現在の音2007年06月09日 19時44分06秒

 チャンネルフィルターの減衰量を-8,5dBに変更した。そして、DEM Clockのエージングも進んできた。不思議なことだが、デジタル回路であってもエージングの効果があるのだ。

 その結果、今の音はどうなっているか。これまで聴いていたものと全く次元が異なる。まず驚くのは、空間描写の精密さである。リヒターのマタイ受難曲やモーツァルトのオペラを聴くと、これまでは歌手の口が見えていたのが、今度は歌手の体が意識されるようになった。声は口からだけ出ているのではない。歌手の体全体が振動している。そのニュアンスが見えてくるのだ。だからますます演奏者の存在感がリアルになる。この空間表現は、アナログ時代にも経験したことがない。


 また、もう一つの特徴として、どんなに大編成の演奏であっても、楽器が混濁することもなく、不明瞭になることもない。苦手な曲目とか、楽器編成とか、ジャンルとか、そんなものはない。とにかくCDのなかにある情報を、素直にそのまま神経質になることなく、けれどもどこまでも正確に、しかし無機的になるのではなく、音楽として演奏する。そのすざまじいばかりの、エネルギー感にも脱帽してしまう。

 MJテクニカルディスクに小林貢氏所有の装置の音が録音されている。以前聴いたときは、結構パワフルな音だな。さすがレイ・オーディオとJDFのアンプ。とても自分には出せない音だとあきらめていた。しかし、この音を聴くと、何かかつてあこがれていた音にきわめて近くなってきている。そのこともうれしい。

 いつものフレーズで陳腐な表現になってしまうのだが、CDにここまで録音されていたのかと、ただただ驚くばかりだ。TDA1541Aの素性の良さを改めて認識した。またこのDACの実力をどこまで発揮させることができるか、日夜努力し続けている仲間にもエールを送りたい。

 しばらくは改造のために手を入れることはないのではないかと思っている。今のところこの音に大きな満足を感じている。