TDA1541A -15V電源をチョークインプットとする2011年07月25日 17時59分13秒

 ここ数週間、さんざん実験を繰り返してきた。チョークインプット型の電源回路は初めての経験で、とまどいが満載だった。

 まず一番困ったのは、シミュレーションでは、希望電圧が得られるはずなのに、実際に組み立てみると予想値と違う電圧が出てしまうこと。低すぎるのならまだ良いが、いきなり-16Vを超える電圧が出たときは真っ青になった。一瞬、DACチップが壊れたかと冷や汗を流したが、無事だった。これに懲りて、無帰還型のレギュレターを入れた。MOS-FETのIRF9610が手元に大量にあるので、これを使う。

 チョークトランスは当初、UTCのビンテージものでもと思ってeBayをウオッチしていたが、終了間際5秒前に高値をつけた方がいて、世界にはすごい技を使う人がいるものだと妙に感心してしまった。結局、最も安い普及品を購入。

 もう一つ驚いたことがあった。これまでショットキーバリアダイオードならどれでも音がよいに決まっていると思い込んでいた。今まで使っていたのは、FRH10A15。今回、ちょっと実験という軽い気持ちで、使わないでしまっていたKSH30A20Bと交換してみた。出てきた音を聞いて驚いた。これを聞いて初めて、今までの音が歪みっぽくてうるささがまとわりついていたことがわかってしまった。
 整流ダイオードでここまで音が変わるのか。今までいったい自分は何を聞いていたのだろうと、ちょっと落ち込んでしまった。

 こうなると理想は整流管なのだろうが、左右独立電源でチョークインプット型を優先するなら、整流管が2本必要になる。これはちょっと大げさすぎるので、今回は見送ることにした。
 マイク・エリオット氏の推奨はHEX FREDらしいので、いつかこれを使ってみたいものだと考えている。

 さて、そんなこんなでやっと今日、電源回路が完成した。ただ今エージング中。ハンダ付け直後の音ちょっと聞いてみたが、最初の出だしから今までの音と違うことがわかった。

 電電ユニットは横着してRコアトランスが入っていたダンボール箱を使って、その中に入れている。それなので空中配線の極みである。ショートを避けるために、プチプチを基盤の下に敷いているという、ある人から見たら目を覆いたくなるような光景だ。そのうち立派な木箱にでも入れてあげたいのだが。。