BBベアリングボールの不思議2011年03月01日 17時43分42秒

 ここ数週間、いろいろなことが重なり、疲れがたまっていた。疲れがたまると、腰が痛くなる。昨日はとうとう朝起きがけに腰にずきんと痛みが走った。8年前、同じような痛みを経験し、あのとき人生初めてぎっくり腰になったことを思い出した。無理をしてはいけない。自分が感じている以上に、からだは黄色信号を出して休むように警告している。

  さて、疲れたときは無心になって自転車のことを考えるのが良い。
 KX Light号のBBは、標準のものに戻していた。しかし、LOOK 595のBBにセラミックボールを投入したことで、なんとかこちらのBBもセラミック化できないか画策していた。Enduroのベアリングが一個余っているし、セラミックボールもベアリング一個分残してある。

 このEnduroベアリングはもともとKX Light号で右側BBに使っていたもの。ごりごり感があるのでてっきり故障していると判断していた。しかしBBスリーブからはずし、きちんとグリスアップしてやったら、元のスムースさまでとは言わないが、結構使える程度に回復した。これを負荷が少ない左側スリーブに使うことにした。右側は、ノーマルベアリングにセラミックボールを入れることで対処する。

 写真は、はずした状態のノーマルベアリング。ボールはこれまで右側に使っていたもの。これを見て少々驚いた。写真ではわかりにくいが、明らかに右側に使っていたベアリングボール表面の光沢が鈍くなっている。つまり、表面が粗くなっている。それに比べ、左側に使っていたボールの輝きは失われていない。シマノが別のベアリングを左右で使い分けているのかと疑ったほど、この違いは一目瞭然。
 原因はただ一つ。ベアリング内部はそれほど汚れていなかったのだから、右側にかかる負荷のせいだとしか考えられない。

 私のような貧しい足の持ち主であっても、ベアリングボール表面を砕くほどの力はかかるらしい。まして、プロ選手ならばどうなるのだろう。力がかかるたびに、スティールボールは絶えず変形しているのではないかと疑われる。これを見ても、セラミックボールに変更する意義は十分あるように思われる。

 余談になるが、シマノのBBがいかにも回らないかのような宣伝が散見される。シマノの肩を持つわけではないが、決してそんなことはない。ベアリング単体で回してみると、滑らかに回る。回りにくく見えるのはひとえにシールドが厳重になっているせいだ。シマノの設計方針は、回転性よりも耐久性の重視にあるのであり、そのことを無視して、こちらがいかにもぐるぐる回転するというようなことを強調するのはどうなのだろう。
 工業製品というものは、様々なバランスをとって設計されていることを忘れてはならない。

WH-7850-SLのグリスアップ2011年03月01日 22時08分27秒

 3月に入り、外を走られる日が近づきつつある。そろそろ KX Light号のオーバーホールをしなければと思い、手始めにホイールのグリスアップに着手した。

 昨年、ベアリングボールをセラミックのものに入れ替えて以来初めて中をあけてみることになる。まずフロントから。こちらはマイクロロン•グリスの青い色がそのままで、まったく問題なし。ハブの締め具合もアーレンキーとハブスパナを使い、短時間で調整できるようになってきた。

 回転の滑らかさをチェックするために、ホイールを手で回してみる。ホイールを支える手にコリコリするような若干の振動を感じるくらいが良いようだ。これをきらってもっと緩くしてしまうと、今度はリムが揺れてしまいブレーキシューに接触する。何よりも自転車が安定せず、気持ち悪い挙動をする。以前、そんなことがあってこりごりした記憶がある。

  回転の滑らかさをBORA ONEと比べてみる。ダントツでBORA ONEの勝ち。BORA ONEはいつまでも回り続ける。対して7850は、まるでブレーキがかかっているかのように、あれよあれよという間に回転角速度が低下し、止まってしまう。
 ベアリングの精度の問題というよりも、おそらくマイクロロン•グリスの粘度が高いせいだろう。主に練習用に使うホイールを割り切っているから気にしない。回転性能よりも耐久性を重視する。

 次にリアホイール。反フリー側は、これも問題なし。しかし、フリー側はグリスが真っ黒に変色していた。やっぱりグリスアップしてよかった。原因は不明。BBと同じく、フリー側に極端な負荷がかかるためだろうか。でも、以前はこんなことがなかったから、もしかして単に水やほこりが侵入したせいかもしれない。

 組み上げて、固定ローラーで漕いでみる。チェーンも新品にしたためもあり、やっぱり気持ちがよくペダルをまわすことができる。力が無駄に逃げない感触は、いつまでも漕いでいたいという気持ちにさせる。