った使い方をするのだろうが。
出て来た音はどうか。エージングが出来ていないので、音が引っ込むし、腰高になるし、音が割れるし、と昨日はさんざんな結果だった。たかだか定電流回路に手を入れただけでも、これだけ音に影響があるのかと驚いてしまった。手を入れるたびにこんな調子では、もう当分改造はしたくない。いつも何も心配せずに、きちんと良い音が出てくることがどれだけうれしいことか、身に染みてくる。
そこで、ここに金田式のレギュレータを入れることにした。回路はオリジナルのまま。ただし、2SA566はとっくの昔に使い切ったので、なるべく高周波領域まで使えて、Cobが小さいトラを捜して、結局いにしえの東芝2SA969を起用することにした。音の違いはわからない。遥か昔に、金田式アンプのレギュレータ回路で指定されたトラだと記憶している。ちなみに、fab=100MHz, Cob=30pFでなかなか優秀である。レギュレータ出力は15.6Vとなった。これなら耐圧を心配することはない。OSコンのマニュアルによると、耐圧ぎりぎりまで電圧をかけてもかまわないと書かれていたような気がする。メーカーならば、こんなときレーティングを考えて、もっと余裕を持った使い方をするのだろうが。
出て来た音はどうか。エージングが出来ていないので、音が引っ込むし、腰高になるし、音が割れるし、と昨日はさんざんな結果だった。たかだか定電流回路に手を入れただけでも、これだけ音に影響があるのかと驚いてしまった。手を入れるたびにこんな調子では、もう当分改造はしたくない。いつも何も心配せずに、きちんと良い音が出てくることがどれだけうれしいことか、身に染みてくる。
発振している! ― 2005年11月02日 08時46分34秒
意気揚々と+15Vレギュレータを入れて稼働し始めたのはいいが、ふとDACユニットに耳を近づけたら「ジー」という音がするのに気がついた。もちろん以前はそんな音はしなかった。顔が青ざめる。早速オシロをつないで各レギュレータの出力波形を観測した。案の定、発振している。非常に汚い振動が観測された。まいった。音が悪くなるのは当たり前だ。なんとかしなければ。また苦闘が始まった。元凶はどうも+5Vレギュレータのようだ。なぜ発振し始めたのか考える。頭の中がぐるぐる回り始めている。
発振対策記 ― 2005年11月03日 10時39分25秒
前の記事で「怪しいのは+5Vレギュレータ」と書いたが、調べていくと実は-5Vレギュレータが原因であることがわかった。もともと問題が潜在していて、新たに+15Vレギュレータを追加して問題が発覚したというのが実態のようである。
では、根本原因はなんだったのだろうか。
問題が起こったときの基本原則のひとつは、「最初に戻れ」ということだろう。ということで、回路図をじっと眺めた。実際に組み立てたものと、金田氏発表の回路とどこが違うか。対策していった順番に書いていこう。一筋縄では行かなかったのだ。
(1)位相補正コンデンサの追加
よーく見ると2pFの位相補正(多分)コンデンサをつけ忘れていた。+5Vレギュレータにはこのコンデンサはついていない。おそらく金田氏も発振対策としてこのコンデンサを使いしたものと推測される。早速手持ちのSEコンを追加してみた。結果は、最初発振が収まったかに見えたが、時間が経過したらやっぱり現象が再現されてしまった。
(2)入力電圧の調整
-5Vレギュレータの負荷はかなり重いらしく、推測では200mAを軽く超えていると思われる。TDA1541Aのデータシートにによれば、一個あたり45mAを消費すると書かれている。+5Vと同じ消費量だ。しかし実際には、+5V側よりも消費量が多いらしく、2SC1161が手でさわれないほど発熱する。+側はそれほどでもない。レギュレータの入力電圧が8.5Vだから、少なくとも700mWのPcとなり、2SC1161の限界に近い。放熱器が必要となる大きさだろう。当然、hfeも低下することが予想される。そこで、トランスに110V端子があるので、AC100Vをこの端子につなぎ、レギュレータの入力電圧を7.5Vに落とした。
結果は。。即、発振した。むしろ問題が鮮明になったという印象だ。ということは、どうもこの辺りが怪しいにおいがして来た。
(3)2.2μFコンデンサの追加
もう一度オリジナルに戻って考えた。どこが違うか。まだあった。レギュレータの入力コンデンサには0.47μFが指定されている。しかし実機では手持ちの関係で0.1μFが使われていた。入力電源のインピーダンスが影響しているのであれば、0.1μFでは小さ過ぎるのかもしれない。そこで、これも手持ちの2.2μFタンタルコンデンサ(BP)を追加した。
結果は。。今度は、安定になった。オシロで観測すると、以前に比べておそろしく出力波形がきれいになっている。もちろん、高周波領域で数mVの変動はあるが、それは問題ない。実は、以前から発振していた可能性が高く、オシロで見た時はそれが正常なのだと勘違いしていたのかもしれないこうなると、音がどのように変化するか楽しみだ。
いろいろなことを試みて来た結果、いくつかの課題も見えて来た。±5Vレギュレータにかけている電源のリップルがどうも大きすぎる。レギュレータでは取りきれないで、リップルが出力にわずかながら観測される。レギュレータが悪いのではなく、平滑コンデンサが小さすぎるのだ。確か2000μF程度だったと思う。スリーブを取ってしまったので、正確な値はわからない。消費電流が大きいので、間に合わないらしい。
ということで、次の課題は平滑コンデンサの大容量化である。以前オークションで購入したブロックコンデンサがある。33000μF。これなら十分だろう。それも特殊用途に作られたらしく、電解コンデンサなのに四端子になっている。これに入れ換える予定だ。しかし、ここでも問題になるのがスペースがないということ。どうやって実装するか、またまたバラック配線になってしまいそうだ。
では、根本原因はなんだったのだろうか。
問題が起こったときの基本原則のひとつは、「最初に戻れ」ということだろう。ということで、回路図をじっと眺めた。実際に組み立てたものと、金田氏発表の回路とどこが違うか。対策していった順番に書いていこう。一筋縄では行かなかったのだ。
(1)位相補正コンデンサの追加
よーく見ると2pFの位相補正(多分)コンデンサをつけ忘れていた。+5Vレギュレータにはこのコンデンサはついていない。おそらく金田氏も発振対策としてこのコンデンサを使いしたものと推測される。早速手持ちのSEコンを追加してみた。結果は、最初発振が収まったかに見えたが、時間が経過したらやっぱり現象が再現されてしまった。
(2)入力電圧の調整
-5Vレギュレータの負荷はかなり重いらしく、推測では200mAを軽く超えていると思われる。TDA1541Aのデータシートにによれば、一個あたり45mAを消費すると書かれている。+5Vと同じ消費量だ。しかし実際には、+5V側よりも消費量が多いらしく、2SC1161が手でさわれないほど発熱する。+側はそれほどでもない。レギュレータの入力電圧が8.5Vだから、少なくとも700mWのPcとなり、2SC1161の限界に近い。放熱器が必要となる大きさだろう。当然、hfeも低下することが予想される。そこで、トランスに110V端子があるので、AC100Vをこの端子につなぎ、レギュレータの入力電圧を7.5Vに落とした。
結果は。。即、発振した。むしろ問題が鮮明になったという印象だ。ということは、どうもこの辺りが怪しいにおいがして来た。
(3)2.2μFコンデンサの追加
もう一度オリジナルに戻って考えた。どこが違うか。まだあった。レギュレータの入力コンデンサには0.47μFが指定されている。しかし実機では手持ちの関係で0.1μFが使われていた。入力電源のインピーダンスが影響しているのであれば、0.1μFでは小さ過ぎるのかもしれない。そこで、これも手持ちの2.2μFタンタルコンデンサ(BP)を追加した。
結果は。。今度は、安定になった。オシロで観測すると、以前に比べておそろしく出力波形がきれいになっている。もちろん、高周波領域で数mVの変動はあるが、それは問題ない。実は、以前から発振していた可能性が高く、オシロで見た時はそれが正常なのだと勘違いしていたのかもしれないこうなると、音がどのように変化するか楽しみだ。
いろいろなことを試みて来た結果、いくつかの課題も見えて来た。±5Vレギュレータにかけている電源のリップルがどうも大きすぎる。レギュレータでは取りきれないで、リップルが出力にわずかながら観測される。レギュレータが悪いのではなく、平滑コンデンサが小さすぎるのだ。確か2000μF程度だったと思う。スリーブを取ってしまったので、正確な値はわからない。消費電流が大きいので、間に合わないらしい。
ということで、次の課題は平滑コンデンサの大容量化である。以前オークションで購入したブロックコンデンサがある。33000μF。これなら十分だろう。それも特殊用途に作られたらしく、電解コンデンサなのに四端子になっている。これに入れ換える予定だ。しかし、ここでも問題になるのがスペースがないということ。どうやって実装するか、またまたバラック配線になってしまいそうだ。
クロック発振用レギュレータ(1) ― 2005年11月03日 16時39分31秒

クロック発振回路に接続されている+5Vレギュレータの入力と出力の波形を観測してみた。まず入力側の波形をご覧いただきたい。縦軸100mV/div 横軸1μSecの解像度である。およそ250mVp-pであることがわかる。
クロック発振用レギュレータ(2) ― 2005年11月03日 16時45分54秒

次に発振回路用+5Vレギュレータの出力波形である。縦軸10mV/div、横軸1μSecの解像度で示す。およそ40mVp-pであることがわかる。周波数が約500KHzのサイン波である。レギュレータを通しても、入力に比較しておよそ1/6程度にしか減っていない。これはなんとかしたいところだ。
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