サラ・ヴォーンの「枯葉」2006年02月27日 11時35分44秒

 有名なアルバムなので知らない人はいないはず。私もアナログLPで所有しているが、この6年間聴けずじまいでいた。たまたまレンタルショップに行ったらこのCDが置いてあったので、衝動的に借りてきてしまった。ということでアナログLPとCDの聴き比べになった。
 CDは一聴して低域に豊かな広がりをもつ安定感のある音であることがわかる。JAZZのCDは、録音レベルがかなり高く設定されているものが多いが、これは意外にもクラシックと同じ程度である。JAZZ-CDの場合、いつもは最低のボリューム位置で聴くことが多いのだが、このCDは90度くらいボリュームを上げたくなる。
 さて、サラ・ヴォーンの「枯葉」はどう聴こえたか。記憶に残っているあの迫力が少し後ろに引いた感じがする。LPでは力で押しまくるパワーを感じたが、今回はサラのテクニックのすごさに圧倒された。つまり、LPでは細部よりもパワーが勝り、CDではパワーよりも細部が勝っている、そんな印象である。別の表現をすれば、アナログは「熱狂」、デジタルは「冷静さ」というところか。
 アナログとデジタルの違いについては、多くの人が意見を述べているが、異口同音に語られるのは「アナログの実在感」ではないだろうか。MJ誌で小林貢氏は、デジタル録音したものをわざわざアナログテープにダビングして聴き直す意味が確かにあると、どこかで語っていた。
 なぜそういうことになるのかはわからない。その秘密を探っていくためには、これからまだ長い時間が必要なのかもしれない。

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