Raspberry Pi + TDA1541A/S1 DACの製作(2) ― 2025年11月10日 20時31分00秒
あっという間に季節は移り変わり、きょうは昼前から降り始めた雨がみぞれに変わり、いま外を見たら真っ白になっている。
さてDACの進み具合であるが、ようやくTDA1541A/S1による4パラ基板ができあがった。ごらんのとおり、基板表面は電解コンデンサ(ニチコンUKシリーズ)のかたまりである。かぞえたら72個ある。
こちらが裏面。
グランド面は銅箔テープを使って形成している。よく見るとその銅箔テープがでこぼこしている。
I2StoPCM Converterから4個のDACに分配する信号線は、すべて同じ長さにそろえる必要がある。各DACから信号入力端子までの距離はまちまちなので、入力端子に近いDACに向かう信号線は長さが余る。その分は銅箔面でとぐろを巻く。それを上からもう一度銅箔テープをかぶせる。それがでこぼに見えるこの理由である。
こんなペースでいくと、できあがりは来年にずれこむことになるかな。
さてDACの進み具合であるが、ようやくTDA1541A/S1による4パラ基板ができあがった。ごらんのとおり、基板表面は電解コンデンサ(ニチコンUKシリーズ)のかたまりである。かぞえたら72個ある。


I2StoPCM Converterから4個のDACに分配する信号線は、すべて同じ長さにそろえる必要がある。各DACから信号入力端子までの距離はまちまちなので、入力端子に近いDACに向かう信号線は長さが余る。その分は銅箔面でとぐろを巻く。それを上からもう一度銅箔テープをかぶせる。それがでこぼに見えるこの理由である。
こんなペースでいくと、できあがりは来年にずれこむことになるかな。
Raspberry Pi + TDA1541A/S1 DACの製作(1) ― 2025年09月29日 21時00分22秒
Raspberry Pi からI2S経由でTDA1541AのSimultanus mode対応の信号を取り出すことが確認できたので、次にこれを実機としてまとめ上げていくことにする。
そこで最初に問題となるのがハコである。入れ物が決まらないと、何をどこまで実装するかが定まらない。
今のDACのケースをそのまま使うことを考えたのだが、どうやっても納まりきらない。新しいケースを探すことにした。
予算、筐体のデザイン、実装能力もろもろを考慮したら、結局Mac Pro(2010Mid)に落ち着いた。いつの間にか我が家に3台も並ぶことになるとは、我ながらあきれかえるというか。。
某オークションで入手したものは、中身が抜き取られていてケースのみ。中を開けて不要なパネルやスタッドをはずし、これで準備は整った。
とりあえず現DACから電源部を移植していくことから始める。その間に、入出力端子の実装方法を考えていこう。
そこで最初に問題となるのがハコである。入れ物が決まらないと、何をどこまで実装するかが定まらない。
今のDACのケースをそのまま使うことを考えたのだが、どうやっても納まりきらない。新しいケースを探すことにした。
予算、筐体のデザイン、実装能力もろもろを考慮したら、結局Mac Pro(2010Mid)に落ち着いた。いつの間にか我が家に3台も並ぶことになるとは、我ながらあきれかえるというか。。
某オークションで入手したものは、中身が抜き取られていてケースのみ。中を開けて不要なパネルやスタッドをはずし、これで準備は整った。
とりあえず現DACから電源部を移植していくことから始める。その間に、入出力端子の実装方法を考えていこう。



TDA1541A-S1 DAC 製作記4 ― 2022年12月01日 20時11分00秒
製作過程を簡単に紹介する。
最初に手がけたのがDAC部で、いつもお世話になっている秋月のユニバーサル基板を使った。デジタル信号を扱うとき、グランドのインピーダンスをできるだけ低くすることが大切である。今回は基板に銅箔テープを貼ってグランドプレーンとする。写真はまだ銅箔を貼る前の状態の裏面。
続いて基板の上部。DACソケットの周囲にデカップリング用の電解コンデンサが立ち並ぶ。使った電解コンデンサはニチコンのUKAシリーズ100uF/25Vである。
続いてDDC部の様子。左にI2SoverUSBが見えていて、その右側にはDDCを載せるソケットがある。ソケットの高さの空隙を利用して、LTC6957に供給する3.3Vレギュレータ基板を配置する。
できあがった基板は実験用安定化電源を使って動作確認をする。デジタル部に±5V、アナログ部に-15V、計三つの電源が必要となり、このため某オークション経由でHPの電源を購入した。
万が一不具合があっても電流を制限できるので、希少な部品を守ることができる。
最初に手がけたのがDAC部で、いつもお世話になっている秋月のユニバーサル基板を使った。デジタル信号を扱うとき、グランドのインピーダンスをできるだけ低くすることが大切である。今回は基板に銅箔テープを貼ってグランドプレーンとする。写真はまだ銅箔を貼る前の状態の裏面。
続いて基板の上部。DACソケットの周囲にデカップリング用の電解コンデンサが立ち並ぶ。使った電解コンデンサはニチコンのUKAシリーズ100uF/25Vである。
続いてDDC部の様子。左にI2SoverUSBが見えていて、その右側にはDDCを載せるソケットがある。ソケットの高さの空隙を利用して、LTC6957に供給する3.3Vレギュレータ基板を配置する。

できあがった基板は実験用安定化電源を使って動作確認をする。デジタル部に±5V、アナログ部に-15V、計三つの電源が必要となり、このため某オークション経由でHPの電源を購入した。
万が一不具合があっても電流を制限できるので、希少な部品を守ることができる。
TDA1541A-S1 DAC 製作記3 ― 2022年11月30日 22時09分04秒
TDA1541A-S1 DAC 製作記2 ― 2022年11月30日 21時25分40秒
この一ヶ月、回路にいろいろ修正を加えて、だいたいフィクスしてきたので全体の回路図を公開する。
まずはDAC本体から。 ポイントは以下のとおり。
(1)デジタル部
・DDCはI2SoverUSBを採用。理由は三つある。1)USB側とDAC側との間がアイソレーターによって分離されている。2)リクロック回路が内蔵されている。3)TDA1541Aのsimultaneous mode信号を出力できる。
・Laptech OSCのクロック信号(サイン波)の矩形波変換は実績のあるLTC6957を採用する。
・DACはもちろんTDA1541A-S1で、これを左右分離の2パラ接続で使用。
・以下二つの内容はこecdesigns氏のアイデアによる。
・いわゆるDEMリクロック回路は採用しない。その代わり、DEMの発振周波数を50Hzに落とす。デカップリングCは別府氏によればASCが指定であったのだが、DEMの発振周波数が極端に低くなるため、100uFの電解コンデンサとなる。
・DACは前述の通りsimultaneous modeで使用する。
(2)アナログ部
・i/V変換は18Ωの抵抗一本で行う。
・データシートによれば、TDA1541A-S1のアナログ出力のコンプライアンスは、±25mV以内と定められている。抵抗I/Vを採用すると大信号ではこれを守れないケースが出てくるが、ここは妥協する。これはecdesign氏のアイデアであるが、最初これを見たときは正直ちょっと驚いた。しかし様々なI/V変換法を実験した結果、これがベストだったという。使用する抵抗はもちろんVARである。当初は実験的にZ201抵抗を使用していたが、VARに変えたとたん、その格の違いに驚いた。少々高価ではあるが、これしかない。
・18Ω抵抗そのままでは振幅電圧が小さいので、トランスでステップアップする。これはローパスフィルタも兼ねる.
・DACのアナログ出力電圧ゼロ補償はこれも抵抗一本で行う。これも上記のような実験結果による。ただし、この抵抗も音質に大きな影響を与えるので、VARを採用する。電流値の調整は10KΩ半固定抵抗でおこなう。
続いて電源部。
(1)電源トランスと整流部の回路 ・USB側とDAC側とは電源から分離するので、その分トランスが一個必要となる。
・アナログ部の電源も左右分離とし、特に重要な-15V電源についてはチョーク入力平滑回路とした。また平滑コンデンサにはWEST-CAPを並列に入れる。これも結構効いてくる。
・USB側電源を除いて、DAC部、アナログ部の整流にGaN素子を採用した。
(2)続いてプラス側レギュレータ関連 ・制御素子はUSB側電源を除いてほかはすべてGaNを採用。
・無帰還とする。
(3)次にマイナス側レギュレータ関連 ・同じく制御素子にGaNを採用。
・こちらは負帰還をかけている。 ・マイナス電圧の制御は通常p-ch MOSFETもしくはバイポーラトランジスタを使うのが王道であるが、n-ch素子であるGaNを使いたい。そこで回路を工夫した。ただしバオポーラトランジスタに特有のアーリ電圧による音質劣化を避けるなければならない。そこでカレントミラー回路が登場する。実験すると安定して動作する。今後マイナス電圧レギュレータの基本回路となるだろう。
まずはDAC本体から。 ポイントは以下のとおり。
(1)デジタル部
・DDCはI2SoverUSBを採用。理由は三つある。1)USB側とDAC側との間がアイソレーターによって分離されている。2)リクロック回路が内蔵されている。3)TDA1541Aのsimultaneous mode信号を出力できる。
・Laptech OSCのクロック信号(サイン波)の矩形波変換は実績のあるLTC6957を採用する。
・DACはもちろんTDA1541A-S1で、これを左右分離の2パラ接続で使用。
・以下二つの内容はこecdesigns氏のアイデアによる。
・いわゆるDEMリクロック回路は採用しない。その代わり、DEMの発振周波数を50Hzに落とす。デカップリングCは別府氏によればASCが指定であったのだが、DEMの発振周波数が極端に低くなるため、100uFの電解コンデンサとなる。
・DACは前述の通りsimultaneous modeで使用する。
(2)アナログ部
・i/V変換は18Ωの抵抗一本で行う。
・データシートによれば、TDA1541A-S1のアナログ出力のコンプライアンスは、±25mV以内と定められている。抵抗I/Vを採用すると大信号ではこれを守れないケースが出てくるが、ここは妥協する。これはecdesign氏のアイデアであるが、最初これを見たときは正直ちょっと驚いた。しかし様々なI/V変換法を実験した結果、これがベストだったという。使用する抵抗はもちろんVARである。当初は実験的にZ201抵抗を使用していたが、VARに変えたとたん、その格の違いに驚いた。少々高価ではあるが、これしかない。
・18Ω抵抗そのままでは振幅電圧が小さいので、トランスでステップアップする。これはローパスフィルタも兼ねる.
・DACのアナログ出力電圧ゼロ補償はこれも抵抗一本で行う。これも上記のような実験結果による。ただし、この抵抗も音質に大きな影響を与えるので、VARを採用する。電流値の調整は10KΩ半固定抵抗でおこなう。
続いて電源部。
(1)電源トランスと整流部の回路 ・USB側とDAC側とは電源から分離するので、その分トランスが一個必要となる。
・アナログ部の電源も左右分離とし、特に重要な-15V電源についてはチョーク入力平滑回路とした。また平滑コンデンサにはWEST-CAPを並列に入れる。これも結構効いてくる。
・USB側電源を除いて、DAC部、アナログ部の整流にGaN素子を採用した。
(2)続いてプラス側レギュレータ関連 ・制御素子はUSB側電源を除いてほかはすべてGaNを採用。
・無帰還とする。
(3)次にマイナス側レギュレータ関連 ・同じく制御素子にGaNを採用。
・こちらは負帰還をかけている。 ・マイナス電圧の制御は通常p-ch MOSFETもしくはバイポーラトランジスタを使うのが王道であるが、n-ch素子であるGaNを使いたい。そこで回路を工夫した。ただしバオポーラトランジスタに特有のアーリ電圧による音質劣化を避けるなければならない。そこでカレントミラー回路が登場する。実験すると安定して動作する。今後マイナス電圧レギュレータの基本回路となるだろう。









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