IVコンバータ Ver.15.3に改訂2012年01月03日 20時41分01秒

 回路図を公開。
 変更点は以下のとおり。
(1)出力トランス(PO400601)の一次側センターをCRを通してGNDに接続。
(2)WE420Aのプレートにかける電圧を設定するFETのドレインに820Ωを挿入し、最大定格を超えないようにした。
(3)HotとCold両2SC960のコレクタ間にまたいで接続しているローパスフィルター用のCを330pFにした。
(4)出力トランスの二次側に挿入していた終端抵抗を削除した。

(2)と(3)は常識的なので説明は不要だろうが、(1)については、説明がいるかも知れない。

 このCRは、なくても正常動作する。役割は、トランスのセンターの電位を交流的に固定することにある。

 部品が理想的な状態であれば、センターの電位はほとんど動くことはない。しかし、ホット・コールド間の対称性は理想状態にあることはありえない。かならずアンバランスが発生する。その結果、トランス中点の電位が動く。それによってプッシュプル動作は不完全なものとなり、音にも影響を与える。

 CRを挿入した効果はすぐにわかる。明らかに挿入前と比べると変化を感じ取ることができる。演奏の表情やニュアンスが鮮明となり、音楽に没入できるようになる。入れる前は、表情が平板で躍動感も少し薄かったとわかる。

 今回のテストで、トランスのセンターの扱いについては、意外に見過ごされてきているのではないかと実感した。なお、CRの値についてはまったくの勘によるものなので、理想値は別のところにある可能性がある。しかしとにかくやってみる価値はある。