300Bシングルアンプの製作2021年11月01日 15時30分21秒

前回の記事を書いてからしばらく空白ができてしまった。
今なら新型コロナに感染したのかと思われてもおかしくないが、そういうことはなく、8月に30℃越えの日が3週間も続いたのがきっかけで、その後なんとなく書く気力が起きず、ずるずると時が過ぎ、とうとう秋も終わりかけである。

この間、何もしなかったわけではなく、オーディオ関係ではいくつか進展があった。大きくは二つあって、一つは前回から続いているGaN単段アンプの続き。もう一つは、5年越しの念願であった300Bシングルアンプが完成したこと。
今回は、300Bシングルアンプを紹介してみよう。まずはできあがった姿から。
シャーシは合板を切り出したブレッド・ボード(まな板)である。これまで散々GaN単段アンプの実験に使ったもので、新たに真空管ソケットと入出力端子の穴を開けた。アルミシャーシと違ってすこぶる加工が容易で、実験にはもってこいである。
真空管は初段がTESLA E88CC 金足、終段がPX300B。ふつう、6DJ8/E88CCなどの三極管の一段では満足のいくゲインは得られないはず。いったいどうしたのか、その話は後で。
二枚目の写真は、試作段階のものなので初段の真空管がMullardになっている。

そして内部の様子。
左側にGaN素子が見える。いったいどんなふうに使ったのかといぶかしく思う向きもあるだろう。電源部はDynaco MK3をそのまま流用している。おいおい、詳細を記していく。

300Bシングルアンプ 回路図篇2021年11月01日 16時41分47秒

なにはともあれ回路図である。まず増幅部から。
続いて電源部。前回も記したとおり、B電源はDynaco MK3を流用し、300Bのフィラメント用には電源トランスを増設して対応した。
この回路の特徴は次の通り。

(1)300Bは自己バイアス動作とした。300Bのカソード抵抗は1KΩとし、WEの板抵抗を使った。
(2)300Bはパラフィード(クラーフ結合)とし、出力トランスには直流電流を流していない。
(3)初段は6DJ8/E88CCを起用し、バランス入力対応とした。
(4)初段はカスコード接続とし、高インピーダンスで出力させる。
(5)平衡→不平衡変換には、カレントミラー合成を使う。
(6)終段にはP-G帰還(帰還抵抗200KΩ)をかけて、高インピーダンスで出力される初段の信号を受け取る。

このアイデアはGaN単段アンプを構想していたときに考えついたもので、素晴らしい発見だと自画自賛していたが、調べてみるとすでにラジオ技術2002年3月号で金指長生氏が「高利得2A3ppアンプの製作」で発表されていた。氏はその後も同誌2014年6月号で「KT-66ppアンプの試作」を発表されている。

5年前、散々300Bアンプの構想をこねくり回していたとき、固定バイスでなければとか、いろいろこだわっていたが、結局アイデア倒れで終わった。できあがってみると実にシンプルで美しい(と思う)。出てきた音も期待以上である。今日から二階のサブシスムテムで活躍することになった。

なにごとも一発で完成することはない。試作段階で遭遇したトラブルなどは、またこの後で報告する。

息子帰ってくる2021年11月01日 17時49分11秒

北関東に住んでいる息子の顔を最後に見たのは、当の本人の結婚式があった2019年11月。その直後、ご存じのように世界中が新型コロナの感染で大騒ぎになり、移動も制限される事態に。お互いの顔を見るのはラインを通してだけ。仕方がないとは言え、妻は母親として大いに不満で、最近はまるで「岸壁の母」状態であった。

その息子、緊急事態宣言が解除され感染も落ち着いてきたので、この10月に休暇を取り実家に戻ってきた。本当ならお嫁さんと孫も一緒に来たかったのだが、お嫁さんが来月に出産を控えているので、それはあきらめた。

次回いつ会えるのか、一寸先はわからない時代である。記念写真を残しておく。