X SOZの魅力2009年02月24日 12時57分51秒

 このところずっとAleph-Xのことをアンプを考えていた。心の中では、これが本命かなと決めかけていた。数日前に、diyAudioの掲示板の中にある"X SOZ"を覗いてみた。以前にも見ていたのだが、そのときはあまり関心を引かなかった。ところが、今回俄然興味がわいてきた。

 SOZとは、Son of Zenの略。Nelson Pass氏が命名したのが始まり。MOS-FET一段のパワーアンプである。Xとは、これをバランスタイプにしたものを意味する。バランス入力、バランス出力である。ネットで検索してみると、日本で実際にSOZを作った人は一人しか見当たらない。X SOZは皆無だ。片チャンネルMOS-FETが4個、普通の小信号トラが2個。それだけ。回路は非常に簡単。しかし、動作は非常に巧妙だ。ソース接地のドレイン出力である。ゲインをもっている。ドレイン負荷は定電流回路(CCS)である。普通なら出力インピーダンスが高くて使いづらいところだ。ところが、この定電流回路にNelson Pass氏がパテントをもっているSuper Symmetry回路が組み込まれていて、これによって劇的に出力インピーダンスが低くなる。

 I/Vコンバーターが電流出力タイプであっても、ちょっと改造すれば対応できそうだ。むしろこちらの方が部品点数も少なくなるし、カップリングコンデンサも省略できて都合が良い。基板らしい基板を作らなくても立派なアンプができてしまう。その代わりに放熱器はかなり大がかりになるのだが。

 日本でももっともっと注目されて良いアンプだと思うのだが、どうだろうか。X SOZの制作過程をこれからちょこちょこ紹介していきたい。完成までにはちょっと時間がかかるかもしれないけれど。

 それにしても、diyAudioには世界中のオーディオフリークが集ってすばらしい意見の交換が行われているとつくづく思わされる。それなのに、オーディオが盛んであると言われる日本人の参加は寂しい限りだ。私の見た限り、ほとんど見当たらない。英語の壁はあるが、アジアやヨーロッパからも「英語は下手だけれども」と言いながら積極的な参加をしている。店頭に並んでいるオーディオ誌だけがオーディオの世界ではないことがわかる。目が開かれる思いがする。皆さんにもぜひ参加をお勧めしたい。

滑らかに回す意識2009年02月24日 17時51分48秒

 週に5日ほどの頻度で室内トレーニングをしている。昨年の今頃は低ケイデンスで重いギアを回すのが良いことだと思っていた。今は高ケイデンスで滑らかに回すことに意識を集中している。

 言葉で言うのは簡単だがこれが難しい。1〜2年で習得できるようなものではない。年齢が高くなるにつれハードルは高くなるからなおさらだ。二三日練習をさぼると、最初の数分はクランクを回そうとしてもぎくしゃくしてしまう。体はすぐに忘れてしまう。

 滑らかに回すイメージをどのように言葉で表現するのが適切なのかと考えていた。そうしたら真鍮の円柱が頭に浮かんできた。足の裏で円柱の表面を丁寧に磨いていくイメージだ。クランク長が円柱の半径となる。
 回転にむらがあると円柱でなくなる。力が入りすぎたり、あるいは力がかからなかったりするから、表面は多角形になってしまう。これをできる限り真円に近い形に磨き上げていくことを頭に思い描く。

 昔、アマチュア天文家が天体望遠鏡のレンズを作るためにガラスから磨き上げていくというのを聞いたことがある。すごい技術だと思った。家には円形の大根おろし器がある。できるだけ平らになるように大根を動かすのだが、いつも斜めに削られていく。とても自分にはレンズは磨けないと思った。これと似たようなことを足でやろうとするだから。。

 スポーツというのは、頭の世界と肉体の世界とを結びつけていくきわめて知的な作業なのだと思うようになってきた。筋肉の動きを自分のイメージにぴったりな言葉で表現していく。言葉をひとつひとつ自分の中で練り上げていく。スポーツも芸術だった。