Circlotron2 その6 鉄壁防御編2019年02月20日 21時12分35秒

保護回路

目標仕様
1)監視すべき項目
  出力のDC検出
  過大電流の検出
2)異常時検出時の動作
  終段GaN素子のバイアスをカットオフする
  終段の電源をオフにする(将来オプション)
3)そのほか1
  初段の真空管がウォームアップして動作が安定するまでの時間、終段のバイアスをオフのままとする
  一定時間経過後、終段バイアスを活性化する
4)そのほか2
  電源オン時のラッシュカレントによって整流ダイオードもしくは理想ダイオードブリッジが破壊されるのを防止するために、一定時間が経過してコンデンサにある程度チャージができた時点で整流ダイオードが活性化するようにする(将来オプション)
5)構成要素
タイマー回路
論理回路
リセット回路
DC検出回路
過電流検出回路
LEDおよびフォトカプラ・ドライブ回路
電源回路


これらの仕様を満足させるべく、頭をひねって回路を考え、ひとつひとつ動作検証する。論理回路は久しぶりなので教科書を引っ張り出してくる。回路図を見てうまく動くと思っても、実際に回路を組み上げて電源を入れてみるといくつか不具合が出てくる。そのたびに対策を考え完成度を上げてきた。論理回路は電源オン時のリセットがきちんとかかかることさえ気をつければ比較的簡単。なにしろ動作クロックは30Hzで、亀のように遅い。小学生レベルである。

しかしアナログ動作となる検出回路は意外に手こずった。インピーダンスが高いところをきちんと対策しないとうまく動作しなかった。手をかざしただけで異常信号を検出してしまうときは頭の中が「??」となったが、原因がわかり対策をしたらなにごともなかったかのように安定した。

保護回路基板の全体。できあがると結構な規模になった。大きめの基板を使ってよかった。抵抗とコンデンサ類は電解コンを除いて表面実装タイプ。
裏面の様子。自分で作っておきながらおそらく数週間後には意味不明になるだろう。
今回の目玉は過電流検出センサーにホール素子ACS712を使ったこと。この素子の電圧出力をコンパレーターに入れて、電圧比較をして基準より大きくなった場合に過電流検出信号を出す。
初めて使う素子だったが何の問題もなく一発で動作した。

この素子にはFIL端子があって、ここにCをつなぐことでバンドパスを設定できるようになっている。手持ちのコンデンサの関係でC=100nFとしたのでおよそ1KHzとなってやや狭帯域となっている。設定値の根拠についてはまたいつか触れるかもしれない。

サークロトロンは左右チャンネルで4個の独立した電源となるので、過電流検出センサーもこれに応じて4個となる。
右上に見える半固定抵抗器で検出電流の閾値を決める。いちおう3Aとしているが、実際に動作させてみて支障があるかどうか検証する必要がある。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2019/02/20/9038729/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。