Improved Reflektor-D with LU1014D (2)2015年03月15日 22時13分27秒

I replaced four 2N4403 with two BCV62C for current mirror, and found big improvement.

いろいろいじっているうちに、Reflektorの性能はカレントミラーの精度が大きく関わっているのではないかとの感触を強く持つようになってきた。

ものの本によれば、カレンミラー回路に使われるトランジスタは、特性が揃っているもので、なおかつ熱的にも密に結合していることが望ましいとある。

ところが、Reflektor-Dの製作マニュアルによると、カレントミラー回路には無選別の汎用トランジスタ2N4403を熱結合なしで実装して良いことになっている。確かにこれで問題なく動作する。しかし本当にこれでよいのか。どうも引っ掛かりを感じてしまう。

調べてみると世の中にはカレントミラーに特化した特殊半導体が、種類は少ないが売られている。見つけたのはBCV62Cというもの。

発注したら、あまりにも特殊なので日本には在庫がないらしく、海外から送られてきた。早速、2N4403を四本取り外してBCV62Cと入れ替える。基板はガランとなり、やけに空き地が目立つようになった。

まず最初に水晶発振器の電源に投入。改善される方向に変化することを確認。その後、残りのReflektor-Dのカレントミラー回路も新しくした。

24時間エージング後の音を聴いてみた。がらりと大きく変わった。これまで何をしても気になっていた硬さがやっととれて、非常にクリアで自然になった。と同時に音圧が上がり、自由自在に音楽が前にせり出してくる。これはたまらない。

カレントミラー回路をいじっただけで、これだけ変化するとは。。予想していたとはいえ、その変化は予想をはるかに超えていた。世の中に理想のレギュレータというものは存在しないが、理想とするものに一歩近づいたことは事実だろう。

エージングが完了するにはもうしばらくかかると思うが、そのときが楽しみでもあり恐ろしくもある。

何度も繰り返すが、DACの評価はDAC本体だけではなく、電源も含めたセットでなければ全く意味がないのではないか。音が良いDACという言われ方があるが、それはジッター感受性が低いのか(ジッターの影響を受けにくい)、もしくは電源感受性が低いか(電源の質の影響を受けにくい)、そのいずれか、もしくはその両方を言っている可能性もあるのではないか。

ビニールオーディオであれば、カートリッジが音溝をたどるときに音楽信号を発電をする。原理的には、外部の電源の質に影響を受けにくい非常にシンプルでありながらきわめて合理的なシステムである。(もっとも、そう単純ではないことは経験済みではあるが)

いっぽう、デジタルオーディオにはどこにも発電する要素が存在せず、乱暴な言い方をすれば、ビット化された情報に従って電源電圧を揺り動かし、それを音楽信号として取り出すのだから、電源の質が極めて重要になってくるのは理にかなっているとも言える。