抵抗ートランスI/V変改回路 Ver.3.2/Ver.3.32007年02月05日 19時28分01秒

 もう一度、I/V変換回路を見直してみた。前回まではこれが決定版のように言っていたけれど、冷静に時間をかけて考えていくと、欠点が見え始めてきた。

 これまでサブシステムはVer.2.2を標準としてきた。一番大きな特徴は一次側を20KΩ、二次側を200Ωとして電圧変換比で言えば、10:1としてきたことだ。つまり、トランスでわざわざ減衰させているのだ。しかし、これまでの経験から言うと、いたずらに信号レベルを下げると実在感が薄くなることがある。信号レベルはできる限り高く維持しておくのが原則。
 しかしこれまでの状態だと、一旦減衰させた信号をアンプでまた増幅させるという二度手間になることさえある。

 そこで、トランスの一次と二次を正常な状態に戻すことにした。そのとき考えなければならない問題は、R1を一次側に入れるかそれとも二次側に入れるかということである。

 予備実験をしたところ、一次側に入れるのが正解であることがわかった。このトランスのDCRは、一次側で33Ω、二次側ではなんと4.2KΩもある。使い方に注意しないと思いもよらない損失になってしまうのだ。

 二次側にR1を入れると、損失がかなり大きくなる。14dBもの損失を招く場合もあった。このときの音を聴くと、全体が腰高で、弦の音も汚くて聴いていられない。

 そういう訳なので、二次側のDCRによる損失をできるだけ小さく抑えるためにはアンプも可能な限り入力インピーダンスを大きくしなければならない。今までは、入力インピーダンスが数百Ω程度でも問題ないと考えていたが、これは間違いだった。そこで今回は、スケルトン抵抗を二本シリーズに使って18KΩとした。本当はもっと高くしたいところだ。

 以上の考察を経て、写真にあるような回路に変更した。R1の値は二種類試した。
(1)Ver.3.2 R1=51Ω(デール
(2)Ver.3.3 R1=100Ω(YAM)

 音はやはりVer.3.3の方に軍配が上がる。3.2でも良いのだが、どこか物足りなく感じるときがある。Ver.3.3にすると音が前に出てくる。ベースの音階が明瞭で、音楽のリズムが楽しくなる。また全体の音のバランスも自然で品位がある。YAM抵抗が使えるのも大きい、やはりデールとは格が違う。気になっていた刺激音もだいぶ小さくなったように思う。

 トランスの扱いにはだいぶ手こずってきたが、DCRがこれだけ大きいとかなり扱いにくいものであることがわかってきた。調べてみると優秀なトランスはDCRも二桁程度低いようだ。やはりいつか別のトランスを試すべきだろうか。


 なお、図中のa点、b点の電圧は、1KHz,0dBの信号を加えたときのピークtoピークの電圧である。 Ver.3.3を見てみると、一次側で460mVp-pで二次側が3.2Vp-pとなっている。本来なら、4.6Vp-pにならなければならないはずだ。この差が損失となる。計算すると-2.6dB程度になる。これが気がかりだ。

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