新しいI/Vコンバーターの構想2009年07月07日 19時54分28秒

 自転車を漕いでいても、もっと良い音が出る回路はないものかとアイデアを考え続けている。

 これまでベース接地回路を基本としてきた。この骨格はおそらく今後変わることはないだろう。もう少し何とかならないのかと以前から思っているのが、Vbe電位の固定方法だ。現状はトラをダイオード接続して、規定の電位が得られるようになっている。しかしそのためにベース接地回路と同じ電流を流し続けなければならない。微小電流なら問題にならないが、10mAを越えてくるといろいろと弊害が出てくる。電源の整流にWE420Aを使っている。整流管への負荷を軽くしたいという思いがある。それにどこかエレガントさに欠けているようで、私の美的感覚が許さない。

 過去のラジオ技術を繰っていたら、Sonic Frontiersのプリアンプの紹介が出ていた。完全バランスで差動交差接続回路というものが使われている。初めて知った。これを応用したいと思った。いつか真空管回路を試すときまでとっておこう。

 手元にある部品だけで簡単に実現できそうな方法を思いついた。というか、どこかにあったアイデアを借用したまでだが。FETを一個と、トラ一個をつなぐだけでVbe電位を気にせず、無調整で動作可能。のはずだ。とにかくやってみよう。

 実はこれをやりたいというもう一つの動機がある。ベース接地されたトラは音にほとんど影響しないかのように言われていたりもするが本当だろうか。この疑問が発端だ。
 今出てきている音は、確かにすばらしい音だが、課題も見えてきた。若干だが、すこしだけ高い周波数域にバランスがよっている。もっと地に脚がついた音が出ても良いと思っている。その原因として、ベース接地増幅回路に使っている2SC4572が考えられる。もともとこのトラは、K式でも増幅のメインには使われていない。
 ここはぜひ定評のあるトラに交換したい。2SC960だ。以前、エミッタフォロワーではあったがトランスドライブ回路にこのトラを使って実績がある。あれはあれで良い音だったと思う。