TF-3メモ その12011年08月04日 11時15分39秒

 TF-3 10KHz矩形波
 正接続状態

TF-3メモ その22011年08月04日 11時17分26秒

TF-3 10KHz矩形波
 逆接続状態

 正接続と比較すると、明らかに特性が異なることがわかる。これまで、無頓着に反転させて使っていた。反省しなければ。

TDA1541A -15V電源 その後2011年08月04日 11時19分39秒

 ニチコンのスーパースルーが届いたので早速インストールした。これまでのニコンNTと比べてどれだけ変化するか興味があった。

 エージングが進んでくると、高い方と低い方の周波数域にすっと延びていることがわかる。さすがである。癖がなく透明感が秀逸だ。しかしこれはNTと比べて初めて分かることであって、強いてスーパースルーに変えなければならないほどかと聞かれると、ちょっと戸惑う。
 NTは確かにかまぼこ型に感じないでもないが、これはこれでバランスがとれており、これでも十分とも思える。さすがにNT、きちんと仕事をしてくれていた。

 さて、徐々に-15V電源は優秀な部品が集まって、以前に比べればかなり強力な布陣になってきている。音ももちろん変化している。しかし、良くなったかというと、これが大問題なのだ。
 正直に言うと、耳に突き刺さる音だ。心にも突き刺さってきて、気が滅入る音。ある音域に鋭いピークがあるように感じる。相対的に低い周波数域の音が後退してしまい、腰高。聞いていて全く面白くない。音楽が嫌いになりそうで困ってしまう。

 原因はかならずある。疑っているのは整流素子。KSH30A20Bだ。他の部品が優秀になったので、今まで隠れていたアラが隠しようもなくなり、あらわにされているのではないのか。

 こんな音に耐え切れなくなって、CREEのSiC SBD(シリコンカーバイド ショットキー バリア ダイオード)をDigikeyに注文した。
 かつてCounterpoint SA-20で整流素子を交換し、その劇的な効果を経験した者として、大いに期待している。

 しかし、これほどの性能を秘めている素子でありながらオーディオ界であまり注目されないのはなぜなのだろうと首をかしげる。
 整流素子製造技術に詳しいわけではないが、SiC SBDの製造技術は日本のメーカーも及ばず、CREEの独壇場のように見える。日本インターの一部の製品はCREEからOEM供給されているのだとか。全く畑違いだが、自転車の世界でもCREEのLEDが有名のようだ。

CREE SiC SBDの効果2011年08月08日 19時28分16秒

CREEのシリコンカーバイド・ショットキーバリアダイオードをDACとI/Vコンバーターにインストールした。

 まず最初に交換したのはTDA1541Aの-15V電源の整流ダイオード。これまで使っていたのは、日本インターのKSH30A20B。左右電源を別にしていてなおかつ全波整流なので8本ある。これをすべてC3D20060Dに交換。使用する電圧、電流を考えればオーバースペックであることはわかっているが、システム全体の音を左右する肝心要の場所なのであえてこだわった。

 交換して音を聞いてみた。期待通り、今まで突き刺さるように聞こえていた鋭いピーク音が影を潜め、全体の重心が下がった。これで全て解決したかとおもいきや、そうはいかなかった。今まで気にならならなかった僅かなピークディップが気になってきて、我慢ができなくなった。純度が上がってきたので、あらが見えてしまうのだ。こうなると、他の箇所のダイオードも交換するしかない。

 次に着手したのは、DACの±5V電源とシステム・クロック発振回路の電源。そしてI/Vコンバーターのマイナス電源。これまでここには30DQ04を使っていた。これをCREE C3D02060Aに入れ替えた(計12本)。この効果は大きかった。ますます音の重心が下がり、刺激音がなくなった。

 最後に残っていたのはDACの+15V電源。ここは新電元のD5S9Mが8本(全波整流)使われていた。今回、ここを片波整流に変更し、使用本数を2本に節約した。ここは、DACの出力電流を無音時にゼロにシフトするための定電流回路を形成しているところなので、それほど影響がないだろうと予想していた。ところが、ここでも効果は絶大だった。

 こうしてあらゆる箇所にSiC SBDを投入した結果、システムを入れ替えたのかと思われるほど音が激変してしまった。一言で言えば、とにかく何も考えずに音楽に没入できる音なのだ。からだがリズムに同期して揺れる。これまで地に足がつかないまるで幽霊の音楽であったのが、地に足がつき、床の上を這ってくるような感触さえある。求めていた音だ。刺激音がなくなって初めて、これまでいかに鋭いピークとノイズに埋もれなら音楽を聞いていたのかと考えこんでしまった。

 こうしてみると、いまさらながら整流ダイオードが音全体に与える影響力の凄さに驚く。過去の雑誌をめくりながら掲載されている回路図を見ていても、回路構成や真空管の銘柄よりも、整流に何を使っているのかでだいたい出てくる音が想像できるようになった(もちろん、かなり誇張した表現をしているので割り引いて聞いてください)。最初に出てきた音が素晴らしく聞こえても、あまり配慮されていないダイオードを使っているなら、おそらく満足できなくなるのではないか。その点、整流管にこだわる佐久間氏はさすがである。

 この記事をご覧になられた方で、自分のシステムに満足できないで悩んでおられるのなら、もしかして整流ダイオードを見なおすことで改善される可能性があるかもしれない。是非、おすすめしたい。
 念のため付け加えますが、効果を保証するものではありません。各自の責任でお願いします。

CREE C3D20060Dを実装する2011年08月08日 20時03分43秒

 TDA1541Aの-15V電源供給ユニットの写真。手前に見えているのが、今はディスコンになってしまったブラックゲート・コンデンサー。整流ダイオードの後にはチョークインプット型の平滑回路をもってきている。チョークインプット型は出力電圧の予想が難しい。虎の子のDACに異常な電圧をかけ壊したくないので、安全のため無帰還のレギュレーターを入れてある。制御素子にはIRF9610を使っている。