真空管ヒーター 定電流点火回路の考察(4)2015年12月07日 19時11分54秒

新しい定電流回路の基板。出力にはパスコンとしてWEST-CAPのオイルコンデンサ(CPO5A1 400VDC)を投入した。

たかがヒーター点火回路と侮ってはならない。アンプ本体に手を加えるのと全く同じ影響力がある。点火回路もれっきとしたアンプの一部であることを肝に銘じなければならない。

さて、音はどのように変化したのか。
回路が完成してからまだ1週間。累積エージング時間はまだ30〜40時間程度。
中低音がうすくなり、音圧もやや後退していくという、このエージング時間の特徴があらわれている。最低でも500時間。理想的には700時間は必要であろう。

それでも大きな変化として聞き取れるのは、演奏者の「気」である。こんなことは今までほとんど経験したことがない。これで低音が厚くなってきたらどうなるのだろう。

音の評価に「気」ということばを使うのは初めてである。演奏者と会場の聴衆とが一体となった、なんとも表現が難しいが「雰囲気」と言ったらいいのだろうか、「そこに人のいのちが実在している」という感触と言ったらよいのだろうか。

キース・ジャレットのDark Intervalsを聞いていて特にそのことが感じられる。これまでこのCDに対し、これほどすごい録音だと思ったことはなかった。言葉を失う。

ピアノ低音弦が複雑な響きをともなってステージの床を振動させる。(キースが足でリズムをとると、なおいっそう)
あともう一歩で、私の足を載せた床をもふるわせるのではないか。もしもそうなったら、そのときは目の前にグランドピアノが据えられ、そこでキースが演奏していると思えるのだろうか。

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