IVコンバータ改訂 Ver.15.2へ2011年12月29日 16時01分43秒

  DACチップをPCM1794に変更したことに伴い、IVコンバータを改訂した。回路そのものの基本は変わりはない。しかしここまでたどり着くのに結構手間取った。

 変更点は以下の通り。
(1)初段ベース接地トラに流すアイドリング電流を9mAに増やしたため、IV変換抵抗を10KΩから2.7KΩに変更。

(2)これに伴い終段のグリッド電位およびベース電位が変わるため、プレート電圧を95Vから125Vに変更。

(3)終段のプレート電流を適正値にするために、カソード・ベース間にダイオード(1S1588)を挿入。

(4)終段トラ(2SA607)のベースに動作安定用の抵抗(470Ω)を挿入。

 今回の変更で手間取ったのが、電源電圧の設定だった。今の状態では一応規格内におさまっているが、最大定格に余裕がないために、今後変更しなければならないかもしれない。

 当初、発振の有無をチェックするために初段(2SC960)のコレクタの波形を観測していたとき、およそ10mVp-pの100Hzのサイン波が現れ、驚いた。

 最初は原因がわからず慌てたが、シミュレーションしてみると手段トラのベース電流が流れているためと判明。トラの入力インピーダンスが低く、7963のプレート電位にのったリップルの影響が初段に及んでしまったようだ。

 幸い、このアンプはバランス動作になっているので出力にはいっさい出てこない。アンバランス動作なら電源を安定化させなければならなかっただろう。

 音はどうか。
 改訂前までは、音に固さが残り、どうしても気になっていた。あるときは途中でスイッチを切ったほどである。

 改訂後まだエージングは済んでいない状態でも高い音域での固さがない。エージング不足でささくれ立った音は聞こえるが、それでも耳に突き刺さることが少ない。

 固さがなくなると音楽の表情が豊かになって聞いていて楽しくなる。

 音質評価の途中、DACのレギュレータを交換してみた。旧K式レギュレータ(自分なりに変更版)からSalasシャントレギュレータに交換したとたん、音の表情が明らかに変わった。音が生き生きとしていて楽しい。それに比べて、旧K式レギュレータは音が平板でつまらなく感じた。

 もっとも比較しなければ、それはそれで良い音でなっていたと思う。オーディオは一度良い音を聞いてしまうと、以前のものは陳腐になってしまうから恐ろしい。

 Diyaudioを覗いてみると、Salasはまたあらたなシャントレギュレータを提案している。まだベータ版という段階で評価の最中のようだ。

 動作は安定しており、部品も少ない。音も良好との報告がある。シャントレギュレータは指定部品で、指定のパターンで作らないと発振のリスクが高い。

 ちかぢか、ベータ版のレギュレータに挑戦する予定。指定部品をDigikeyに発注し、到着待ちの状態。秋葉の通販を利用するより、ずっとスピーディだ。

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