ラインアンプ改訂2014年04月06日 20時51分02秒

 エージングが進んできてここ数日間で音が大きく変貌してきた。まだ未完成ではあるけれど、自信がついたので、回路図を改訂することにした。

 DACのレギュレーターに投入したVARのエージングはほぼ終了。まだ未完なのは、初段+14V電源に使っている22nFのテフロンコンデンサ。5日前は耳に突き刺さるようなひどい音しか出なかったのが、今日はまだその残滓はあるものの、実に腰が落ち着いてきて、音が太く、なおかつ繊細、なによりも音楽性に富んでいる。

 このラインアンプは初段だけでも十分にゲインがあるので、そのままでもパワーアンプにつなぐことは可能である。ところが、音を聴いてみると、躍動的ではあってその点はメリットを感じるのだが、二段目をつなぐと俄然音に立ち上るような品が備わり、奥行きが加わる。これを聴くと初段だけでは物足りなくなる。両方があってこそこの音が出る。

 このような成果を得られたのは、貴重なチョークトランスTANGO NO-10483と、世界遺産級の真空管13D2を快くお譲りくださったK様のおかげというほかない。感謝するばかりである。

 誰かが、「スピーカーの前で子供が踊りだしたら、それは成功した証拠だ」という趣旨のことを語っていたが、本当にそう思う。良い音は、頭で考える前に体が踊りだす。本来音楽とはそのようなもののはずだが、いつの間にか頭で分析して聴こうとしていた。そんなことをしているからいつの間にかオーディオが苦行になる。これでは本末転倒だ。

 子供のように音楽に合わせて体を揺らし、手を叩き、声を上げて喜び踊る。そんなふうにして音楽を体全体で楽しめたらどんなにすばらしいだろうか。

 そういえば、まだ小学校に上がる前のこと。当時家にあった真空管ラジオから聞こえてきた音楽に合わせて、箸を両手に持って指揮者のまねをした記憶がある。もしかして、あれが私のオーディオとの出会いだったのだろうか。

 大きくなってから兄に聞いたのだが、箸を振り回しすぎた私は転んでしまい、その箸をのどに突き刺して大騒ぎになったのだそうだ。そのことはあまり記憶にない。何事も程々にという教訓か。