6DJ8ラインアンプ Ver.1.12009年10月25日 19時42分09秒

 エージングが進んでくると、最初は見えていなかった欠点が徐々に明らかになる。当初の興奮が冷めてきて、ここから本当の胸突き八丁が始まる。

 耳に突き刺さるような音が聞こえてしまうのだ。なぜだろうかといろいろ考えた。Cを入れてわずかに高域を減衰させてみたが傾向は変わらない。しばらく考えた結果、単純なことを実行することにした。Ver.1.0はゲインが20dB近くある。はっきり言ってゲインがありすぎて使いづらい。
 そこで初段のプレート負荷抵抗を2KΩから1KΩに変更。もともと1KΩをシリーズ接続して2KΩにしていたので、簡単にできる。

 結果は非常に良かった。刺々しさが霧散して、音全体が自然でなおかつエネルギーに満ちている。このスキームの最高地点に到達したのではないか。手を入れるとしたら、あとは抵抗とコンデンサーを交換する程度だろう。

 今気になっているのは、最も音に影響を与えていると思われるプレート負荷抵抗とカップリングコンデンサー、それに終段のゲートにつながってバイアス電圧を与えている500KΩ抵抗。この三つである。それぞれ、スケルトン、双信V2A、ススムを使っているが、最善だとは思っていない。注意深く聞いていると、これらの癖らしきものを感じない訳ではない。色づけは少ない方だと思うが、しかしそれでも透明感を損なうような何かがある。もっとも、今のままでも数十万円もするラインアンプに十分対抗できると自負しているのだが(そう思い込んでいるだけ)。

tubecadの衝撃2009年10月25日 19時59分44秒

 たまたまネットを検索していたら、tubecadというサイトにぶつかった。diyAudioでもときどき引用されていたような気がするが、あまり気にしていなかった。ところが、このサイトの内容のすごいのには驚いてしまった。

 まず、私がI/Vコンバーターに採用したいわゆる「たまリントン」のアイデア。ここですでに検討されていた。 Butler amplifier の特許として登録されているというのである。2006年12月20日の記事にそのことが記述されている。うーん。そうだったのか。
 トランジスタ単体、真空管単体では非線形な挙動となるが、この二者を組み合わせることによってよりリニアな動作に近づけることが可能だという説明がある。ふむふむ。わがI/Vコンバーターの能力が認められたようでうれしくなる。

 そしてもう一つ、cross coupuring回路の応用回路も実に多彩な方式が提案されていた。今回のラインアンプVer.1.Xは他社のアイデアから刺激されたとは言え、ある程度は自分のオリジナル部分があるのではと自負していた。ところが、やはりtubecadですでにアイデアが提案されていた。負けた。世界は広い。そしてすごい人たちがいる。

 tubecadはまだ一部しかチェックしていないので、これからまだまだ面白いことを教えてもらえそうで楽しみだ。