ボルテージ・ミラー型シリーズレギュレータ(11)2016年02月22日 16時23分35秒

妻のDACに投入したボルテージミラー型レギュレータが圧倒的な勝利をおさめたのを受けて、我がシスムテムも変更を余儀なくされた。当初は雪が融けることまでに入れ替えをしようと考えていたが、我慢ができない。三日間かけて一気に基板を作り上げた。

すでに問題は潰しているのですんなりと完成するかと思っていたら、やはり落とし穴が待っていた。

(1)出力が立ち上がらない
シミュレーションでは、スタートアップ回路はいらないと踏んでいたが、だめだった。急遽スタートアップ回路を追加して問題を解決。

(2)発振した
シミュレーションでは発振に対してかなりの余裕があると思っていた。ところが、負荷電流を多くしていくと発振してしまう。オシロで確認すると周波数は140MHz付近で、ほぼ正弦波に近い。

原因はすぐに判明した。シミュレーションでは、実装状態でのインダクタンス成分を無視していたが、これを考慮していくと100MHzを超えたあたりで位相余裕を失っていく。Zobelのコンデンサを表面実装型の小さなものにすれば結果は違ってくるかもしれないが、今回は大型のオイルコンデンサを使っている。

Q6にベース抵抗を入れると確実に発振がおさまるので、これを対策とする。なお回路図では、M1(RD06HHF1)のゲートにも抵抗を入れているが、これはなくてもよい。

出力電圧は無調整で3.4〜3.5Vとなった。
なおM1には放熱器が必要である。

回路図の横のグラフ、上側がPSRR(電源変動抑圧特性)、下側が出力インピーダンス特性。位相変化は20KHzで約20°。理想を言えばもう少し小さくしたいところだが、現在のところこれが最小値。

この特性を得ることができたのは、M1にRF用途のM0S-FETを採用したことが大きい。すでにディスコンになっているが在庫品がまだ入手可能のようだ。

なおRF用であるだけに、従来のIRF610と違って発振には気を使わなければならないことを今回学んだ。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2016/02/22/8025595/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。