スピーカの位置合わせ ― 2007年02月20日 21時07分08秒
エージングが進んできて、出てくる音もだいぶ落ち着いてきた。何を聴いても安心して聴いていられる。歪みというものがなくなってきて、音楽が空気のように澄んできたと表現したい。
演奏の細部が見えてくる。今まで見えなかった音が見えてくる。演奏者の情感がせまってくる。
ところがいいことばかりでもない。ほんのわずかな歪みに敏感になってしまう。ちょっとしたことが音楽を濁しているので、気になってしまう。
内田光子演奏のモーツァルト、ピアノソナタを聴いていた。音が濁る。スピーカのずっと横に立っていても、濁りがわかる。体が拒否反応を示している。耳の奥で「ビーン、ビーン」と響いてきて音楽に集中できない。知性は「良い音」と判断しようとするのだが、「感性」がそれを拒み続ける。どこが悪いのだろうか。
ずっと考えた。やはりアンプのあそこか、ここか。。。もしかすると、スピーカの位相が合っていないためなのだろうかと思い至った。実は今まで、ALTEC 416Aとオンケン・ホーンの位置合わせについてはずっと確信が持てないでいたのである。
前に出したり後に引っ込めたり、数センチの量を動かしてみても、良くなったのか悪くなったのかわからなかったのだ。アナログ時代からそうである。だから、数ミリの確度でぴたりと決まる位置があると聞いても、全く実感がなかった。
とにかくホーンを数ミリ前に出してみた。これはだめだった。濁りが増した感じだ。そこで、今度は元の位置から数ミリ後にずらした。驚いた。濁りが消滅した。何か全体のピントが合って、風景全体の見通しが良くなったような感じがする。音楽の表情も豊かになった。
あの「ビーン」という耳に響く音が聞こえない。
「数ミリの確度」でというのは本当だった。もしスピーカの位置をどこにしても大きな変化が感じられないとしたら、システムの他の部分にまだ課題が残っていると考えた方がよいかもしれない。システム全体のレベルが上がってくれば、必ずスピーカの位相差の音が際だってくるはずだ。この音は音楽を破壊する。きちんと合わせなければならない。
人間の音に関する感受性というものは本当にすばらしいものだ。ある本を読んでいたら、音を聞き分けていくと言うことは実は大変な人間の側の努力を要する作業らしい。あれが鳥の声なのか人間の声なのか。スリッパの音なのか、風の音なのか。一つ一つの音源と、音とを関連させて記憶させていく。その積み重ねなのだという。
聖書に「ことばは人となった」とあるが、何かこのことと関係があるのだろうかと考えさせられる。
演奏の細部が見えてくる。今まで見えなかった音が見えてくる。演奏者の情感がせまってくる。
ところがいいことばかりでもない。ほんのわずかな歪みに敏感になってしまう。ちょっとしたことが音楽を濁しているので、気になってしまう。
内田光子演奏のモーツァルト、ピアノソナタを聴いていた。音が濁る。スピーカのずっと横に立っていても、濁りがわかる。体が拒否反応を示している。耳の奥で「ビーン、ビーン」と響いてきて音楽に集中できない。知性は「良い音」と判断しようとするのだが、「感性」がそれを拒み続ける。どこが悪いのだろうか。
ずっと考えた。やはりアンプのあそこか、ここか。。。もしかすると、スピーカの位相が合っていないためなのだろうかと思い至った。実は今まで、ALTEC 416Aとオンケン・ホーンの位置合わせについてはずっと確信が持てないでいたのである。
前に出したり後に引っ込めたり、数センチの量を動かしてみても、良くなったのか悪くなったのかわからなかったのだ。アナログ時代からそうである。だから、数ミリの確度でぴたりと決まる位置があると聞いても、全く実感がなかった。
とにかくホーンを数ミリ前に出してみた。これはだめだった。濁りが増した感じだ。そこで、今度は元の位置から数ミリ後にずらした。驚いた。濁りが消滅した。何か全体のピントが合って、風景全体の見通しが良くなったような感じがする。音楽の表情も豊かになった。
あの「ビーン」という耳に響く音が聞こえない。
「数ミリの確度」でというのは本当だった。もしスピーカの位置をどこにしても大きな変化が感じられないとしたら、システムの他の部分にまだ課題が残っていると考えた方がよいかもしれない。システム全体のレベルが上がってくれば、必ずスピーカの位相差の音が際だってくるはずだ。この音は音楽を破壊する。きちんと合わせなければならない。
人間の音に関する感受性というものは本当にすばらしいものだ。ある本を読んでいたら、音を聞き分けていくと言うことは実は大変な人間の側の努力を要する作業らしい。あれが鳥の声なのか人間の声なのか。スリッパの音なのか、風の音なのか。一つ一つの音源と、音とを関連させて記憶させていく。その積み重ねなのだという。
聖書に「ことばは人となった」とあるが、何かこのことと関係があるのだろうかと考えさせられる。
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