エージングは螺旋階段を登るように2015年02月11日 10時12分28秒

FN1241+Reflektor-D のエージングについて。

これまでの経験では、どんな部品でもおよそ500時間かければだいたいゴールが見えるという予想が立てられた。ところが今回の場合、延べ時間でおよそ1400時間経過した今でもいまだに落ち着かない。

回路設計のどこかに瑕疵があるのなら、最初から音はひどいままでどんなにエージングしても変わらないからそれとすぐに分かる。ところが今回のケースは、良いときは良いのだが、悪い時は徹底して悪いという両極端を繰り返す。その頻度も、良い状態が顔をのぞかせるのは10日に一度くらいで、あとは高音に偏った金切り声の日々が続くのだから全くやるせない。

どなたかが言っていたが、まるで螺旋階段を登るようなエージングである。いやそれならまだ良いほうかもしれない。最近は、海の底に潜っているクジラが息をしに海面に浮かび上がる瞬間をじっと待っている心境さえしてきた。その雄大な姿を見ることができるのはほんの束の間で、次の瞬間には「あれは夢か幻か」とつぶやいている。

こうなるとひたすら待つ他はないのだが、こんなときに「人の地金」が見えてくるものである。私の場合はじっと我慢が苦手で、何かをしなければと落ち着かなくなる。要は器(うつわ)が小さいのである。

頭のなかで、ああでもないこうでもないと思考実験を繰り返した挙句、Reflektor-Dの制御素子にLU1014Dを使ってみたらどうかと思いついた。シミュレーションでは、位相余裕が従来のものよりも改善され発振しにくくなるとの予想。ちょっと実験してみよう。

Reflektor-D with LU1014D暫定版2015年02月11日 18時19分40秒

ジャンク箱にあるありあわせの部品で早速作り上げた。
とりあえず、水晶発振器の電源にインストールして様子を見る。

ハンダ付け直後なので刺激的な音はするが、素性は悪くなさそう。最初はへたばった電池で様子を見ていたが、これまでのレギュレータと入れ替えて長期観察をしていくことに決めた。

従来のレギュレータとの違いは、制御素子をMTP3055VLからLU1014Dに交換したことと、これに伴いバイアス電圧を与えるためにソース側に1S1588を4個直列に入れたこと。Zobel素子がテフロン・コンデンサになっていること。電圧リファレンス素子がRFスイッチングダイオードからやはり1S1588になっていること。手持ちの関係でこうなった。

24時後、どのように変化しているか楽しみだ。