水晶発振器用レギュレータの影響力2013年12月23日 17時12分11秒

 13D2ラインアンプの固定バイアス電源のことで試行錯誤している中で、印象に残った出来事があった。定電流回路の電流設定抵抗をススム抵抗からVARに変えたとき、目もくらむような音の変化を経験した。あれは夢か幻か。はたまた単なる思い過ごしであったのか。あれ以来ずっと気になり、この効果を他の箇所でも試してみたいと思っていた。試すとしたら水晶発振器用のレギュレータが一番わかりやすい。
 今回、Texas Component社と取引する機会があったので、ついでにVAR5.6Ωも一個追加発注した。

 届いたVARを早速レギュレータに実装。直後は何の変化もないのでちょっとがっかりしたが、それから数時間放置してもう一度聞き直して驚いた。システムをゼロから入れ替えたかと思うくらい。音が前に出て、部屋いっぱいに広がる。微細な音の表情が手に取るように聞き分けられる。ライブ録音では、演奏者はもちろん聴衆の気分までもが伝わってくるかのよう。

 DACの研究に取り組み始めた頃、出てくるピアノの音が子供のおもちゃのピアノのように感じられた。最近はアップライトピアノくらいになったと思っていたのだが、いろいろ手を入れてもそれから先に進まず足踏み状態だった。

 それが水晶発振器(NZ2520SD)のレギュレータの抵抗を一個入れ替えただけで、本物のグランドピアノに肉薄する音が出るようになった。あいた口が塞がらないとはこのことか。

 システムはかけ算であると言われる。ボトルネックがあれば、それがそのままシステム全体の限界を決めてしまう。だから自分のシステムのボトルネックはどこにあるのか、いつもそこのことを考えてきた。それがまさか定電流回路の抵抗だったのは思いもよらなかった。固定バイアス電源で経験した変化は、やっぱり気のせいではなかったようだ。

 NZ2520SDは、DACを追求しているdiyerにとって水晶発振器の標準原器になったと言っても良いかもしれない。これに用いる三端子レギュレータやパスコンもいろいろ研究されてきている。

 でも、今回のこの変化を知ってしまうと、出来合いの三端子レギュレータでどこまでNZ2520SDの実力を発揮できるのか、と考えてしまう。パスコンの質もそれなりに影響を与えるが、影響の度合いはここまでは大きくなかった。

 現在エージング開始から約70時間経過。エージング不足にもかかわらず、いまからこんな音が出るのだから、この先いったいどこまで変化していくのだろうか。

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