13D2 ラインアンプ 6922による定電流回路2014年05月03日 22時02分16秒

試しにFETによる定電流回路で聞いてみても、従来の回路に比べて大きな改善が見られた。そこで、次のステップとしてFETを真空管に置き換えることにした。

採用した真空管は、Amperexの6922/E88CC。昨年、縁あってK様よりお譲りいただいた貴重な真空管。同じ管種として手元にはMullard ECC88があるが、おそらくフェイクだろうと疑っている。それでもそこそこの音が出ていたので満足して使っていた。しかし、名球の周りには駄管を置くべからずとの鉄則に従い、今回Amperexを採用した。

案の定、定電流源でヒーター電圧の立ち上がりを観測してみると、駄管と名球とは全く違う。駄管はさっさと電圧が立ち上がっていき、おまけに定常状態になる電圧もばらばら。ところがAmperex管は堂々たるもので、ヒーター電圧は時間をかけてじわじわと立ち上がり、定常状態の電圧もピタリと一緒になる。K様からの情報によれば、WE412Aの場合であるが、立ち上がりが遅いものほど音も良いらしい。うーむ、真空管は奥が深い。

さて音の方だが、予想通りFETと違う。それも全くと言うくらい違う。FETはどこかに刺々しさが隠れていて、聴覚にわずかに引っかかりを感じる。ところがこれが真空管になると、まるで名水を味わうかのようにからだに染み渡っていく印象だ。音の姿形も陰影が深くなり、空間表現もおそろしく豊かだ。これまでいろいろなことを試してきたが、このような音は出せなかった。やっとここまで辿り着いた。

 きわめてシンプルでオーソドックス、おまけに古典的とも言える回路でこのような音が出るとは。いったいオーディオ技術の進歩とは何だろう。おもわず考え込んでしまった。

現時点ではまだエージングが始まったばかりなので、正確な評価はもう少し先になる。どんなふうに変化していくのか楽しみだ。

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